Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(23)「マルタとマリア」―イエス様の話を聞いた2人― 臼田宣弘

2022年9月14日11時25分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘

今回は、10章38~42節を読みます。ガリラヤを出てエルサレムに向かうイエス様の一行は、「ある村」を訪れ、そこでマルタとその姉妹マリアの家に入られます。

「良い方を選んだ」とされたマリア

38 一行が歩いて行くうち、イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。39 彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。40 マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」 41 主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。42 しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」

ディエゴ・ベラスケス「マルタとマリアの家のキリスト」(英ナショナル・ギャラリー所蔵)
ディエゴ・ベラスケス「マルタとマリアの家のキリスト」(英ナショナル・ギャラリー所蔵)

上掲の絵画は、2つの場面が掲載されているので分かりやすいと思います。手前には、イエス様の一行をもてなすためにかいがいしく働くマルタが描かれています(マルタの後ろにいる人物は誰なのでしょうか)。向こう側には、イエス様の話を聞くマリアと、自分だけが働いているのでマリアにも働くよう進言してほしいと言っているマルタが描かれているとされています。

イエス様は進言したマルタに、「あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない」と言われたのです。「神の言葉に聞くことを第一とせよ」ということです。マルタにとっては、イエス様からのこの言葉はショックなものであったでしょう。

お話はここで終わっています。ここで伝えられているメッセージは、特に教会において奉仕をする賜物が与えられている人はいるけれども、それでも御言葉を聴くことを第一としなさいということであるといってよいと思います。

ヨハネス・フェルメール「マルタとマリアの家のキリスト」(英スコットランド国立美術館所蔵)
ヨハネス・フェルメール「マルタとマリアの家のキリスト」(英スコットランド国立美術館所蔵)

マルタはその後、どのように歩んだのか

マルタが、イエス様のこの言葉を聞いてどうしたのかは、聖書には直接的なことは書かれていません。しかし、私は2つのことを理由に、マルタはイエス様の言葉を受け入れて、その後の歩みを行っていったと考えています。

第一に、今までしばしばお伝えしているように、ルカ福音書は「やり直せます」ということをテーマにしています。登場する人たちは、「失敗」では終わらずに、やり直しの道へと促されています。このマルタとマリアのお話も、その文脈で書かれていると思うのです。ですから、イエス様が再び来られたときには、まずお話に耳を傾けるようになっただろうし、後に初代教会においてこの姉妹は教会の中心的な存在になっていったのでしょうが、神の言葉を第一とする人になっていったのではないでしょうか。

第二に、ヨハネ福音書に見られるマルタとマリアのお話からそう考えたいのです。ヨハネ福音書には、11章1節~12章6節のラザロの死と復活のお話に、彼の姉妹としてマルタとマリアが登場します。私は長い間、ルカ福音書のマルタとマリアと、ヨハネ福音書のマルタとマリアは別の姉妹の可能性があると考えていました。

その理由は、ヨハネ福音書のマルタとマリアは、エルサレムの隣のベタニア村の住人であったのに対し、ルカ福音書のマルタとマリアはイエス様の一行がガリラヤを出てからほどなくして訪れた「ある村」におり、地理的な状況から両者が同一であることは考えにくかったからです。また、マルタとマリアという名前は、当時ごく一般的なものであったでしょうから、同じ名前の別の姉妹ということも十分あり得ます。

そのため私は、2つのお話を比較したり並べて考えたりすることを避けてきました。しかし、最近この考えを変えています。ルカは、ガリラヤからエルサレムの旅を、順序だって記述していないことに気が付いたからです。この「ある村」でのマルタとマリアの出来事は、エルサレムへの旅の後半部である可能性もあり、この村がベタニアであることも否定はできないのです。

そうしますと、ヨハネ福音書においてイエス様が十字架にかかられる少し前の出来事として伝えられている、マルタとマリアの姉妹のお話は、ルカ福音書のマルタとマリアのお話の後日談として捉えることも十分に可能になってくるのです。

そこで、ヨハネ福音書11章の「マルタの信仰告白」といわれているお話を読んでみましょう。

ドゥッチョ「ラザロの復活」(米キンベル美術館所蔵)。イエス様の前にいる女性2人がマルタとマリア。
ドゥッチョ「ラザロの復活」(米キンベル美術館所蔵)。イエス様の前にいる女性2人がマルタとマリア。

17 さて、イエスが行って御覧になると、ラザロは墓に葬られて既に四日もたっていた。18 ベタニアはエルサレムに近く、十五スタディオンほどのところにあった。19 マルタとマリアのところには、多くのユダヤ人が、兄弟ラザロのことで慰めに来ていた。20 マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家の中に座っていた。21 マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。22 しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています。」 23 イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、24 マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じております」と言った。25 イエスは言われた。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。26 生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」 27 マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております。」

ルカ福音書のテーマが「やり直せます」だというのは、あくまでも私の見立てです。けれどもヨハネ福音書の場合、20章31節に「これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである」とあり、そのテーマは明白です。

ヨハネ福音書は、読者にイエス様を神の子メシアと信じてもらうことをテーマとしています。そのため、福音書の中でメシア告白をしている人を多数登場させています。11章のマルタは、その代表者といっても過言でないと思います。兄弟ラザロが亡くなったとき、イエス様に「あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております」と告白しているのです。

このことと、ルカ福音書のマルタとマリアのお話をつなげることが可能であるならば、マルタはイエス様の言葉に聞き従う者として歩みをしていたということになるのではないでしょうか。ただ一つだけである必要なことを行う人、すなわちイエス様の話を聞く人となったのです。ただし、ラザロの復活後にイエス様がベタニアを再訪したことが伝えられている12章2節には、「マルタは給仕をしていた」とありますから、マルタはやはりもてなしをする人であったようです。

ちなみにヨハネ福音書がマリアをどのように伝えているかといいますと、マルタのような口での信仰告白はしてはいませんが、沈黙のうちにナルドの香油をイエス様の足に塗る「沈黙の告白者」としています(12章3節参照)。これもまた麗しいメシア告白であると思います。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ルカによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ルカ福音書を読む(22)「サマリア人」―ユダヤ人と反目し合っていた人たち― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(21)「エルサレムへの旅の開始」―柔和と謙遜― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(20)「ペトロの信仰告白と受難予告」―エルサレムに向かう前に― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(19)「山の上と山の下の出来事」―明るい真夜中と暗い昼間― 臼田宣弘

  • ルカ福音書を読む(18)「弟子たちの働き」―12弟子と婦人たち― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.