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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(43)「イエス様とマルタ」―ラザロの復活(3)― 臼田宣弘

2024年2月7日16時49分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書
セバスティアーノ・デル・ピオンボ「ラザロの復活」(英国立美術館)
セバスティアーノ・デル・ピオンボ「ラザロの復活」(英国立美術館)

今回は、11章17~27節を読みます。

マルタとマリア

17 さて、イエスが行って御覧になると、ラザロは墓に葬られてすでに四日もたっていた。18 ベタニアはエルサレムに近く、十五スタディオンほどのところにあった。19 大勢のユダヤ人が、兄弟ラザロのことでマルタとマリアを慰めようとして来ていた。20 マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家で座っていた。21 マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、私の兄弟は死ななかったでしょうに。

前回、イエス様が「ラザロは死んだのだ」と言われたことをお伝えしましたが、いざベタニアに着いてみますと、果たしてラザロは墓に葬られて4日たっていました。ここで、ラザロの姉妹であるマルタとマリアが登場します。大勢のユダヤ人たちが、2人を慰めるためにやって来ていました。

ところで、マルタとマリアは、ルカ福音書10章38~42節にも登場します(「ルカ福音書を読む」第23回参照)。ルカ福音書の方は、イエス様のガリラヤからエルサレムへの旅の最初の方で、2人のお話が伝えられています。そのため、ヨハネ福音書のこのお話の舞台であるエルサレムから約3キロメートルの距離であるベタニアとは違う、ガリラヤに近い場所が、ルカ福音書のお話の舞台なのではないかと思っていました。そして、この2つの福音書に登場するマルタとマリアは、別々の姉妹なのではないかとも考えていたことがあります。

しかし、「ルカ福音書のガリラヤからエルサレムへの旅の途上の話は順序が不同である」と書いてあるものを読みました。順番としては最初の方に書かれたものであっても、実際にはエルサレムに近い場所の出来事である可能性があるということです。私はそれ以来、この2つの福音書のマルタとマリアは、同じ姉妹であると考えるようになりました。

ルカ福音書ではマルタは動的に、マリアは静的に伝えられていますが、ヨハネ福音書の「ラザロの復活」のお話全体を通しても同じことがいえると思います。今回の箇所でも、ベタニアに着いたイエス様を迎えに行ったマルタと、家で待っていたマリアに、同じような違いを見ることができます。

しかし21節を読み、またその後の32節を読みますと、この2人が言っていることは全く同じです。2人とも、「イエス様は病を癒やす力がある」と考えていたことが分かります。

神は何でもかなえてくださる

22 しかし、あなたが神にお願いすることは何でも、神はかなえてくださると、私は今でも承知しています。」 23 イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、24 マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じています」と言った。

22節は、「しかし(アッラ)」という接続詞で始まります。ですが、『ギリシャ語新約聖書 ネストレ28版』を見ますと、この「しかし」はかっこでくくられており、また多くの重要な写本では欠けていることが分かります(同書337ページ)。

これは何を意味しているのか、さまざまに論じられていますが、「しかし」という接続詞は本来なかったということもいわれています。つまり、独立して存在していたマルタの言葉がここに挿入された可能性があるのです。

そもそも24節を読みますと、マルタはこの時点では、イエス様の「あなたの兄弟は復活する」という言葉に対して、ダニエル書12章2節の「地の塵となって眠る人々の中から、多くの者が目覚める」によるものと思われますが、「終わりの日の復活の時に復活すること」は信じているものの、その前にラザロが復活することには否定的です。つまり24節の言葉は、22節の「何でも、神はかなえてくださる」という言葉の中に含まれる、ラザロが終わりの日以前に神によって復活させられるということとは矛盾します。

これらのことをどのように解釈するのかについて、私は次のように考えています。ヨハネ福音書においては、話の進行は必ずしも時系列に沿っていなく、時として時間を経て起こったことが挿入される場合もあります。例えば、13章34節の「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」という言葉のイエス様の愛とは、その言葉が語られた時点ではまだ起こっていない十字架刑で示された愛のことです。

同じことが22節においてもいえると考えているのです。それは、ラザロが復活した後の教会におけるマルタの信仰が、ここに表されているのではないかということです。こういった伝え方は、ヨハネ福音書のレトリックであって、そのように読むことが聖書を否定することにはなりません。

復活と命

25 イエスは言われた。「私は復活であり、命である。私を信じる者は、死んでも生きる。26 生きていて私を信じる者は誰も、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」 27 マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであると私は信じています。」

ここでは、「私はある(エゴー・エイミ)」というイエス様の神顕現と、マルタに対する問い、それに対する彼女の信仰告白が伝えられています。イエス様は、「私は復活であり、命(終わりのない命を意味する「ゾーエー」)である」と言われます。イエス様は、死んだ者をよみがえらせる力と、今生きている者にゾーエーという終わりのない真の命を与える力を持っておられるのです。

その具体的な展開が25節bと26節aでなされるのですが、ここは岩波書店刊行の『新約聖書 改訂新版』の翻訳が適切なものであるので、それを掲載します。

私を信じている人は、たとえ死んでも生きることになる。また、生きて(ゾー)私を信じている人は皆いつまでも決して死ぬようなことはない。

つまり、イエス様を信じている人は、「①死んでもよみがえらせられる=復活の力が与えられている、②生きている今も、死を味わうようなことはない=真の命が与えられている」ということでありましょう。「私は復活であり、命である」ということを展開して、今この時にそれがなされているということを説いているのです。

そしてイエス様はマルタに、「このことを信じるか」と問いかけます。それに対してマルタは、「あなたはそのことをなさる、この世に来られた神の子キリストです」という信仰告白をしているのです。「あなたはメシア、生ける神の子です」(マタイ16章16節)という信仰告白をしたペトロが、その後、教会の指導者となったのであれば、マルタも初代教会の指導者になったと想像できるでしょう。

「今この時に、復活と命が与えられる」ということがどういうことかは、フョードル・ドストエフスキーの小説『罪と罰』の中に示されていて、その内容を伝えるのが一番良いと思いますが、それは次々回、ラザロが復活する場面でお伝えする予定です。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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