Skip to main content
2026年6月17日22時06分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍

【書評】ディートリッヒ・ボンヘッファー著『創造と堕罪 創世記1~3章の神学的釈義』

2026年6月17日22時06分 執筆者 : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ディートリッヒ・ボンヘッファー
【書評】ディートリッヒ・ボンヘッファー著『創造と堕罪 創世記1~3章の神学的釈義』+
『創造と堕罪』が所収されている『ボンヘッファー聖書研究 旧約編』(新教出版社、2005年7月)

『創造と堕罪 創世記1~3章の神学的釈義』は、ディートリッヒ・ボンヘッファーが米国への留学から帰国して、ベルリン大学で講師をしていた時代のうち、1932年11月から33年2月にかけての大学での講演を、後に著作にしたものである。前作『行為と存在』執筆の3年後のことである。

そのため、前作との関連が大変深く、『行為と存在』で展開された論理が、創世記1~3章において神学的に再構成されているということもできよう。

時代的背景としては、1933年1月にアドルフ・ヒトラーが首相に就任し、ナチズムが国家権力を掌握したことが挙げられる。ヒトラー崇拝や反ユダヤ主義はそれ以前から存在していたが、この時期に急速に強化されていた。そのため、一方で本書には、ナチズムにおける人間の神格化や、人間を動物として扱うといったことに対する抵抗の萌芽(ほうが)も見られる。

本書の邦訳は、生原優氏によるものだけであり、1962年に『創造と堕落』として単行本で出版された。その後、ボンヘッファー選集9『聖書研究』に、タイトルを「創造と堕罪」に変更して収録され、さらに2005年出版の『ボンヘッファー聖書研究 旧約編』に再収録されている。今回の書評は、最後に挙げたものによって執筆した。

創世記1~3章は、構成的に3つに分けることができ、本書もそれによって分類されている。1)創世記1:1~2:4a、2)創世記2:4b~25、3)創世記3:1~4:1である。1)「天地創造」、2)「アダムとエバの創造」、3)「堕罪」とすることができよう。

前回の『行為と存在』の書評で、『行為と存在』においては、カント以来の哲学者による「人間は『私は私である』と自己を意識することによって、自分を成立させる」という思想が、哲学における「行為」であり、ハイデッガーを中心とする「人間は既に世界の中に投げ込まれて存在している」という思想が「存在」であり、「ボンヘッファーは著作の中でそれらと格闘していた」と伝えた。

『創造と堕罪』の、前述の分類による1には、それらの論理が、旧約聖書という文脈において再構成されていると読むことができる。創世記1章4節では、「神は光を見て、良しとされた」と伝えられていて、この神が良しとされるという言葉は、被造物に対してその後も繰り返される。ボンヘッファーはこのことを、「これがカント的理解に対立する聖書の理解である」(18ページ)としている。

カントにおいては、人間の理性的主体による道徳的行為が善の中心となる。これに対して創世記では、人間の行為に先立って神が被造物を「良し」と宣言する。従って、善の根拠は人間の行為ではなく、神の創造とその言葉にある。ここにおいて、『行為と存在』においてボンヘッファーが追究していた論理が、旧約聖書の解釈として展開されていると見ることができる。

また、1章3節の「光あれ」という神の言葉による光の創造と、16節の太陽の創造を取り上げ、「最初に太陽を今ある姿に造ったのは光であって、太陽が光を造ったのではない」(24ページ)としている。ハイデッガーは著書『存在と時間』において、「現存在は既に世界の中に投げ込まれている」としていて、それによるならば、太陽は現存在として既にそこにあって、光を放っているということになる。

ボンヘッファーは、カント以来の超越論哲学に見られる主体中心的な理解に対して、存在を先に見るハイデッガーを高く評価していた。しかし同時に、ハイデッガーの存在論は存在の根拠を問わず、神との関係を欠いている点には限界を見ていた。そこで『創造と堕罪』においては、太陽の存在の根拠は「光あれ」という神の言葉にあることが語られている。

