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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

2026年6月13日12時47分 コラムニスト : 広田信也
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関連タグ:広田信也

クリスチャンの中で「未信者(ノンクリスチャン)」という言葉がよく使われています。また「セカンドチャンス」についての議論が繰り返されています。直接関係しない2つの用語のようですが、どちらの背後にも、人の心に潜む大きな課題を抱えていますので、それらの一端に触れたいと思います。

信仰によって救われる

聖書が一貫して伝えるのは、「イエス・キリストを信じる信仰によって救われる」ことです。そのことを疑う余地はありません。「信じない者に対しての救い」を伝える聖書箇所はないと思います。

神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。(ヨハネの福音書3章16節)

しかし、イエス様の生涯をたどると、彼が救いの宣言をされる際、必ずしもご自身に対する信仰を表現していない者に、救いを宣言しておられる箇所がいくつもあります。

もちろん、イエス様の公生涯においては、まだ十字架や復活は将来の出来事ですから、「十字架の死による贖(あがな)い」や「死に勝利する復活」など、明確な事実に基づく信仰表現はありません。

ただ、単純に「病の癒やし」や「心の平安」を願ってイエス様を慕う人々に対し、彼は大胆に「あなたの信仰があなたを救ったのです」と宣言しました。イエス様は人の心の奥にある、いまだ表現できない小さな信仰を受け入れてくださったのです。

最も典型的なことですが、子どもたちが集まってきた際には、叱ろうとした弟子たちをとどめ、無条件に子どもたちの救いを宣言されました。子どもたちは、ただ連れてこられただけでしたが、イエス様は彼らの中に備わる単純な信仰を見抜いておられたのでしょう。

しかし、イエスは言われた。「子どもたちを来させなさい。わたしのところに来るのを邪魔してはいけません。天の御国はこのような者たちのものなのです。」(マタイの福音書19章14節)

信仰の有無は人に判断できない

これらのことから、人の信仰の有無は、自分自身を含め、人には判断できないことが分かります。聖書を熟知している人でも信仰がないことはよくあることですし、逆に聖書を全く知らなくても、実は信じていることが頻繁に起こります。神様だけが、人の信仰の有無を判断できるのでしょう。

人はうわべを見るが、主は心を見る。(サムエル記第一16章7節)

未信者(ノンクリスチャン)のレッテルを剥がす

私はこれまで500件ほどのキリスト教葬儀に関わりましたが、召された人の多くは、教会や聖書になじみがありませんでした。いわゆるクリスチャンからは、未信者(ノンクリスチャン)と呼ばれる人々です。

しかし、遺族から彼らの生涯を詳しく聞かせていただく中、きっとイエス様が、誰にも認識できない、この方(故人)の信仰を受け入れてくださったに違いないと思うことがよくあります。

そのようなことを何度も経験する中、私は全ての人に対し、未信者(ノンクリスチャン)のレッテルを剥がすように導かれていきました。それどころか、故人に関しては、きっと救われたに違いないと、天国の希望を遺族に伝えるように変えられていきました。

聖書が示す通り、イエス様を信じない人は確かに多いと思いますが、相手のうわべだけを見て、未信者(ノンクリスチャン)のレッテルを貼らないように気を付けたいと思います。

セカンドチャンスとは

一般的に、セカンドチャンスとは、個人のキャリアや人生の立て直しのチャンスを意味する、人を励ます言葉です。しかし、クリスチャンの神学議論の中で使われるときは、特別の意味を持っています。

それは、イエス様の教え(福音)に触れる機会がなかった人でも、死後に救いの機会が与えられるとする聖書の解釈を示しています。つまり、「信じる者に永遠の命(救い)を与える」とする聖書の記述に対し、「信じなかった者にも、死後に救われるチャンスがある」という解釈です。

セカンドチャンスの大きな課題

私はセカンドチャンスの存在を支持しませんが、支持する人たちにも、それを示す一定の聖書箇所があり、神学議論が続けられるのは大切なことだと思います。

しかし、特定の人が救われていないことを前提に、セカンドチャンスによって励まそうとすることには、大きな課題があると考えています。なぜなら、セカンドチャンスを持ち出す動機は、生前に信仰を持つことなく永遠の命(救い)を得なかったことを前提にしているからです。

先走った判断を避け、正しい信仰を持とう

たとえ、教会や聖書になじみがない人でも、また、信仰を得ることなく召されたと考えられる人であっても、実は救いにあずかっていることはよくあるのでしょう。セカンドチャンスが特定の人に向けられる際、そのような可能性を全て否定していることに気付いていただきたいと思います。

イエス様は、昔からずっと私たちの気付かないところで、失われた人を命懸けで探しておられます。イエス様に見いだされ、救い出された人は、意外なところに大勢おられることでしょう。

人の子は、失われている者を救うために来たのです。あなたがたはどう思いますか。もし、だれかが百匹の羊を持っていて、そのうちの一匹が迷い出たとしたら、その人は九十九匹を山に残して、迷った一匹を捜しに出かけないでしょうか。そして、もし、いたとなれば、まことに、あなたがたに告げます。その人は迷わなかった九十九匹の羊以上にこの一匹を喜ぶのです。(マタイの福音書18章11~13節)

天国に行けば分かることですが、きっと思いもよらぬ方との再会があり、とてもうれしい感動的な場が備えられるでしょう。それとは逆に、期待していた人と会えないことも起こるように思います。

いずれにしても、私たち一人一人が、神様の前に正しい信仰を頂き、先走った判断を下すことなく、謙虚に歩ませていただきたいと考えています。

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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