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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(48)「エルサレム入場」―ラザロの復活(8)― 臼田宣弘

2024年3月13日15時40分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書パームサンデー(棕櫚の主日、枝の主日、聖枝祭)臼田宣弘
ジョット・ディ・ボンドーネ「エルサレム入城」(イタリア・スクロベーニ礼拝堂所蔵)
ジョット・ディ・ボンドーネ「エルサレム入城」(イタリア・スクロベーニ礼拝堂所蔵)

今回は、12章12~19節を読みます。私はここまでが、10章40節に始まる「ラザロの復活」というお話の大きな括りに入ると考えています。

歓呼して迎える群衆

12 その翌日、祭りに来ていた大勢の群衆は、イエスがエルサレムに来られると聞き、13 なつめやしの枝を持って迎えに出た。そして、叫び続けた。「ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。イスラエルの王に。」

前回お伝えしたベタニアのマリアの塗油の次の日に、イエス様はエルサレムに入られます。その時に、エルサレムの人々はなつめやしの枝を持って迎えます。なつめやしとは、中東の主要食となっているデーツと呼ばれる果物が採れるヤシ科の常緑高木です。日本語の聖書では、日本で親しみのある別のヤシ科の常緑高木「棕櫚(しゅろ)」に言い換えて訳しているものもあります(「聖書と植物 ナツメヤシ」参照)。

マリアの塗油が過越祭の6日前とされていることから(12章1節)、このエルサレム入場は日曜日と特定できます。それ故に、イースター(復活祭)の1週間前の日曜日は、「棕櫚の主日」(パームサンデー)といわれています。

旧約聖書続編の第2マカバイ記10章1~8節には、マカバイたちがアンティオコス4世からエルサレムの神殿を奪還し、神殿奉献記念祭(第39回参照)を行ったことが記されています。その7節に、「彼らは、テュルソスや葉を茂らせた枝や、さらになつめやしの枝を手にして、ご自身の場所が清められるよう道を整えてくださった方に賛美の歌を献(ささ)げた」とあります。マカバイたちが、なつめやしの枝を持って戦勝を祝ったのです。

エルサレムの群衆が、なつめやしの枝を持ってイエス様を迎えたことは、この記事をほうふつとさせます。なつめやしの枝を持って迎えることは勝利者を迎えることであり、イエス様のエルサレム入場を、勝利の出来事と捉えていたのでしょう。

群衆は「ホサナ」と叫びながらイエス様を迎えました。ホサナは、ヘブライ語のホーシーアー・ナー(詩編118編25節)の短縮形で、「どうか救ってください」という意味であり、王に対して使われる言葉であったようです。ここでも「主の名によって来られる方に、祝福があるように。イスラエルの王に」と、イエス様が王とされているのです。

子ろばに乗ってエルサレム入場

14 イエスは子ろばを見つけて、お乗りになった。次のように書いてあるとおりである。15 「シオンの娘よ、恐れるな。見よ、あなたの王が来る。ろばの子に乗って。」 16 弟子たちは最初これらのことが分からなかったが、イエスが栄光を受けられたとき、それがイエスについて書かれたものであり、人々はそのとおりイエスにしたのだということを思い出した。

しかし群衆が期待していたのは、政治的な王でした。イエス様がなさっていた数々のしるしを知っていた群衆は、ローマに支配されていたイスラエルを政治的に解放する王として期待していたのです。けれどもイエス様は子ろばに乗っておられました。子ろばは、旧約聖書のゼカリヤ書によれば、平和と柔和の象徴です。以下のようにあります。

娘シオンよ、大いに喜べ。娘エルサレムよ、喜び叫べ。あなたの王があなたのところに来る。彼は正しき者であって、勝利を得る者。へりくだって、ろばに乗って来る。雌ろばの子、子ろばに乗って。私はエフライムから戦車を、エルサレムから軍馬を絶つ。戦いの弓は絶たれ、この方は諸国民に平和を告げる。その支配は海から海へ、大河から地の果てにまで至る。(ゼカリヤ書9章9~10節)

エルサレムの人々は、マカバイのような戦の勇者としての王を期待していたのかもしれませんが、ゼカリヤ書が告げる新しい王は、軍馬ではなく平和と柔和の象徴である子ろばに乗ってやって来るのです。そしてイエス様は、その平和と柔和の王を成就された方であったのです。イエス様のエルサレム入場は、ゼカリヤ書で伝えられている新しい王の成就であったのです。

弟子たちにはそのことが分からなかったのですが、イエス様が栄光を受けられたとき、すなわち復活されたときに、聖書とイエス様のなさったことを思い起こしました。ここでのヨハネ福音書の伝え方は、2章22節の「イエスが死者の中から復活されたとき、弟子たちは、イエスがこう言われたのを思い出し、聖書とイエスの語られた言葉とを信じた」と同じであり、「栄光を受けられたとき」「復活されたとき」というのは、イエス様が復活させられた瞬間ということではなく、復活後に建てられた教会においてということでしょう。

ラザロの復活を証言した人々

17 イエスがラザロを墓から呼び出して、死者の中からよみがえらせたとき一緒にいた群衆は、その証しをした。18 群衆がイエスを出迎えたのも、イエスがこのしるしをなさったと聞いたからである。19 そこで、ファリサイ派の人々は互いに言った。「見ろ、何をしても無駄だ。世をあげてあの男に付いて行ったではないか。」

私が冒頭で、「ここまでが、10章40節に始まる『ラザロの復活』というお話の大きな括りに入ると考えています」と書いたのは、この箇所を理由としています。群衆が、イエス様のエルサレム入場を歓迎したのは、「ラザロの復活」について証言をする人たちがいたことが大きかったからなのです。

しかし、ファリサイ派の人たちはそんな群衆を苦々しい目で見ていたのです。そしてそのことが、イエス様の十字架への道を早めてしまったのではないかと思わされます。

棕櫚の主日をどう祝うか

今年は3月31日がイースターですので、24日が棕櫚の主日です。次々回の日曜日がその日に当たるのです。最後に、私たちが棕櫚の主日をどう祝うかということに触れて、今回の執筆、また8回にわたった「ラザロの復活」のお話についての連載を終えたいと思います。

これまで記してきましたように、イエス様は、イスラエルをローマ帝国の支配から解放させる政治的な王としてではなく、平和と柔和の王として、エルサレムに入場したのであり、それは究極的には十字架にかかるためでありました。

棕櫚の主日を、「ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。イスラエルの王に」と言って祝うことは、それはそれで良いのですが、マカベアの勝利の凱旋を祝うような主日ではないのでしょう。十字架にかかってくださったイエス様の愛を想起して、その愛によって私たちに与えられている「永遠の命」を確認することが大切なのだと思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネによる福音書パームサンデー(棕櫚の主日、枝の主日、聖枝祭)臼田宣弘
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