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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(41)「洗礼者ヨハネが指し示すもの」―ラザロの復活(1)― 臼田宣弘

2024年1月24日10時40分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
フアン・デ・フランデス「ラザロの復活」(スペイン・プラド美術館所蔵)
フアン・デ・フランデス「ラザロの復活」(スペイン・プラド美術館所蔵)

今回から8回の予定で、「ラザロの復活」をお伝えします。このお話は、ヨハネ福音書の中でも最も愛されているものの一つであり、世界の美術や文学に影響を与えているお話です。当該箇所を執筆するときにお伝えしますが、フョードル・ドストエフスキーの小説『罪と罰』において、殺人を犯した主人公のラスコーリニコフが、恋人のソーニャに、ラザロが復活する場面を読んでもらうシーンは、よく知られているのではないかと思います。

集中構造分析

私は、10章40節から12章19節を、この「ラザロの復活」のお話の大枠であると見ています。そしてこの部分は、集中構造になっています。最初にその集中構造分析を、山口里子著『マルタとマリア』の229ページでなされている分析を基に、それを展開させた形で示したいと思います(山口氏は11章1節~12章11節を大枠としています)。集中構造については、以前のコラム「コヘレト書を読む」の第9回を参照していただければと思います。

A 10章40~42節 多くの人たちがイエス様のもとに来る
B 11章1~16節 死の脅威
C 11章17~27節 信仰告白
D 11章28~37節 しるしとユダヤ人
X 11章38~44節 ラザロの復活
D´ 11章45~57節 しるしとユダヤ人
C´ 12章1~8節 信仰告白
B´ 12章9~11節 死の脅威
A´ 12章12~19節 多くの人たちがイエス様のもとに来る

集中構造分析によって聖書を読む利点は2点あると、私は考えています。1つは、集中構造をなしている話の中核、すなわち中心になる重要点が分かるということです。上記の構造分析によって分かる中核は、まさに「ラザロの復活」です。ラザロが復活する場面が、姉妹マルタとマリアや友人たちが登場し、さらにはエルサレム入場の局面をも含む、この比較的長い話の中心であり、重要な場面なのです。

利点の2つ目は、対称になっている部分を突き合わせることによって、両者の相似点を見いだすことができることです。11章17~27節は、マルタの「主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであると私は信じています」という、イエス様に対する信仰告白がなされている箇所です。これは口による信仰告白です。

これに対して、この対称箇所である12章1~8節は、マリアのイエス様への塗油の場面です。ここでマリアは一言も言葉を発していません。しかしマリアは、その行為によってイエス様に対して信仰告白をしているのではないかと、私は考えています。集中構造分析によって対称箇所であることが明らかになったことで、この所見の妥当性が補完されるのではないかと思います。

8回に分けてお伝えする「ラザロの復活」については、集中構造分析に基づいて区切り、基本的にその区切りごとに各回の執筆をしたいと思います。それでは今回は、集中構造分析における最初のAの部分である10章40~42節を読んでみましょう。

エルサレムを離れる

40 イエスは、再びヨルダンの向こう岸、ヨハネが初めに洗礼(バプテスマ)を授けていた所に行って、そこに滞在された。

神殿奉献記念祭の時にユダヤ人たちに殺されそうになったイエス様は、捕らえようとした彼らの手を逃れ、エルサレムから離れて、洗礼者ヨハネのゆかりの地であるベタニアに行かれました(1章28節参照)。このベタニアは、この後の「ラザロの復活」の舞台となるベタニアとは別の場所です。ちなみに2つの地名のギリシア語のつづりは、両者とも Βηθανία で同じです。

多くの人たちがイエス様のもとに来る

41 多くの人がイエスのもとに来て言った。「ヨハネは何のしるしも行わなかったが、彼がこの方について話したことは、すべて本当だった。」42 そこでは、多くの人がイエスを信じた。

ヨハネ福音書は、イエス様が生前に行われたしるし(奇跡)を、7つ伝えています。「ラザロの復活」はその最後のものであり、また最大のものです。ここまでに伝えられた6つのしるしとは、「水のぶどう酒への変容」(2章1~11節)、「役人の息子の癒やし」(4章43~54節)、「ベトザタの池での癒やし」(5章1~9節)、「5千人の供食」(6章1~15節)、「湖上歩行」(6章16~21節)、「目の見えない人の癒やし」(9章1~7節)でした。

恐らく、イエス様はそれ以外のしるしも行っていたと思います。けれどもヨハネ福音書には、「このほかにも、イエスは弟子たちの前で、多くのしるしをなさったが、それはこの書物に書かれていない」(20章30節)、「イエスのなさったことは、このほかにも、まだたくさんある。私は思う。もしそれらを一つ一つ書き記すならば、世界もその書かれた書物を収めきれないであろう」(21章25節)とあります。

行われたしるしの全てがこの福音書に収められているのではないでしょうし、もっとたくさんあったでしょう。そしてそれらの話が、ユダヤ中に広まっていたでしょうし、このベタニアにも伝わっていたということだと思います。

ベタニアは、この時には既に処刑されていたと思われる、洗礼者ヨハネが生前に洗礼を授けていた所ですので、ヨハネに洗礼を授けてもらった人たちや、彼から教えを聞いた人たちが大勢いたのでしょう。その人たちがイエス様のもとに来て、「ヨハネは何のしるしも行わなかったが、彼がこの方について話したことは、すべて本当だった」と言ったのです。

これは、マルコ福音書1章7節にある「私よりも力のある方が、後から来られる」などの言葉を受けての発言でしょう。イエス様は数々の力あるしるしを行って、神様の御業を現されていたのです。そして、イエス様によって行われた最後のしるしであり、また最大のものである「ラザロの復活」を中心とする出来事が、これから始まろうとしているのです。

洗礼者ヨハネは、常にイエス様を指し示す存在であり続けました。今回の箇所では、既に世にはいないと思いますが、人々の心の中に存在していたヨハネが、イエス様の最後で最大のしるしを指し示しているのではないかと思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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