Skip to main content
2025年10月30日20時30分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(39)「私と父とは一つである」―ユダヤ人たちとの対論― 臼田宣弘

2024年1月10日11時43分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
ボイチェフ・シュタットラー「マカバイ」(ポーランド・クラクフ国立博物館所蔵)
ボイチェフ・シュタットラー「マカバイ」(ポーランド・クラクフ国立博物館所蔵)

今回は、10章19~30節を読みます。

ユダヤ人たちの間の対立

19 この言葉をめぐって、ユダヤ人たちの間にまた対立が生じた。20 多くのユダヤ人は言った。「あれは悪霊に取りつかれて、気が変になっている。なぜ、あなたがたはその言うことに耳を貸すのか。」 21 ほかの者たちは言った。「悪霊に取りつかれた者は、こういうことは言えない。悪霊に盲人の目を開けることができようか。」

盲人の目を開けられたイエス様は、その後に羊と羊飼いを中心にした例え話を語られました。その話を聞いていたユダヤ人たちの間に、対立が生じることになります。その中の多数の人たちは、イエス様について「あれは悪霊に取りつかれて、気が変になっている」と悪評を立てていました。しかし、イエス様のことを肯定的に見ている人たちもいたのです。ただ、その人たちがイエス様の話を正確に理解していたかということになりますと、そうでもなかったことが、この後の記述から明らかになります。

神殿奉献記念祭

22 その頃、エルサレムで神殿奉献記念祭が行われた。冬であった。

新約聖書において、この神殿奉献記念祭という行事に触れているのはここだけです。これは、イスラエルで現在も行われている行事です。神殿奉献記念祭が行われるようになったいきさつについて、少しお伝えしておきます。

紀元前167年に、エルサレムがシリアの暴君アンティオコス4世に略奪され、神殿にゼウスの像が置かれたことがありました。そして、アンティオコス4世は、ユダヤ人にそれを礼拝するよう強要し、彼らが大切にしていた律法の安息日順守を破棄するように命じたのです。

しかし一部の人たちは、この暴君の命令を拒否し、荒野の隠れ家に身を寄せました。王の軍は、ある安息日に武装してその隠れ家に出かけ、彼らに王の命令に従うよう求めました。しかし彼らは、「我々は出て行かない。安息日を汚せという王の言葉を実行しない」(旧約聖書続編・第1マカバイ記2章34節)と言って、これを拒否しました。

すると、王の軍の兵士たちは、その日が安息日であることを承知の上で、彼らに対して直ちに戦いを開始したのです。敬虔なユダヤ人たちは、安息日ですから戦うことができません。彼らは、「我々は全員潔く死のう」(同37節)と言って応戦しませんでした。そして千人もの犠牲者が出たのです。

しかしこの時、祭司マタティアとその友人たちは、「誰であれ、安息日に我々に対して戦いを挑んで来る者があれば、我々はこれと戦おう。我々は皆、隠れ場で殺された兄弟たちのようには決して死ぬまい」(同41節)と決議したのです。そして軍隊を結成して、アンティオコス4世の軍に抗戦しました。

マタティアの死後、息子の一人マカバイが、父に代わって立ち上がり、この戦いを続けました。そして数々の勝利を収め、略奪されていた神殿を奪還して、紀元前164年に主なる神への奉献の式をしたのです。このことを記念して毎年行われるようになったのが、神殿奉献記念祭です。

ちなみに、ヘンデルのオラトリ「ユダス・マカベウス」は、このマカバイの勝利をたたえているものです。その中の第3幕「見よ、勇者は帰る」は、さまざまな表彰式においてよく流されますが、いかにも表彰にふさわしいメロディーだと思わされます。

政治的な意味でのメシア待望

23 イエスは、神殿の境内でソロモンの回廊を歩いておられた。24 すると、ユダヤ人たちがイエスを取り囲んで言った。「いつまで私たちに気をもませるのか。もしメシアなら、はっきりそう言いなさい。」

この神殿奉献記念祭の期間中に、イエス様は神殿に来ておられました。そこでのイエス様とユダヤ人たちの対論が伝えられるのですが、これには意味があります。マカバイは、ユダヤ人の歴史においては英雄でした。ユダヤが他国に支配されていたイエス様の時代、人々はマカバイのような独立を勝ち取る英雄を待ち望んでいたのです。それはメシア待望には違いありませんが、彼らは政治的な意味でのメシアを待ち望んでいたのです。21節で伝えられている、イエス様に対して肯定的であった人たちとは、そのような人たちであったのではないでしょうか。

そうしたユダヤ人たちは、イエス様に対して、「もしメシアなら、はっきりそう言いなさい」と詰め寄りました。それは自分たちの思惑に基づくものであって、政治的な意味でのメシアであることをはっきりさせなさいということであったのでしょう。イエス様は羊と羊飼いの例え話で、「神の子」という意味でのメシアを語っていたのですが、このユダヤ人たちには理解できないことだったのです。

「私と父とは一つである」

25 イエスはお答えになった。「私は言ったが、あなたがたは信じない。私が父の名によって行う業が、私について証しをしている。26 しかし、あなたがたは信じない。私の羊ではないからである。27 私の羊は私の声を聞き分ける。私は彼らを知っており、彼らは私に従う。

28 私は彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、また、彼らを私の手から奪う者はいない。29 私に彼らを与えてくださった父は、すべてのものより偉大であり、誰も彼らを父の手から奪うことはできない。30 私と父とは一つである。」

ユダヤ人たちに対するイエス様の答えは、それまでに語ってこられたことを復唱しているように思えます。これは、この福音書を読む読者にとっては、「ここがポイント」ということになると思います。イエス様は、マカバイのような政治的メシアとしてこの世に来られたのではなかったのです。イエス様は、神様の愛を示すため、人々の罪のために十字架にかけられる目的でこの世に来られたメシアだったのです。

そして、イエス様がご自身の命(プシュケー)を捨てることによって、人々に命(ゾーエー)が与えられることになりました(プシュケーとゾーエーについては前回参照)。それは、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。御子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」(3章16節)とある、神様の目的を果たされるためでした。

そして、イエス様はその父なる神様と同一であられたのです。ですからこの後、十字架への道を進まれることになるのです。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ヨハネ福音書を読む(38)「命を捨て、命を得させる」―プシュケーとゾーエー― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(37)「羊飼いと羊」―光を見ることができる人― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(36)「神の業が現れるため」―エリフの言葉を超えるもの― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(35)「追い出された信徒」―キリスト教徒は追放という時代― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(34)「『イエスはメシアである』という告白」―福音書が執筆された時代の状況として読む― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(31)夢の中での再会

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(6)恐れずに主の導きに従う 加治太郎

  • 私たちを生かす主キリストの御業 万代栄嗣

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 神の前に高ぶらないで生きよう 菅野直基

  • 私たちを生かす主キリストの御業 万代栄嗣

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.