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AI時代の「人間の保護」テーマ 教皇レオ14世が初の回勅「マニフィカ・フマニタス」

2026年5月27日16時14分
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関連タグ:レオ14世(教皇)マニフィカ・フマニタス人工知能(AI)カトリック教会
ローマ教皇レオ14世+
ローマ教皇レオ14世(写真:Fabrizio Maffei / Shutterstock)

ローマ教皇レオ14世は25日、昨年5月の就任以来初となる回勅「マニフィカ・フマニタス」を発表した。タイトルはラテン語で「偉大な人類」の意味。回勅は教皇が公表する公文書の中で最も重要な文書で、今回は人工知能(AI)時代における人間の保護が主要なテーマとして扱われている。

回勅は、信者の信仰生活を指導することなどを目的としたもので、特に社会問題に関するものは「社会回勅」と呼ばれ、欧米では社会的にも大きな影響力を持つ。「マニフィカ・フマニタス」は、教皇レオ13世(在位:1878〜1903年)が産業革命下の労働者の権利を擁護した回勅「レールム・ノヴァールム」を公布してから、ちょうど135年となる15日に署名され、25日に公布された。

バチカン(ローマ教皇庁)では25日、レオ14世臨席のもと発表記者会見が行われた。会見には、教皇庁教理省長官のビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿、同庁総合的人間開発省長官のマイケル・チェルニー枢機卿らと共に、米AI企業アンソロピック社の共同創業者で、AIの解釈可能性を研究するクリストファー・オラー氏も出席した。

「マニフィカ・フマニタス」は全5章で構成される。レオ14世は冒頭、人類は今「新たなバベルの塔を建設するか、神と人類が共にある国を築くか」の決定的な岐路に立たされていると述べ、約3万8千語に及ぶ回勅を書き始めている。

レオ14世はこの中で、AIを含めたテクノロジーについて、「人間に敵対する力ではなく」「それ自体は悪ではない」としつつ、「それを考案し、それに出資し、それを管理し、それを利用する人の性質を反映する」ため、決して中立ではないと指摘。AIを含めたテクノロジーを「受け入れるか否か」の二択ではなく、人間の尊厳や平和を中心に据えた発展のために選ぶよう促している。

また、少数の巨大IT企業へのデータと権力の集中、デジタル格差の拡大、労働者の尊厳の軽視、子どものデジタル機器への早過ぎる接触などの問題点に言及。AIなどのテクノロジーを支える上で必要となるレアアースの採掘などが、「新たな奴隷制」を生み出しているとも指摘した。

軍事利用に関しては、AIは「武装解除」されるべきだと強調。自律型兵器の配備が容易になれば戦争はより実行しやすくなるとし、殺傷や取り返しのつかない判断をAIに委ねることは許されず、「いかなるアルゴリズムも戦争を倫理的に容認することはできない」と断じた。同時に、AIは紛争を速く非人格的にし、被害者をデータとして扱うことで暴力へのハードルを下げると警告。核軍縮に向けたカトリック教会の長年の取り組みに触れつつ、人間中心のテクノロジーとして転換するよう訴えた。

こうしたAI時代の倫理的・社会的諸課題に対し、レオ14世はその議論の土台として、カトリック教会の社会教説の原理から、共通善、財貨の万人共有、補完性、連帯、社会正義の5つを提示。人類全体の利益となるよう、全ての人がAIを含めたテクノロジーを、共同責任を持って管理していくことを求めている。

結びでは信者に対し、AI時代にあっても「神が生きておられる素晴らしき人類の美しさ」を証しできるよう、「質素で厳格なキリスト教生活の道」を歩むよう呼びかけている。

「マニフィカ・フマニタス」は、バチカンの公式サイトで、英語、イタリア語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、ドイツ語、ポーランド語、アラビア語の計8言語で公開された。日本のカトリック中央協議会の発表によると、日本語訳は同協議会が後日刊行する予定。

関連タグ:レオ14世(教皇)マニフィカ・フマニタス人工知能(AI)カトリック教会
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