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機会を生かしなさい 穂森幸一

2026年6月19日13時50分 コラムニスト : 穂森幸一
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外部の人に対して賢明にふるまい、機会を十分に生かして用いなさい。あなたがたのことばが、いつも親切で、塩味のきいたものであるようにしなさい。そうすれば、ひとりひとりに対する答え方がわかります。(コロサイ4:5、6)

鹿児島では宗教者懇和会の有志メンバーにより、平和の巡礼が毎月行われています。目抜き通りを経由して各宗教施設を訪れ、それぞれのやり方で祈りをささげるようにしています。歩くときは、手に平和を願うプラカードを持ちますが、言葉を発することなく、心の中で祈るようにしています。

私は牧師であることが分かるように、牧師のガウンを着て参加しています。そうすると、街中で声をかけられることがあります。ある時は、一人のご婦人が「祈ってください」と声をかけてきました。病気で苦しんでおられるということで、その場で立ち止まって祈りました。とても喜んで去っていかれました。

ネパール人の若い女性から「自分はヒンズー教徒ですが、お話ししてもいいですか」と話しかけられたことがあります。キリスト教についていろいろ知りたいことがあったようです。

また、ヒジャブを被った中東出身のイスラム教徒の女性に話しかけられたことがあります。「自分たちの国では、女性が親族以外の男性と会話することは原則として禁じられています。しかし、宗教指導者だけには話していいことになっています」とのことでした。

牧師の格好で歩くと、大変興味深い体験をすることができます。

平和の巡礼のリーダーである和尚の提案で、今年9月にローマ教皇の特別謁見が実現することになりました。その際に、ローマ市内でサンマリノ共和国と平和の巡礼を行う予定ですが、牧師のガウンを着用して臨みたいと願っています。そのことで話しかけられ、インタビューを受けることがあるかもしれませんが、機会を生かしたいと思います。

話は変わりますが、日本のほとんどの地方都市では税収不足のため、財政的に厳しいところが多いようです。中には、福祉関係の支出までも削減している状態だと聞いています。働き盛りの人々が都会に出て行ってしまうため、残されるのは年寄りばかりになり、税金を納めてくれる企業や勤労者がいませんので、当然のことだと言えます。

財政が優良な自治体は、もちろん成長産業を抱えている市町村です。仕事があれば若者が残ってくれますし、地元で働いて市民税を払ってくれます。当然、企業からの税収もあります。

台湾積体電路製造(TSMC)が進出した熊本は、半導体事業のおかげで町も潤っています。熊本の繁栄にあやかりたいということで、鹿児島からも議員のグループ、商工会議所の関係者などが視察に行きました。ところが、帰ってきたメンバーからは否定的な意見が多く、驚いたことがあります。

確かに町の財政は潤っているかもしれないが、人件費が高騰して人手不足で困っている、道路が混んでいて以前のように走れない、よそから労働者がやって来るから住宅不足になっているなど、不満ばかり語るのです。挙げ句の果てには、だから鹿児島に進出してこなくて助かったなどという意見もありました。

企業誘致を市長や知事が提案すると腰が引けるのは、まず行政関係者だといわれます。本気で取り組めば、ものすごく忙しくなるそうです。工業用地確保で走り回らなければならない、道路の拡張も検討しなければならない、水の確保も大変だ、電力会社とも交渉しなければならないと、難問が山積してくるのです。それよりも無理せず、今まで通り定年まで勤めあげればいいのだという思いが先行するのだそうです。

これは市町村だけでなく、教会などの組織活動にも言えることですが、現在栄えているところは、過去に誰かがビジョンを掲げ、命を削って尽力した犠牲の上に成り立っていることを忘れてはいけないと思います。

初代教会の礎を築くのに貢献した使徒パウロは、数え切れない試練に直面しています。幾度も旅をし、海上の難、川の難、盗賊の難、牢獄の難、飢え渇きの苦しみ、寒さの苦しみに遭ったと、コリント第二11章23〜28節で告白しています。これらの苦難を乗り越えて、何とか福音宣教の機会を捉えようとしていました。

これは米国のある教会の話ですが、毎週のように駐車場問題でもめていました。駐車スペースが足りなくて奪い合いになっていたのです。それを見たある伝道師が「これは良い兆候です。駐車場が奪い合いになるのは成長の兆しです。もめるのではなく、すぐに広い駐車スペースを確保しなさい」と勧めたそうです。

私たちは、何か事を起こそうとするときに、まず予算を念頭に置きます。そして、お金がないから無理だと引き下がります。しかし、英国のホスピス運動の創始者が次のように話したそうです。「良い働きをすれば、お金はついてきます。お金を理由にして諦めないでください」。今あるチャンスをつかまなければ、もう二度と同じチャンスは来ないかもしれないということを、忘れてはいけないと思います。

あなたの天幕の場所を広げ、あなたの住まいの幕を惜しみなく張り伸ばし、綱を長くし、鉄のくいを強固にせよ。(イザヤ54:2)

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※ 本コラムでは、特に断りのない限り、聖書の引用は新改訳(第3版)を使用しています。

◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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