Skip to main content
2025年10月23日13時59分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(38)「命を捨て、命を得させる」―プシュケーとゾーエー― 臼田宣弘

2024年1月4日10時37分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ヨハネによる福音書マルコによる福音書臼田宣弘
ジャン・バティスト・ド・シャンパーニュ「良い羊飼い」(フランス・リール宮殿美術館所蔵)
ジャン・バティスト・ド・シャンパーニュ「良い羊飼い」(フランス・リール宮殿美術館所蔵)

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。また、1日に発生した能登半島地震で被災された方々にお見舞いを申し上げます。特に、被災地の教会がこのような中にあっても福音を伝え続けることができますようにお祈りいたします。さて、今回は10章7~18節を読みます。

7 イエスはまた言われた。「よくよく言っておく。私は羊の門である。8 私より前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。9 私は門である。私を通って入る者は救われ、また出入りして牧草を見つける。10 盗人が来るのは、盗んだり、屠(ほふ)ったり、滅ぼしたりするためにほかならない。私が来たのは、羊が命を得るため、しかも豊かに得るためである。

11 私は良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。12 羊飼いでなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼(おおかみ)が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。――狼は羊を奪い、また追い散らす。――13 彼は雇い人で、羊のことを心にかけていないからである。14 私は良い羊飼いである。私は自分の羊を知っており、羊も私を知っている。15 それは、父が私を知っておられ、私が父を知っているのと同じである。私は羊のために命を捨てる。

16 私には、この囲いに入っていないほかの羊がいる。その羊をも導かなければならない。その羊も私の声を聞き分ける。こうして、一つの群れ、一人の羊飼いとなる。17 私は命を再び受けるために、捨てる。それゆえ、父は私を愛してくださる。18 誰も私から命を取り去ることはできない。私は自分でそれを捨てる。私は命を捨てることもでき、それを再び受けることもできる。これは、私が父から受けた戒めである。」

マルコ福音書との比較

7~18節は、イエス様が1~5節について詳しく述べているものです。ところで、マルコ福音書4章1~9節には「種を蒔(ま)く人の例え」というイエス様の講話があります。そこでは、①道端に蒔かれた種、②石だらけで土の少ない所に蒔かれた種、③茨の中に蒔かれた種、④良い土地に蒔かれた種という4つの例えが語られています。そして、同13~20節は「種を蒔く人の例えの説明」という表題が付けられており、1~9節の4つの例えが詳しく説明されています。

1~5節と7~18節は、マルコ福音書のこれらの箇所の関係と類似しているといえるでしょう。1~5節において概略が伝えられ、7~18節で例えの詳しい説明がなされているのです。そこで、マルコ福音書と同じように、7~18節に4つの例えを見いだしてみると、①羊の門、②良い羊飼い、③羊、④盗人・強盗・狼となると思います。それぞれについて何を意味しているかを考えると、分かりやすいと思います。

羊の門と良い羊飼い

「エゴー・エイミ(私はある)」というイエス様の神顕現としての言葉が、「私は羊の門である」(7、9節、9節では「羊の」が省略されている)、「私は良い羊飼いである」(11、14節)と2つ語られています。両方ともイエス様によるご自身を意味する例えですが、両者は関連しつつも違うものだといわれています。イエス様は「羊の門」であるのと同時に、「良い羊飼い」でもあるということです。

羊

詩編23編の「ダビデの詩」はよく知られていると思いますが、この詩では「主は私の羊飼い。私は乏しいことがない。主は私を緑の野に伏させ、憩いの汀(みぎわ)に伴われる」(1~2節)と、作者は自身を羊に例えています。また。詩編100編では、「主が私たちを造られた。私たちは主のもの。主の民、その牧場の羊」(2節)と、やはり作者が自らを羊に例えています。

このように、旧約聖書では人間を羊に例えて伝えているわけですが、イエス様もそれを継承しているといえると思います。羊、つまり人間は、門であるイエス様を通って牧草地に入り、救いを得、羊飼いであるイエス様に養われるということです。そうなりますと、前述の「羊の門」と「良い羊飼い」は、「イエス様をメシアと告白する入信(洗礼を受けること)」と、「イエス様の名によって永遠の命を得た者としての歩み」が、それぞれにおいていわれているのではないかと思います(20章31節参照)。

