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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(40)「新しい神殿奉献記念祭」―神様からの派遣についての最後の啓示― 臼田宣弘

2024年1月17日16時02分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘ハヌカ

今回は、10章30~39節を読みます。ここは、2世紀以後にキリスト教を確立させた、教父といわれる人たちが、その確立のために議論をしてきた箇所です。そして今日でも、「神とキリストは、違う主体でありながら、同一である」というキリスト教のアイデンティティーを示すときに、最も重要な箇所でもあります。

30節は、前回の箇所の結論のような言葉でもありましたが、今回の箇所の開始の言葉とも受け取れますので、前回と重複させます。

望まれた姿ではないメシア

30 「私と父とは一つである。」 31 ユダヤ人たちは、イエスを石で打ち殺そうとして、また石を取り上げた。32 イエスは言われた。「私は、父から出た多くの善い業をあなたがたに示してきた。そのどの業のために、石で打ち殺そうとするのか。」 33 ユダヤ人たちは答えた。「善い業のことで、石で打ち殺すのではない。神を冒瀆(ぼうとく)したからだ。あなたは、人間なのに、自分を神としているからだ。」

イエス様が「私と父とは一つである」と言われたのを聞いたユダヤ人たちは、再び(8章59節参照)石を取り上げてイエス様を打ち殺そうとします。律法に「主の名をそしる者は必ず死ななければならない。会衆全体が必ずその者を石で打ち殺さなければならない」(レビ記24章16節)とあるからです。

イエス様は、十字架にかけられる前に2度、石打ちの刑で殺害されそうになったのです。そうなりますと、十字架による刑死は3度目の正直といえますでしょうか。3度の理由はいずれも、イエス様が自分を父なる神様と等しい者であるとされたことでした。そのうちの一度、中間に当たるのが今回の箇所です。

前回お伝えしましたように、当時の人々はユダヤの歴史上の英雄、マカバイのようなメシアを期待していました。彼らは、イエス様が立派な業を行っていたことは見ていました。けれどもイエス様は、その業をマカバイのように国の独立のためにはお用いにはならなかったのです。イエス様の行った業は、体の麻痺(まひ)した人や目の見えない人の癒やしであり、それは神様の御業を現すためのものであったといえるでしょう。

けれどもユダヤ人たちにとっては、自分たちの民族が隆興するためのものではないそのような業は、神様からのものとしては受け止めることができなかったのでしょう。しかもイエス様は、「私には、この囲いに入っていないほかの羊がいる。その羊をも導かなければならない」(10章16節)と、異邦人に対する救いをも語っていたのです。

彼らにとっては、イエス様は自分たちが望むメシアではなかったのです。そのイエス様が、自分を神様と等しい者としていたのです。それは、ユダヤ人たちにとっては神を冒瀆していることでしかありませんでした。そのため、イエス様を石打ちの刑にしようとする思いが湧いてきたのでしょうし、最終的には十字架による処刑に至ったのです。

ラビ的手法による対論

34 イエスは言われた。「あなたがたの律法に、『私は言った。あなたがたは神々である』と書いてあるではないか。35 神の言葉を託された人たちが、『神々』と言われ、そして、聖書が廃れることがないならば、36 父が聖なる者とし、世にお遣わしになった私が、『私は神の子である』と言ったからとて、どうして『神を冒瀆している』と言うのか。

イエス様は、詩編82編6節を引用して、ユダヤ人たちの「神を冒瀆している」という言葉に対峙(たいじ)されました。「あなたがたの律法」と言われていますが、律法とは時に旧約聖書全体を意味する場合があり、ここでも律法はその意味で使われています。

「私は言った。あなたがたは神々である」というのは神様の発言ですが、神様が、おごり高ぶったこの世の支配者たちに対して、「神々」という皮肉めいた呼称を付けているのであって、人間が神々であることを認めているわけではありません。イエス様がこの引用をしているのは、「ラビ的手法」によるものであり、これも人間を神々と認めているわけではありません。

ここでの議論についての説明は、もう少し詳述しなければならないのかもしれませんが、煩雑になるため、これにとどめておきます。ともかく、詩編の言葉を引用することによって、ユダヤ人たちの「神を冒瀆している」という主張に、イエス様は対峙されているのです。

新しい神殿奉献記念祭

37 もし、私が父の業を行っていないのであれば、私を信じなくてもよい。38 しかし、行っているのであれば、私を信じなくても、その業を信じなさい。そうすれば、父が私の内におられ、私が父の内にいることを、あなたがたは知り、また悟るだろう。」 39 そこで、ユダヤ人たちはまたイエスを捕らえようとしたが、イエスは彼らの手を逃れて、去って行かれた。

この場面は、神殿奉献記念祭が行われているエルサレム神殿を舞台にしていることを前回お伝えしましたが、それはユダヤ人たちの側にすればマカバイのような英雄のメシアの待望を意味することでした。しかし、イエス様の側に立てば、この舞台は新しい神殿奉献記念祭の宣言であったと思います。

イエス様は、「私と父とは一つである」(30節)、「私は神の子である」(36節)、「父が私の内におられ、私が父の内にいる」(38節)と語られました。これは、冒頭にお伝えしましたように、「神とキリストは、違う主体でありながら、同一である」というキリスト教のアイデンティティーを表していることになるのですが、これはイエス様が、新しい神殿奉献記念祭の主体であるという宣言でもあったのです。

イエス様はしばしば、「私はある」「私は~である」ということを言われました。それは、神様の御業がイエス様において働いておられたことを意味しています。「その業を信じなさい」(38節)というのは、その神様の御業を信じなさいということでしょう。それも新しい神殿奉献記念祭の始まりとしての言葉であったのです。これは、イエス様が神様から派遣されたことを語られた啓示とされるうちの、最後のものでもありました。

現在のイスラエルにおいては、神殿奉献記念祭はハヌカと呼ばれ、12月20日ごろから8日間行われています。ハヌカとキリスト教のクリスマスが、同じ時季に行われるのは偶然でないようにも思わされています。クリスマスを、新しい神殿奉献記念祭と捉えてもよいのではないでしょうか。私たちはそこに招かれているのです。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘ハヌカ
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