【3.11特集】震災3年目の祈り(13):デイビッド風間牧師「奉仕者の汗や泥にまみれた姿の中に、人々はキリストの愛を見る」

2014年4月2日10時39分 記者 : 佐藤憲一 印刷
+【3.11特集】震災3年目の祈り(13):デイビッド風間牧師「奉仕者の汗や泥にまみれた姿の中に、人々はキリストの愛を見る」
ギターを弾きながら3カ国語で歌う風間牧師

1階は誰でも気軽に立ち寄れるカフェ。2階は日曜礼拝やコンサートも行える集会所。被災地支援団体サマリタンズ・パースの活動拠点として2011年11月に始動し、2012年12月から気仙沼ホープセンター(KHC)としてオープンした。人々はここで休息し、必要なものを得て、また送り出されていく。代表のデイビッド風間牧師にKHCの働きについて聞いた。

「被災地にいて強く感じるのは、受け身ではいけないということ。ここでもそれぞれが自分の得意なことを発揮して欲しいです」。そう話す風間牧師は多才な人だ。メッセージに立てば一人で日本語と英語を交互に語り、賛美の時はピアノを弾いてギターを奏で、日本語、英語、中国語で次々と歌う。青森に生まれ、25歳で米国留学した。妻の李芳さんは中国出身という。

「神様は特定の目的のために人を訓練しています。私の場合も、言葉にしろ音楽にしろ、震災後ここに来るためにすべての能力が準備されてきた。そうとしか説明がつかない。そういうものじゃないでしょうか」と風間牧師。「内側に住む神がすばらしいのであって、私はただの入れ物に過ぎません。皆さんが神様を信じて新しい人生を歩んでもらえればそれでいい」

KHCでは、これまで被災者支援のボランティアはもちろん、音楽祭などを開催してきた。今年はさらに、子育て講座、家庭料理講座、編み物講座や語学教室(中国語・英語ほか)、ゴスペルやドラムのワークショップ、ボイストレーニング、スポーツイベントと、たくさんの企画を準備している。バイブルセミナーもその一つだ。

「東北は冬の気候の厳しさ、そして自分の思いをストレートに出さないという文化的な側面もあります。そこに震災のショックと喪失感が加わり、うつ状態になる被災者が少なくありません」。仕事を失い、意欲をなくしてパチンコ依存に陥る人もいる。「それを責めるわけにはいきません。イエス・キリストを示し得なかったという、我々の責任でもあります」

【3.11特集】震災3年目の祈り(13):「奉仕者の汗や泥にまみれた姿の中に、人々はキリストの愛を見る」~気仙沼ホープセンター、デイビッド風間牧師
サマリタンズ・パースが設営した仮設テントと風間牧師=2011年4月ごろ

風間牧師は2011年4月から被災地での活動を始めた。栃木県で家の教会を開いていた時に3・11が起きる。福島原発から遠くない距離だっため、夫妻は幼い2人の子を連れて一時大阪に。その後、ジャパンミッションセンターの派遣で東北に来た。サマリタンズ・パースの通訳スタッフを務めながら、津波をかぶった家屋の泥出し仕事から着手した。

【3.11特集】震災3年目の祈り(13):「奉仕者の汗や泥にまみれた姿の中に、人々はキリストの愛を見る」~気仙沼ホープセンター、デイビッド風間牧師
津波に襲われた家屋で泥出し作業を行う=2011年4月ごろ

今のホープセンターの建物も、そのうちの一つだった。もとは材木問屋の倉庫で、後に住宅として使われていたが、「津波に襲われてひどい状態でした。掃除をしていく中で持ち主と友達になり、ここをボランティアセンターにしたいという思いが与えられ、持ち主も承諾して実現したのです」。多い時には50人が宿泊する支援拠点となった。

地域に根ざしてきた気仙沼第一聖書バプテスト教会は、床だけを残してすべてが流されていた。その場所で一緒に流木の十字架を立て上げたり、支援物資を配ったりするなど、サマリタンズ・パースのスタッフとして多くの活動を重ねたことが、この地にとどまる導きへとつながった。

「みんな泥だらけになって働きました。奉仕のためにやって来た人の汗や泥にまみれた姿の中に、人々は神の愛を見るのだと思います。我々は、まず朝の作業の前に祈り、昼食の前に祈り、さらに夕方の解散時にと、毎日3回祈ります。その祈りに地元の人も自然に入ってくる。そこではイエス様も寄り添っている。そういう状況でした」

家も教会も流されるという非常時にあって、「青空の下、瓦礫と泥の中での祈りの時は忘れがたいものがありました」と風間牧師は話す。「教会の原点を見た思いでした。福音書の時代は路傍の伝道だったわけですから。Church on the roadside(路傍の教会)が、ぼくの得た理想の形です」

各地から支援ボランティアが集まり、海外からやって来たたくさんのクリスチャンの顔もあった。ブラジル人たちがギターを弾き、地元の人たちも参加して、みんなで声を合わせて歌い、祈る。悲惨と厳しさの現場の中で、うるわしいひと時が生まれていた。 (続く:良き「コンビニ教会」を目指す気仙沼ホープセンター

【3.11特集】震災3年目の祈り(13):「奉仕者の汗や泥にまみれた姿の中に、人々はキリストの愛を見る」~気仙沼ホープセンター、デイビッド風間牧師
津波被害を受けた建物をきれいにしてスタートした気仙沼ホープセンター

■【3.11特集】震災3年目の祈り:
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(最終回)

※「震災3年目の祈り」と題して、シリーズで東北の今をお伝えしています。

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。


教会の最新記事 教会の記事一覧ページ

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース