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不条理なる死を不可知の光で中和せよ

転生なきビジョンはない(その1)

2021年10月28日15時31分 コラムニスト : 藤崎裕之
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関連タグ:依存症マルコによる福音書藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(8)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(8)

イエス、ゲラサの地へ

イエス・キリストが活動の場を変えて異邦人の地、ゲラサへと足を踏み入れたとき、ある人物が墓場からやって来た(マルコ5:1~20参照)。この人は墓場を住まいとしており、鎖を用いてもそれを引きちぎってしまい、誰もつなぎとめることができなかったと書かれている。ここで聖書が曖昧な書き方をしている点に注目したい。墓場に住んでいたのは本人の意志なのか、それとも誰かが彼を強いて墓場に住まわせていたのか。鎖を用いて墓場に行かないようつなぎとめられていたのか、それとも墓場から出ないようつなぎとめられていたのか。聖書だけではどうもよく分からない。

フランシスコ会訳聖書の解説によると、この墓場は地を掘ったものではなく、岩を横に掘って造った墓場だということである。現代日本人にはなじみのないものである。この場合は、湖岸の切り立った崖に造られた集合墓地ということになろうか。日本にもそのような例がある。「吉見百穴(よしみひゃくあな / よしみひゃっけつ)は、埼玉県比企郡吉見町にある古墳時代後期の横穴墓群の遺跡。太平洋戦争下の地下軍需工場建設のために破壊された十数基を除いても、219基が現存している」(ウィキペディアから引用)。写真で確認してもらいたいが、このような墓が掘られている崖下でこの人は生活していたか、あるいは誰かが埋葬された墓の中で生活していたか、どちらかであろう。かなり異様な生活である。まさにこのような場所に、自らをレギオンと名乗った人物が自ら進んで住み着いていたのであろう。

吉見百穴
埼玉県吉見町の吉見百穴(写真:京浜にけ)

墓場に生きる意識とは

通常の意識では墓場に住むのはかなり難しい。しかし、聖書が告げているように悪霊といわれる謎の何かに取り憑(つ)かれている場合、それは心理学的には憑依(ひょうい)といえるかもしれないが、実際にはそれほどめずらしいことではない。

筆者自身も強度のギャンブル依存に悩まされていた時代には、確かに何かに取り憑かれている感覚が抜けなかった。パチスロの霊である。夢の中でもパチスロをしていたくらいなので相当な悪霊である。このような場合は、生活の中で悪霊が「抜ける」という感覚がまったくない。四六時中「パチする」霊が離れない。これは恐らくかなり多くの人が経験した状態ではあると思うが、経験していないとまず共感されることはない。他にもアルコールの霊に悩まされた経験もあるし、その前はタバコの霊も経験済みである。人によっては過食の霊もあれば、セックスの霊もある。これら後者の霊は経験していないので分かりかねるが、何事かが意識的にも無意識的にも自分自身から「どうにも抜けていかない」という状況だ。

これは大事な点だが、このような霊どもは得てして単独では存在しないのである。大抵は重複した状態でうまく共存しながら憑依体をむしばんでいくのである。筆者の経験からいえば、パチスロ中はニコチンが欲しくてたまらない。アルコールを欲したことはないが、人によっては飲酒とギャンブルは相性が良いらしい。一度だけ函館競馬場に行ったことがあるが、ワンカップを飲みながら競馬中継を見ているオッサンが実に多いのだ。たまたま行った者からすると、これはなかなか驚くべき光景だ。

レギオンは多重悪霊憑依

さて、今回の論点であるが、多重悪霊憑依状態の場合は通常の生活空間にとどまりたくないのである。それは当然のことである。通常の生活空間にいれば、そこは常人の世であるので居心地が悪い。話が通じない。職場や家庭でパチスロの話をしても、同じ霊に取り憑かれていない人間には面白くも何ともない。「こいつはホンマにおバカ」であると思われるだけである。私の家族の話によると、筆者も「俺はパチスラーじゃなくて拳シラーなんだ」とのたまっていたらしい(拳シラーとは、パチスロ北斗の拳にどっぷりはまった人間が口にしていた合い言葉)。誰がパチスロ中毒者の話を聞いて面白いと思うだろうか。あきれるしかない。しかし、本人は真剣に「楽しさ」を伝えているのである。とはいえ、それは一種の言い訳であって、実のところは大損しても抜け出せない依存状態の説明にしかすぎないのではあるが。

イエスのところにやってきた人物はレギオンと名乗った。レギオンとはローマの軍団を意味する言葉である。通常は6千人の兵士で構成されている。悪霊が大勢いるからレギオンなのか、それとも彼の中で大暴れしているからレギオンなのか、あるいはこのように考えるべきかもしれない。墓場に自分を追いやる悪霊だからレギオンなのだと。恐らくそうだろう。軍隊にはいつも死の香りがある。

人間にはそれぞれ集う場がある

オカルトチックな話になるが、霊感の強い人がパチンコ店で霊体を見たという証言は多い。それはギャンブル依存の末に自殺をした人々の死霊なのだという。死霊が見えているのにそれでもパチンコ店に通うこと自体、すごいというか異常だと思うが、それでもそこに吸い寄せられていくのである。

確かにパチンコ店には「うじゃうじゃした」得体の知れない何かがうごめいている感じがする。ゲームセンターの中では絶対に感じない何かである。その「うじゃうじゃした」何かがうごめいている空間がものすごく心地良いのだ。極論になるが、パチンコ店にはギャンブルをしないがそこにずーーーっとたたずんでいる人がいるくらいなのだ。何が好きでそこにいるのか不思議なのであるが、ずっと座っている人がいるのだ。恐らくその空間が好きなのだ。そのこと、またそういう人たちを気持ち悪いと言ってしまう人間はやはり愛が欠如しているのではないか。つまり、そういう隣人もこの世にはたくさんいるということを否定的に考えているのだろう。

この世にはさまざまな空間があって、何とか依存というネガティブな状態の人が集うわけではないが、一般人からすれば「何じゃこれは?」という集団が結構ある。宇宙人と交流する空間もあるらしい(実際に行ったことはないが)。霊界と交信する人が集う場所もある。それらはけしてネガティブな空間ではないが、興味のない人から「気持ち悪い」場所認定されることもあるし、常にそういうリスクもある。しかし、まあ、そこに集う人にとっては、悪評はあまり気にならないだろう。少なくとも元日の朝8時からパチンコ店の開店を待つ列に並んでいたパチンカス(パチンコするカスという意味)が感じるような後ろめたさはないのだろうと思う。それが筆者自身であったし、まさにレギオンここにありだ。

なお、予告をしておくが、今回のテーマは転生である。転生というのは次元を超えて生まれ変わることだ。現代アニメの主題にもよく使われる。キリスト教には次元を超えて生まれ変わるという発想はないが、レギオンの顛末(てんまつ)を味わっていく中でそのテーマを掘り下げてみたい。(続く)

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■ 転生なきビジョンはない:(1)(2)(3)(4)

◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:依存症マルコによる福音書藤崎裕之
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