なお、16節の「この囲いに入っていないほかの羊」とは、異邦人やサマリア人などのことを指しているのでしょう。イエス様の福音は、全世界に伝えられるものであり、良い羊飼いであるイエス様は、全ての民の声を聞き取ってくださるのです。

盗人・強盗・狼

8節の「私より前に来た盗人や強盗」とは、1節によるならば「門を通らないでほかの所を乗り越えて来る者」ですから、イエス様と対立したファリサイ派の人たちなど、ユダヤ教の指導者たちのことを例えているのかもしれません。12節の狼は、盗人や強盗とは違う人たちかもしれませんが、やはり福音に対立する人たち、例えばパウロのミレトスでの説教の中で語られている「教会を荒らす残忍な狼ども」(使徒20章29節参照)のような人たちのことを意味しているのでしょう。

命を捨て、命を得させる良い羊飼いであるイエス様

新約聖書には、命という言葉が2つあります。プシュケーとゾーエーです。プシュケーは終わりのある命であり、ゾーエーは終わりのない命です。「永遠の命」と伝えられている命は、全てゾーエーです。岩波訳聖書(『新約聖書Ⅲ—ヨハネ文書』)では、プシュケーは「いのち」、ゾーエーは「命」と書き分けられています。

10節後半で、「私が来たのは、羊が命を得るため、しかも豊かに得るためである」というイエス様の言葉が伝えられていますが、ここでの命はゾーエーが使われています。それに対して、11、15、17節の「命を捨てる」における命、すなわちイエス様が捨てる命はプシュケーです。つまり、イエス様がこの世に人間として来られた際に持たれていた命(プシュケー)が、十字架上において捨てられ、本来は限りある命(プシュケー)しか持たない私たちに、限りのない「永遠の命」(ゾーエー)が与えられたということではないかと、私は理解しています。

ヨハネ福音書の伝える「永遠の命」とは、未来永劫生き続けるということだけではなく、今のこの地上において、「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(13章34節)という、イエス様の与えてくださった新しい戒めにおいて歩んでいくことではないかと思います。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネによる福音書マルコによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ヨハネ福音書を読む(37)「羊飼いと羊」―光を見ることができる人― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(36)「神の業が現れるため」―エリフの言葉を超えるもの― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(35)「追い出された信徒」―キリスト教徒は追放という時代― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(34)「『イエスはメシアである』という告白」―福音書が執筆された時代の状況として読む― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(33)「イエス様の自己顕現」―私はある、私は世の光である― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • トルコ、5年余りで外国人キリスト教徒200人以上を国外追放 「国家安全保障」理由に

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 現代における「御言葉の飢饉」 法規制や不足で1億人のキリスト教徒が聖書入手できず

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(14)抗黙示思想と現代 臼田宣弘

  • 冷めた心に注意しよう! 万代栄嗣

  • ワールドミッションレポート(10月23日):カメルーンのルンドゥ族のために祈ろう

  • 焦りは禁物 菅野直基

  • ヨハネの黙示録(8)テアテラ教会の御使いへ 岡田昌弘

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(233)宣教は主の備えから始まる 広田信也

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 現代における「御言葉の飢饉」 法規制や不足で1億人のキリスト教徒が聖書入手できず

  • 冷めた心に注意しよう! 万代栄嗣

  • トルコ、5年余りで外国人キリスト教徒200人以上を国外追放 「国家安全保障」理由に

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(233)宣教は主の備えから始まる 広田信也

  • 【インタビュー】ブトロス・マンスール世界福音同盟新総主事 「平和をつくる者、それが私の使命」

  • ヨハネの黙示録(8)テアテラ教会の御使いへ 岡田昌弘

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 中国東部で教会活動に対する大規模取り締まり、キリスト教徒70人以上拘束

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.