第4回ローザンヌ世界宣教会議で発表された「ソウル声明」の日本語版が、18日までにローザンヌ運動の公式サイトで公開された。
ローザンヌ運動は過去3回の世界宣教会議で、それぞれの神学的議論の結果を「ローザンヌ誓約」(1974年)、「マニラ宣言」(89年)、「ケープタウン決意表明」(2010年)として集約しており、ソウル声明はこれらに続くもの。半世紀にわたって福音派の世界宣教を後押ししてきたローザンヌ運動における4つ目の重要文書として位置付けられる。
一方、ソウル声明は、参加者への情報提供と啓発を目的に、昨年9月に韓国で1週間にわたって開かれた第4回ローザンヌ世界宣教会議の最終日ではなく初日に発表された。参加者にはこの他、150人を超える宣教の専門家が協力して編さんした「大宣教命令の現状報告」も提供された。
ソウル声明の紹介文は、この2つの文書について併用を意図したものだとしている。また、過去に発表した3つの基本文書に取って代わるのものではなく、それらを「補完する文書」であり、「孤立した文書」ではないとしている。
具体的には、以下の7つのテーマを扱っている。
- 福音:私たちが生き、また語るストーリー
- 聖書:私たちが読み、また従う聖なるみことば
- 教会:私たちが愛し、また建て上げる神の民
- 人間:神のかたちに造られ、回復される
- 弟子づくり:聖(きよ)さと宣教への私たちの召し
- 諸国民から成る家族:私たちは紛争中の諸民族を目撃し、平和のために彼らに仕える
- テクノロジー:加速するイノベーションを見分け、管理する
紹介文はまた、これらの7つのテーマは、「神学や宣教における混乱に満ちた世界において、3つの明確な視点」をもたらすとし、以下の3つを挙げている。
- クリスチャンの確信は聖書と2千年間にわたるキリスト教の伝統に根ざすこと
- 「福音」の中心的要素は何かを私たちは自信を持って知ることができ、また何が周辺的で何が偽りかを見分けることができること
- 世界教会であることの二大責務として、信仰を告知(伝道)し、信仰を擁護(弟子育成と牧会)すること
ソウル宣言は、世界各地の神学者らで構成される「神学作業部会」が作成した。スリランカのコロンボ神学校で25年以上校長を務めるアイバー・プーバラン氏と、アメリカ長老教会(PCA)の宣教団体「ミッション・トゥ・ザ・ワールド」(MTW)でサハラ以南アフリカ担当国際ディレクターを務めるビクター・ナカ氏が、共同議長として責任を担った。ナカ氏は、ケープタウン決意表明の起草委員を務めた経験もある。
ソウル声明の原文は英語で、中国語、フランス語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語の各言語版は当初から公開されていた。日本語版はそれから1年余りを経て、8番目の言語として公開された。
■ ローザンヌ運動「ソウル声明」日本語版
■ ローザンヌ運動「ソウル声明」紹介文(日本語)
















