フランスで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7各国のカトリック司教協議会会長が、各国首脳に向けた共同声明を発表した。日本のカトリック中央協議会が12日に日本語版を公表したもので、「すべての人間の尊厳が、政治・経済活動の基礎であり続けなければならない」と訴えている。
G7サミットは、フランス東部エビアンで15日から17日にかけて開かれる。議長国フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、日本や米国など各国首脳を迎える。ウクライナや中東を巡る情勢に加え、貿易やエネルギー安全保障、重要鉱物の供給網強化などが主要議題になるとみられている。
共同声明に署名したのは、フランスのジャンマルク・アブリーヌ枢機卿(マルセイユ教区大司教)や日本の菊地功枢機卿(東京教区大司教)ら、G7各国の司教協議会会長。英国は、イングランド・ウェールズ、スコットランドそれぞれに司教協議会があり、署名者は計8人。また、欧州連合(EU)司教協議会連盟会長のマリアーノ・クロチアータ司教(イタリア・ラティーナ教区)も賛同者として名を連ねている。
共同声明は「平和、正義、人間の尊厳のために橋をかける」と題され、武力紛争や地政学的な分断、拡大する不平等、気候変動、技術革新といった課題に直面する中、人間の尊厳こそが政治・経済活動の土台であり続けるべきだと強調している。
会長らはまず、G7各国に対し、多国間協調主義や国際法の遵守、紛争の平和的解決への取り組みを改めて確約するよう要求。戦争と不安定さが広がる世界で、国際機関を強化し、市民を保護し、基本的人権、とりわけ信教の自由と最も弱い立場にある人々の尊厳を守ることが重要だと訴えている。
また、人間を開発と国際連帯の中心に据え、諸民族間の相互理解を深めるよう呼びかけている。貧困との闘いや教育・医療へのアクセス拡大、食料安全保障の確保に引き続き取り組み、人々と環境の双方を尊重する開発を追求するよう要請。暴力を助長する組織犯罪や人身取引、違法取引に立ち向かうため、国際協力を強化するようにも求めた。
デジタル技術や人工知能(AI)の急速な発展については、これらが共通善と人間のためになるよう保証する、倫理的で透明性のある民主的な統治が急務だと指摘。特に子どもや若者、また基本的自由の尊重に及ぼす影響について、注意を払うよう促した。
気候変動を巡っては、G7各国がその責任を果たし、公正な「エコロジカル・トランジション(環境に適した移行)」を進め、その影響を最も受けやすい人々を支援するよう強く求めた。戦争や迫害、自然災害から逃れた移住者や難民も、常に尊厳と人道的な配慮をもって迎え入れられるべきだと再確認した。
最後に会長らは、教会の司牧者として、またイエス・キリストの弟子として、カトリック教会が最も弱い立場にある人々のために身をささげ、「平和、正義、地球規模の共通善のために対話できるよう尽力する」と改めて確約した。


















