新・景教のたどった道(6)大秦景教の先駆者 川口一彦

2019年3月28日10時27分 コラムニスト : 川口一彦 印刷
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大秦景教の先駆者

1. 東方の博士らのイエス・メシア礼拝来訪

新・景教のたどった道(6)大秦景教の先駆者 川口一彦
※画像は、筆者が景教碑の中のメシア降誕記事の文字を見て半切用紙に臨書し、書展に出品した作品です。

旧約の民の多くが待望していたメシアの降誕によって、新しいことが起きていきました。世界に散らされたイスラエルの民たちは離散した所で会堂を建て、聖書を読み、メシア信仰を抱きつつ待っていました。

旧約聖書の最後の預言書はマラキ書で、新約聖書の初めはマタイの福音書です。その間の時代を昔から「中間時代」と呼びます。ユダヤはマカベア時代で、ギリシャのアレクサンダー大王死去の後、ローマ帝国が支配した時代でした。

エルサレム神殿では、異教徒の踏み込みと、ユダヤ人が嫌う動物礼拝も行われました。死者も出る戦いを繰り返す時代で、まさにメシアの来臨による勝利を懇願した時代でありました。一般に、政治的勝利をもたらす王なるメシアを期待していました。

このような不安定な時に、エルサレムからはるか遠い東方の空にメシアの星が輝きました。それを見たペルシアの博士たちは、聖書からメシアが到来したことを知り、礼拝のささげ物にふさわしい贈り物を携えて、星に導かれて旅立ちました。

行き着いた所はナザレという田舎町でした。メシアにお会いすると、赤ちゃんのイエス様に神としての真実の礼拝をささげ、黄金、乳香、没薬を贈り、自国に帰りました。

彼らは帰国した地でメシアの降誕を伝えました。その地からメシア礼拝信仰者が起こされていきました。この時から、イスラエルへのメシア信仰巡礼者が起きていったことでしょう。

781年に中国の都、長安の大秦寺会堂に建てられた「大秦景教流行中国碑」には、メシアを礼拝しに行った博士たちは波斯(ペルシア)からと刻まれてあります。波斯と断言できたのは、彼らの子孫たちが口伝えで聞いていたからです。

2. 聖霊降臨の時の東方地域からの巡礼者

新・景教のたどった道(6)大秦景教の先駆者 川口一彦
※画像は筆者の筆によるもの。

新約聖書の使徒言行録2章に記されている聖霊降臨のとき、東方から多くの巡礼者がエルサレムに来ていたとあります。

東方の地域とはパルティア、メディア、エラム、メソポタミア、アラビアで、その地から多くの礼拝者が来て、イエスをメシアと信じた者たちはバプテスマを受け、自国に帰り、イエス・メシアの救い、福音を伝えていき、信仰者の群れが起きていきました。それが東方教会です。

ここに、大秦景教の源流があります。ネストリウスが生まれる前から景教の先駆者がここにいました。彼らは福音を地域の内外に伝え、シルクロードならぬバイブル・メシアロードでさらに東に向かい、中央アジアや中国まで行きました。中国では大秦景教と呼ばれました。

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※ 参考文献
景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
旧版『景教のたどった道―東周りのキリスト教

川口一彦

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

【川口一彦・連絡先】
電話:090・3955・7955 メール:kei1951-6@xc.so-net.ne.jp

フェイスブック「川口一彦」で聖句絵を投稿中。また、フェイスブック「景教の研究・川口」でも情報を発信している。

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