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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(247)事業存続の危機に際し 広田信也

2026年5月2日11時24分 コラムニスト : 広田信也
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関連タグ:広田信也

大手葬儀社が本格参入

数年前から徐々に進んでいたことですが、昨年後半より、大手葬儀社がキリスト教葬儀と牧師派遣の事業に本格参入するようになりました。葬儀単価が下がる中、葬儀社にとっては収益確保が必須ですから、高額の広告費をかけ、新規分野に乗り出してきたわけです。全国からネットを通して依頼を頂く弊社(ブレス・ユア・ホーム(株))への影響は大きく、葬儀や生前相談の依頼が大幅に減少しています。

弊社の目的は日本宣教拡大ですから、通常の葬儀社とは業務内容が異なります。まず、未信者や教会を離れた信者から、葬儀や生前相談の依頼を受けると、全国のどこからであっても、最適な牧師と葬儀社を手配します。

牧師(教会)は、当事者や家族に寄り添い、「(一社)善き隣人バンク」と連携してエンディングを伴走し、葬儀においては、地域の葬儀社を用いて、最善のお別れの場を提供します。弊社はエンディングの全ての局面において、心を込めた祈りの場を、地域の牧師と連携して支えたいと願ってきました。

これまで牧師の生前訪問を通し、当事者や家族の多くが新たに信仰を持ち、未信者家庭であっても、感動的なキリスト教葬儀が数多く実現しました。また、葬儀後においても、遺族に継続的に寄り添い、たくさんの祝福が届けられたと思います。

このように、まず弊社への相談や依頼があってこそ、牧師(教会)が主導する働きが可能になり、当事者や家族に祝福を届けることにつながりました。地域ごとに葬儀式を施工するだけの一般の葬儀社とは、全く異なる歩みをしてきたつもりです。

ところが、大手葬儀社が、弊社より先に葬儀の第一報を受け取り、牧師に関することを含め、全ての領域で収益確保に乗り出したことで、弊社の働きが滞るようになりました。牧師の働きは制限を受け、事業存続の危機になりました。

葬儀相談依頼の第一報をもらうために

このような事態に対し、何とか葬儀相談の第一報を頂くため、音楽葬を前面にした広報を行い、音楽家と共に天国を見上げる明るい葬儀の普及を目指しました。企画に当たっては多くの賛同を得ましたが、残念ながら葬儀相談が入ることはほとんどありませんでした。

次に、弊社のホームページを変更し、牧師が生前訪問を通してエンディングを伴奏する旨を広報しましたが、日本社会では、エンディングに際し、牧師の生前訪問を自ら依頼する事例は少なく、効果はほとんどありませんでした。

また、教会堂を用いた葬儀を期待する人が多いことから、葬儀相談の依頼を頂けるように、葬儀に利用できる教会堂を幅広く募集しましたが、地域教会から、葬儀場のように扱ってほしくないとの声が多く、進展しませんでした。

その他、地域教会において継続的な終活セミナーを実施すれば、葬儀相談を得られるに違いないと考え、多くの教会を訪ねて終活セミナーを行い、継続的な開催をお願いしましたが、反響が大きいにもかかわらず、継続した開催を希望する教会はありませんでした。

最終ゴールにおける地域教会の姿を見据えて

今も暗中模索が続いていますが、そもそも弊社の目的は、地域教会が祝福され、教会を通して日本宣教が拡大することですから、最終ゴールにおける地域教会の姿を確認し、地道に地域教会に寄り添う働きの仕組みを構築したいと考えています。

最終ゴールにおける地域教会の姿(エンディングに寄り添う働きに関して)

  • 地域教会が地域の葬儀文化を担い、エンディングの全ての局面において、牧師(教会)が地域住民に寄り添うようになる。
  • 多くの地域住民が、エンディングにおいて地域教会を頼るようになり、毎週のように地域住民の葬儀が教会堂で行われ、牧師や信徒による生前訪問は毎日のように実施される。キリスト教葬儀比率は50%を超え、信者比率は10%を大きく超えるようになる。
  • 地域の葬儀関連事業者は、教会主導の葬儀において、地域教会からの依頼、指示に基づいて業務を行うようになる。
  • 地域教会の教勢は拡大し、経済的な基盤は充実する。

上記のように考えると、最終ゴールにおいて、弊社からのサポートのもと、それぞれの地域教会は、生前から地域住民に寄り添い、召された際には、全ての葬儀関連事業者に対し、必要な指示、依頼を行い、生前の訪問も含め、エンディングの全ての局面で、教会が主導的な立場を取ることを示しています。

弊社はこれまでネット検索を通して数多くの依頼を受けることを通し、地域の牧師(教会)と連携して宣教拡大を目指してきました。しかし、今後は、それぞれの地域教会が最終ゴールの姿に近づくように、地道にサポートを続けるように役割を担いたいと考えています。

葬儀社に頼らない時代になる

一般的に、葬儀社の事業では、急な対応が求められることから、搬送業者、生花店、遺影写真制作会社、葬儀場、火葬場、人材派遣事業者などの葬儀関連事業者に、多くの実務を任せています。

しかし、最終ゴールの姿で示すように、地域教会が主体的に、葬儀関連事業者に対し、必要な指示、依頼ができるようになると、葬儀社に頼る必要がなくなります。

葬儀社に頼らず、地域教会が主体的に葬儀相談に応じるようになると、天国の希望を示す死生観を提示できる牧師(教会)が、生前から寄り添い、信仰に導き、葬儀相談を受け、葬儀を手配し、葬儀式を導き、葬儀後にも寄り添う、これら全てのことを地域教会が主体的に担うようになります。

地域教会にとっては、人材が少ない中、とても対応できないように感じるかもしれません。しかし、これまで蓄積した経験をもとに、弊社が一つ一つの地域教会を地道に支えるなら、最終ゴールの姿が見えてくるように思います。

神様の御旨に沿った歩み

いったい、「だれが主のみこころを知り、主を導くことができたか。」ところが、私たちには、キリストの心があるのです。(コリント人への手紙第一2章16節)

弊社は発足して12年間、宣教拡大を目標に、今までにない全く新しい事業の創出を目指してきました。事業存続の危機はずっと続いてきたように思います。

今回は大きな軌道修正になりますが、原点に立ち返り、あるべき最終ゴールを見据え、歩むべき道筋を神様のみこころに沿って選びたいと思います。神様の御旨に合わされ、日本宣教拡大を目標に、心を込めて地域教会に寄り添わせていただきます。

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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