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ルカ福音書を読む

ルカ福音書を読む(20)「ペトロの信仰告白と受難予告」―エルサレムに向かう前に― 臼田宣弘

2022年8月24日13時26分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ルカによる福音書マタイによる福音書臼田宣弘

今回は9章の18~22節と43節b~45節を読みます。ルカ福音書に記されている、イエス様のガリラヤでの活動についてのお話をお伝えする最後のコラムになります。次回からは、エルサレムに向かわれるイエス様の一行についてお伝えします。

ペトロの信仰告白

18 イエスがひとりで祈っておられたとき、弟子たちは共にいた。そこでイエスは、「群衆は、わたしのことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。19 弟子たちは答えた。「『洗礼者ヨハネだ』と言っています。ほかに、『エリヤだ』と言う人も、『だれか昔の預言者が生き返ったのだ』と言う人もいます。」 20 イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」 ペトロが答えた。「神からのメシアです。」

今回お伝えする一連のお話は、マタイ福音書とマルコ福音書に並行記事があります。しかし、18節の「イエスがひとりで祈っておられたとき、弟子たちは共にいた」という内容は、ルカ福音書だけが伝えているものです。ルカは、弟子たちがイエス様と共にいたということを強調しているのです。

そして、ルカは使徒言行録において、死んだイスカリオテのユダに代わる使徒の選出の場面で、「主イエスがわたしたちと共に生活されていた間、つまり、ヨハネの洗礼のときから始まって、わたしたちを離れて天に上げられた日まで、いつも一緒にいた者の中からだれか一人が、わたしたちに加わって、主の復活の証人になるべきです」(1:21~22)というペテロの発言を伝えています。

つまり、イエス様と弟子たちが一緒にいたということと、後にその弟子たちがイエス様と一緒にいたことを拠りどころにして福音宣教を行い、また教会をつくっていったということを伝えることが、ルカの目的だったのです(ジョエル・B・グリーン著『ルカ福音書の神学』127~128ページ参照)。

さてお話に戻りますが、一緒にいた弟子たちにイエス様は、「群衆は、わたしのことを何者だと言っているか」とお尋ねになりました。弟子たちは、洗礼者ヨハネか、旧約聖書に登場する預言者たちの誰かが生き返ったのではないかと言っていると答えました。しかし、それは正しくはありません。イエス様は、洗礼者ヨハネでも、預言者たちの生き返りでもないからです。

イエス様は弟子たちに、「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか」と聞き返されました。それに対してペトロが、「神からのメシアです」と答えます。これはペトロの信仰告白です。マタイ福音書の並行記事によるならば、この信仰告白の故にペトロはイエス様から、「この岩の上にわたしの教会を建てる」と宣言されたのです。マタイ福音書の当該箇所です。

16:15 イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」 16 シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17 すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18 わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府(よみ)の力もこれに対抗できない。19 わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」

ペルジーノ「聖ペテロへの天国の鍵の授与」(バチカン・システィーナ礼拝堂壁画)
ペルジーノ「聖ペテロへの天国の鍵の授与」(バチカン・システィーナ礼拝堂壁画)

「この岩」についてのカトリックとプロテスタントの理解の差

ルカ福音書の文脈からは少し離れますが、マタイ福音書の伝える「この岩の上にわたしの教会を建てる」ということについての、カトリック教会とプロテスタント教会双方の解釈をお伝えします。

カトリック教会は、イエス様のこの言葉を「ペトロ自身を岩としている」と解釈し、ペトロを初代とする教皇制度の上に教会があることを強調しています。現在のローマ教皇フランシスコは266代目の教皇です。ローマ教皇には、イエス様から天の国の鍵を授けられたとされる強い権威があるのです。

それに対してマルティン・ルターら宗教改革者たちは、ペトロの「あなたはメシア、生ける神の子です」という信仰告白を「この岩」と解釈して、教会はこの信仰告白の上にあるとしています(「教師の友」2022年7、8、9月号46ページ参照)。

プロテスタント教会は宗教改革者たちの解釈を継承し、人間に権威を見るのではなく、「イエスはキリストである」という信仰告白を基礎としているのです。預言者たちの一人の生き返りではなく、「生ける神の子」であるイエス様を信仰することを、教会の拠りどころとしているのです。

受難予告と弟子たちの無理解

21 イエスは弟子たちを戒め、このことをだれにも話さないように命じて、22 次のように言われた。「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日目に復活することになっている。」

ペトロの信仰告白の後、イエス様はご自分の死と復活を予告されます。これは最初の受難予告です。その後に「自分の十字架を背負って私に従いなさい」という命令がなされるのですが(23~27節)、このことについては14章25節以下にも同様の記述がありますので、当該箇所を執筆する際に一緒にお伝えしたいと思います。

そしてその後、前回お伝えした山の上と山の下での出来事があり、山の上でモーセとエリヤと会話をした際には、「(モーセとエリヤの)二人は栄光に包まれて現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話していた」(9:31)と、やはりご自身の死を予告しています。けれどもここまでは、イエス様の言葉に対する弟子たちの反応が伝えられていません。

しかし、山の下で癲癇(てんかん)の子を癒やした後に再度なさる受難予告では、弟子たちの反応が伝えられています。

43b イエスがなさったすべてのことに、皆が驚いていると、イエスは弟子たちに言われた。44 「この言葉をよく耳に入れておきなさい。人の子は人々の手に引き渡されようとしている。」 45 弟子たちはその言葉が分からなかった。彼らには理解できないように隠されていたのである。彼らは、怖くてその言葉について尋ねられなかった。

このように、弟子たちの反応が伝えられています。これは、最初の受難予告と、山上でのモーセとエリヤとの語らいをもプラスした、一連の予告に対する弟子たちの反応でしょう。ここでルカ福音書が伝えていることの要点を、私なりに列挙しますと、以下のようになります。

  1. 弟子たちはイエス様の言われたことの意味が分からなかった。つまり、弟子たちの失敗の出来事である。
  2. しかしそれは、「理解できないように隠されていた」と説明がなされている。
  3. これらのことは、イエス様の十字架と復活後には、その意味が明らかにされたことを示している。

マタイ福音書とマルコ福音書の並行記事では、弟子たちの失敗があからさまに伝えられていないのですが、ルカ福音書は弟子たちの失敗をはっきりと伝え、弟子たちがその後失敗から立ち直り、福音宣教を進めていったことが、冒頭にお伝えした使徒言行録の記事も含めて、読者に示されているのです。そういったことによって、ルカ福音書は「やり直せます」ということを伝えているのです。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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