Skip to main content
2025年10月31日21時19分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(43)「イエス様とマルタ」―ラザロの復活(3)― 臼田宣弘

2024年2月7日16時49分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ヨハネによる福音書
セバスティアーノ・デル・ピオンボ「ラザロの復活」(英国立美術館)
セバスティアーノ・デル・ピオンボ「ラザロの復活」(英国立美術館)

今回は、11章17~27節を読みます。

マルタとマリア

17 さて、イエスが行って御覧になると、ラザロは墓に葬られてすでに四日もたっていた。18 ベタニアはエルサレムに近く、十五スタディオンほどのところにあった。19 大勢のユダヤ人が、兄弟ラザロのことでマルタとマリアを慰めようとして来ていた。20 マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家で座っていた。21 マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、私の兄弟は死ななかったでしょうに。

前回、イエス様が「ラザロは死んだのだ」と言われたことをお伝えしましたが、いざベタニアに着いてみますと、果たしてラザロは墓に葬られて4日たっていました。ここで、ラザロの姉妹であるマルタとマリアが登場します。大勢のユダヤ人たちが、2人を慰めるためにやって来ていました。

ところで、マルタとマリアは、ルカ福音書10章38~42節にも登場します(「ルカ福音書を読む」第23回参照)。ルカ福音書の方は、イエス様のガリラヤからエルサレムへの旅の最初の方で、2人のお話が伝えられています。そのため、ヨハネ福音書のこのお話の舞台であるエルサレムから約3キロメートルの距離であるベタニアとは違う、ガリラヤに近い場所が、ルカ福音書のお話の舞台なのではないかと思っていました。そして、この2つの福音書に登場するマルタとマリアは、別々の姉妹なのではないかとも考えていたことがあります。

しかし、「ルカ福音書のガリラヤからエルサレムへの旅の途上の話は順序が不同である」と書いてあるものを読みました。順番としては最初の方に書かれたものであっても、実際にはエルサレムに近い場所の出来事である可能性があるということです。私はそれ以来、この2つの福音書のマルタとマリアは、同じ姉妹であると考えるようになりました。

ルカ福音書ではマルタは動的に、マリアは静的に伝えられていますが、ヨハネ福音書の「ラザロの復活」のお話全体を通しても同じことがいえると思います。今回の箇所でも、ベタニアに着いたイエス様を迎えに行ったマルタと、家で待っていたマリアに、同じような違いを見ることができます。

しかし21節を読み、またその後の32節を読みますと、この2人が言っていることは全く同じです。2人とも、「イエス様は病を癒やす力がある」と考えていたことが分かります。

神は何でもかなえてくださる

22 しかし、あなたが神にお願いすることは何でも、神はかなえてくださると、私は今でも承知しています。」 23 イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、24 マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じています」と言った。

22節は、「しかし(アッラ)」という接続詞で始まります。ですが、『ギリシャ語新約聖書 ネストレ28版』を見ますと、この「しかし」はかっこでくくられており、また多くの重要な写本では欠けていることが分かります(同書337ページ)。

これは何を意味しているのか、さまざまに論じられていますが、「しかし」という接続詞は本来なかったということもいわれています。つまり、独立して存在していたマルタの言葉がここに挿入された可能性があるのです。

そもそも24節を読みますと、マルタはこの時点では、イエス様の「あなたの兄弟は復活する」という言葉に対して、ダニエル書12章2節の「地の塵となって眠る人々の中から、多くの者が目覚める」によるものと思われますが、「終わりの日の復活の時に復活すること」は信じているものの、その前にラザロが復活することには否定的です。つまり24節の言葉は、22節の「何でも、神はかなえてくださる」という言葉の中に含まれる、ラザロが終わりの日以前に神によって復活させられるということとは矛盾します。

これらのことをどのように解釈するのかについて、私は次のように考えています。ヨハネ福音書においては、話の進行は必ずしも時系列に沿っていなく、時として時間を経て起こったことが挿入される場合もあります。例えば、13章34節の「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」という言葉のイエス様の愛とは、その言葉が語られた時点ではまだ起こっていない十字架刑で示された愛のことです。

同じことが22節においてもいえると考えているのです。それは、ラザロが復活した後の教会におけるマルタの信仰が、ここに表されているのではないかということです。こういった伝え方は、ヨハネ福音書のレトリックであって、そのように読むことが聖書を否定することにはなりません。

復活と命

25 イエスは言われた。「私は復活であり、命である。私を信じる者は、死んでも生きる。26 生きていて私を信じる者は誰も、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」 27 マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであると私は信じています。」

ここでは、「私はある(エゴー・エイミ)」というイエス様の神顕現と、マルタに対する問い、それに対する彼女の信仰告白が伝えられています。イエス様は、「私は復活であり、命(終わりのない命を意味する「ゾーエー」)である」と言われます。イエス様は、死んだ者をよみがえらせる力と、今生きている者にゾーエーという終わりのない真の命を与える力を持っておられるのです。

その具体的な展開が25節bと26節aでなされるのですが、ここは岩波書店刊行の『新約聖書 改訂新版』の翻訳が適切なものであるので、それを掲載します。

私を信じている人は、たとえ死んでも生きることになる。また、生きて(ゾー)私を信じている人は皆いつまでも決して死ぬようなことはない。

つまり、イエス様を信じている人は、「①死んでもよみがえらせられる=復活の力が与えられている、②生きている今も、死を味わうようなことはない=真の命が与えられている」ということでありましょう。「私は復活であり、命である」ということを展開して、今この時にそれがなされているということを説いているのです。

そしてイエス様はマルタに、「このことを信じるか」と問いかけます。それに対してマルタは、「あなたはそのことをなさる、この世に来られた神の子キリストです」という信仰告白をしているのです。「あなたはメシア、生ける神の子です」(マタイ16章16節)という信仰告白をしたペトロが、その後、教会の指導者となったのであれば、マルタも初代教会の指導者になったと想像できるでしょう。

「今この時に、復活と命が与えられる」ということがどういうことかは、フョードル・ドストエフスキーの小説『罪と罰』の中に示されていて、その内容を伝えるのが一番良いと思いますが、それは次々回、ラザロが復活する場面でお伝えする予定です。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネによる福音書
  • ツイート

関連記事

  • ヨハネ福音書を読む(42)「3人を愛しておられたイエス様」―ラザロの復活(2)― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(41)「洗礼者ヨハネが指し示すもの」―ラザロの復活(1)― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(40)「新しい神殿奉献記念祭」―神様からの派遣についての最後の啓示― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(39)「私と父とは一つである」―ユダヤ人たちとの対論― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(38)「命を捨て、命を得させる」―プシュケーとゾーエー― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • ワールドミッションレポート(10月30日):イエメン 苦難はあれど希望は消えず

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.