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東日本大震災

【3.11特集】震災3年目の祈り(9):津波で信徒を失う悲しみ 会堂は災害支援の拠点に~大船渡教会

2014年3月20日19時33分 記者 : 佐藤憲一
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関連タグ:東日本大震災大船渡教会(日本基督教団)
【3.11特集】震災3年目の祈り(9):津波で信徒を失う悲しみ 会堂は災害支援の拠点に~大船渡教会+
雪の降るなか、仮設住宅の各戸に花を届けるボランティアの女性。こうした訪問は、高齢者の安否確認にもなっている。

大船渡教会(日本基督教団)は、震災の1年前に新会堂を建てたばかりだった。教会は津波の被害を受けなかったが、5人の信徒が家を流された。親族8人を亡くした人もいる。大船渡市は494人の死者・行方不明者を出し、市内37カ所の仮設団地に今も多くの人が暮らす。

教会員の50代の女性が、その母親と18歳の2人の娘さんとともに津波で亡くなっている。娘さんは双子で、その春から2人とも国立大学に入学することが決まっていた。足の弱い高齢の母親とともにいて、流されたのではないかということだ。

遺体安置所で死亡確認などを行っていた、やはり教会員の70代の女性医師は、疲労が重なっていたためなのだろう、突然倒れて、現在もなお意識不明の状態が続いているという。

被災後、大船渡教会は支援ボランティアの拠点として用いられ、多い日には80人のボランティアや訪問客がやってきた。「夜はどの扉を開けても人が寝ているという状態。牧師館もすべて開放していましたから、一人になれるのはトイレの中だけでした」と村谷正人牧師は語る。「若いボランティアの中には、生まれて初めて来た教会がここで、初めて会った牧師がこの私だったという人も少なくありませんでした」

村谷牧師は震災10日後に大船渡教会に赴任した。「ここに来ることが決まった2月に初めて大船渡教会を訪ね、街を見て回ったんですが、着任した時にはもうその光景はなかったんです」。牧師館にはまだ前任の牧師の荷物が置いてあった。引っ越し直前に集荷のトラックが津波ですべて流されてしまい、前任と後任の牧師がともに災害対応に追われる事態となった。

着任早々、すでに戦場のようになっていた教会での激務について、村谷牧師は「街も人も、まだ何も知らないからできたところもあるのでしょう」。神学生時代に、阪神淡路大震災の支援ボランティアをした経験も役立ったようだ。

【3.11特集】震災3年目の祈り(9):津波で信徒を失う悲しみ 会堂は災害支援の拠点に~大船渡教会
「被災地支援で初めて教会に足を踏み入れた若者も多かった」と語る村谷牧師。多数のボランティアが駆けつけた時は、夜に就寝する場所もなく、牧師室の机の下で横になった人もいたという。

どういうわけか、村谷牧師はこれまで赴いた先々で震災に遭ってきた。出身地の青森では子ども時代に日本海中部地震を体験した。神学校入学直前に三陸はるか沖地震、神学生の時に阪神淡路大震災、初任地では鳥取県西部地震。「たまたまであってほしいですね」と苦笑する。

3月11日の午後は、青森県の弘前市で結婚式の司式をする予定だったという。地震の揺れはひどかったものの、とにかく会場に向かってみると、「新郎が緊急招集されたと言われました。自衛隊の人だったんですね。大船渡に行ったと聞きました」

「『教会、守られましたね』とよく言われますし、私も最初はそのように言ったこともありましたが、『亡くなった人は守られなかったのでしょうか』と問われると発する言葉もなく、遺族にかける言葉は見つかりません。今も家族が見つかっていない人もいますから」

ガリラヤ湖の嵐の場面など、聖書の水の箇所に触れることはできなかった。しかし、間もなく、そうした場面も説教で扱わなければならなくなる。 (続く:「桜が美しく咲いていれば、木の下で賛美する」~大船渡教会)

■【3.11特集】震災3年目の祈り:
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(最終回)

※「震災3年目の祈り」と題して、シリーズで東北の今をお伝えしています。

関連タグ:東日本大震災大船渡教会(日本基督教団)
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