日本キリスト教協議会(NCC)は17日、自民党などが衆議院に提出した国旗損壊罪創設法案に反対する声明を発表した。声明は同法案について、思想・良心、信教、表現の自由に深く関わる問題を刑罰で規制するものだとし、廃案を強く求めるとしている。
同法案は16日、自民党と日本維新の会、国民民主党、参政党の4党が衆議院に共同提出した。日本の国旗を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で公然と損壊、除去、汚損する行為を処罰の対象とし、法定刑は外国国章損壊罪と同じ「2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」とする。
「国旗を大切に思う国民の感情」を保護法益と位置付けており、4党は今国会での成立を目指す。当初案に盛り込まれていた、損壊の様子をSNSに投稿する行為については、表現の自由への配慮から処罰の対象外とされた。
声明はまず、国旗に対する態度や評価は市民一人一人の思想・良心、信教、表現の自由に深く関わる問題であり、それを刑罰によって規制することは「容認できません」と強調。国旗損壊罪の創設は、異なる価値観や歴史認識を持つ人々が共に生きる社会の基盤を損なうことにつながると懸念を示した。
また、1999年に制定された国旗国歌法に言及。政府は当時、国旗や国歌への敬意を強制するものではないと繰り返し説明していたが、教育現場では日の丸・君が代を巡る職務命令や懲戒処分が相次ぎ、多くの教職員が良心の葛藤の中に置かれてきたとした。
さらに、戦前の日本でキリスト者を含む多くの宗教者が国家への忠誠を求められ、信仰と良心に反する選択を迫られた歴史を指摘。憲法が基本的人権として保障する思想・良心、信教、表現の自由は「無条件に守られねばなりません」と強調した。その上で、「真の敬意は、刑罰によって強制されるものではありません」とし、市民一人一人の自由な判断と対話の中で育まれるべきものだと訴えた。
同法案を巡っては、他国の国旗を傷つける行為に対して外国国章損壊罪が定められている一方、自国の国旗を守る規定がないのは不均衡だとして、高市早苗首相が制定に意欲を示してきた。しかし、憲法が保障する表現の自由や内心の自由を侵害しかねないとの懸念が野党や法律家から示されているほか、自民党内でも岩屋毅前外相が、立法事実がないとして慎重論を唱えるなど、異論もある。
一方、時事通信が、全国の18歳以上の2千人を対象に12〜15日に個別面接方式で実施した世論調査によると、同法案に対する賛成は56・7%で、反対の20・9%を大きく上回っている。

















