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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(38)「命を捨て、命を得させる」―プシュケーとゾーエー― 臼田宣弘

2024年1月4日10時37分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書マルコによる福音書臼田宣弘
ジャン・バティスト・ド・シャンパーニュ「良い羊飼い」(フランス・リール宮殿美術館所蔵)
ジャン・バティスト・ド・シャンパーニュ「良い羊飼い」(フランス・リール宮殿美術館所蔵)

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。また、1日に発生した能登半島地震で被災された方々にお見舞いを申し上げます。特に、被災地の教会がこのような中にあっても福音を伝え続けることができますようにお祈りいたします。さて、今回は10章7~18節を読みます。

7 イエスはまた言われた。「よくよく言っておく。私は羊の門である。8 私より前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。9 私は門である。私を通って入る者は救われ、また出入りして牧草を見つける。10 盗人が来るのは、盗んだり、屠(ほふ)ったり、滅ぼしたりするためにほかならない。私が来たのは、羊が命を得るため、しかも豊かに得るためである。

11 私は良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。12 羊飼いでなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼(おおかみ)が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。――狼は羊を奪い、また追い散らす。――13 彼は雇い人で、羊のことを心にかけていないからである。14 私は良い羊飼いである。私は自分の羊を知っており、羊も私を知っている。15 それは、父が私を知っておられ、私が父を知っているのと同じである。私は羊のために命を捨てる。

16 私には、この囲いに入っていないほかの羊がいる。その羊をも導かなければならない。その羊も私の声を聞き分ける。こうして、一つの群れ、一人の羊飼いとなる。17 私は命を再び受けるために、捨てる。それゆえ、父は私を愛してくださる。18 誰も私から命を取り去ることはできない。私は自分でそれを捨てる。私は命を捨てることもでき、それを再び受けることもできる。これは、私が父から受けた戒めである。」

マルコ福音書との比較

7~18節は、イエス様が1~5節について詳しく述べているものです。ところで、マルコ福音書4章1~9節には「種を蒔(ま)く人の例え」というイエス様の講話があります。そこでは、①道端に蒔かれた種、②石だらけで土の少ない所に蒔かれた種、③茨の中に蒔かれた種、④良い土地に蒔かれた種という4つの例えが語られています。そして、同13~20節は「種を蒔く人の例えの説明」という表題が付けられており、1~9節の4つの例えが詳しく説明されています。

1~5節と7~18節は、マルコ福音書のこれらの箇所の関係と類似しているといえるでしょう。1~5節において概略が伝えられ、7~18節で例えの詳しい説明がなされているのです。そこで、マルコ福音書と同じように、7~18節に4つの例えを見いだしてみると、①羊の門、②良い羊飼い、③羊、④盗人・強盗・狼となると思います。それぞれについて何を意味しているかを考えると、分かりやすいと思います。

羊の門と良い羊飼い

「エゴー・エイミ(私はある)」というイエス様の神顕現としての言葉が、「私は羊の門である」(7、9節、9節では「羊の」が省略されている)、「私は良い羊飼いである」(11、14節)と2つ語られています。両方ともイエス様によるご自身を意味する例えですが、両者は関連しつつも違うものだといわれています。イエス様は「羊の門」であるのと同時に、「良い羊飼い」でもあるということです。

羊

詩編23編の「ダビデの詩」はよく知られていると思いますが、この詩では「主は私の羊飼い。私は乏しいことがない。主は私を緑の野に伏させ、憩いの汀(みぎわ)に伴われる」(1~2節)と、作者は自身を羊に例えています。また。詩編100編では、「主が私たちを造られた。私たちは主のもの。主の民、その牧場の羊」(2節)と、やはり作者が自らを羊に例えています。

このように、旧約聖書では人間を羊に例えて伝えているわけですが、イエス様もそれを継承しているといえると思います。羊、つまり人間は、門であるイエス様を通って牧草地に入り、救いを得、羊飼いであるイエス様に養われるということです。そうなりますと、前述の「羊の門」と「良い羊飼い」は、「イエス様をメシアと告白する入信(洗礼を受けること)」と、「イエス様の名によって永遠の命を得た者としての歩み」が、それぞれにおいていわれているのではないかと思います(20章31節参照)。

なお、16節の「この囲いに入っていないほかの羊」とは、異邦人やサマリア人などのことを指しているのでしょう。イエス様の福音は、全世界に伝えられるものであり、良い羊飼いであるイエス様は、全ての民の声を聞き取ってくださるのです。

盗人・強盗・狼

8節の「私より前に来た盗人や強盗」とは、1節によるならば「門を通らないでほかの所を乗り越えて来る者」ですから、イエス様と対立したファリサイ派の人たちなど、ユダヤ教の指導者たちのことを例えているのかもしれません。12節の狼は、盗人や強盗とは違う人たちかもしれませんが、やはり福音に対立する人たち、例えばパウロのミレトスでの説教の中で語られている「教会を荒らす残忍な狼ども」(使徒20章29節参照)のような人たちのことを意味しているのでしょう。

命を捨て、命を得させる良い羊飼いであるイエス様

新約聖書には、命という言葉が2つあります。プシュケーとゾーエーです。プシュケーは終わりのある命であり、ゾーエーは終わりのない命です。「永遠の命」と伝えられている命は、全てゾーエーです。岩波訳聖書(『新約聖書Ⅲ—ヨハネ文書』)では、プシュケーは「いのち」、ゾーエーは「命」と書き分けられています。

10節後半で、「私が来たのは、羊が命を得るため、しかも豊かに得るためである」というイエス様の言葉が伝えられていますが、ここでの命はゾーエーが使われています。それに対して、11、15、17節の「命を捨てる」における命、すなわちイエス様が捨てる命はプシュケーです。つまり、イエス様がこの世に人間として来られた際に持たれていた命(プシュケー)が、十字架上において捨てられ、本来は限りある命(プシュケー)しか持たない私たちに、限りのない「永遠の命」(ゾーエー)が与えられたということではないかと、私は理解しています。

ヨハネ福音書の伝える「永遠の命」とは、未来永劫生き続けるということだけではなく、今のこの地上において、「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(13章34節)という、イエス様の与えてくださった新しい戒めにおいて歩んでいくことではないかと思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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