1章26、27節の人間の創造に関しては、「人間は、最後のものとして、新しいものとして、働かれる神の形として、神から出なければならない。ここにあるものは、ある場所からの移行ではなくて、新しい創造である。それは、ダーウィンとは何ら関係がない」(29ページ)としている。ここで彼は、人間を単なる生物学的存在として理解することを拒否している。人間は神との関係において理解されなければならないのである。

この箇所には、1933年という時代状況をふまえるならば、後のナチズムに対する神学的抵抗の萌芽を見ることもできる。一方では、人間を神との関係においてのみ理解することによって、人間を歴史の救済者や絶対的指導者として神格化する思想への批判が含まれている。他方では、人間の価値を生物学や人種によって規定することを拒否することによって、人間を単なる種族的・自然的存在へと還元する見方への批判も示唆されている。

ボンヘッファー自身はここでナチズムや反ユダヤ主義を直接論じてはいない。しかし、人間を神の被造物として理解するこの人間観の中には、後にナチズムが進める、総統崇拝やユダヤ人の非人間化に対抗する神学的原理の萌芽を見ることができる。

本書の3つの分類のうちの2は、「アダムとエバの創造」である。ここも、『行為と存在』との関係によって書き進められているが、ここでは、園の中央において善悪を知る木と共に生えている生命の木にボンヘッファーが注目していることも記したい。

この聖書箇所では、アダムが造られ、彼はエデンの園に置かれる。そこには生命の木と善悪を知る木がある。ボンヘッファーは、この生命の木を「神の生命の木」(44ページ)という。続けて、「アダムの生命は、中央から来る。この中央は彼自身ではなくて神である。彼の生命は、この現存在の中心そのものを自己の所有としようと企てることなく、この中央の周辺を回り続ける」(同)とする。

ここも「存在は神によって与えられている」という、『行為と存在』の論理展開からの再解釈であるが、それを生命の木と結び付け、人間の現存在はそれを自分の所有とすることはできず、アダムの生命は、神の生命の木から与えられているものであるとしている。その後、アダムの骨からエバが造られ、2人は生命の木の下で神の生命のうちに生きる。

しかし創世記3章になると、2人は堕罪し、エデンの園を追放されるが、そこを扱っているのが3つの分類のうちの3である。そこでは、人間が離れた命の木への道は、ケルビムと回る炎の剣に守衛される。ボンヘッファーは「(守衛の)門の前に立つアダム」(87ページ)として、人間はなおもその木の前に立ち続けたとしている。

そして本書の最後は、「生命の木、キリストの十字架」(88ページ)と、キリストにおいて新たな生命の木が立てられ、門で閉ざされた生命の木が「再び扉を開きたもう、美しき楽園の扉を」(89ページ、ルターの賛美歌よりの引用)として結ばれている。

また、アダムとエバの創造を「他者との関係」において叙述しており、これは、『聖徒の交わり』『行為と存在』、さらに本書の後の、『共に生きる生活』『倫理』においてつながって展開され、獄中書簡によって結実する「他者のための教会」という彼の生涯のテーマの一環を成すものである。

■ ディートリッヒ・ボンヘッファー著『創造と堕罪 創世記1~3章の神学的釈義(ボンヘッファー聖書研究 旧約編)』(新教出版社、2005年7月)

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

関連タグ:ディートリッヒ・ボンヘッファー
  • ツイート

関連記事

  • 【書評】ディートリッヒ・ボンヘッファー著『行為と存在 組織神学における超越論哲学と存在論』

  • お薦めのボンヘッファー入門書3冊 映画を観て興味を持った人のために

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(15)不条理と神の業の不可知性 臼田宣弘

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(12)ボンヘッファーが愛読していたコヘレト 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • トランプ氏のイラン戦争と移民政策、福音派で評価二分 否定的回答が半数超える

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 中国当局、秋雨聖約教会の礼拝を摘発 信徒33人を拘束

  • フェリス女学院、新理事長に神谷明氏

  • 欧州有数の世俗国家で6万人が参加するキリスト教大会

  • 【書評】ディートリッヒ・ボンヘッファー著『創造と堕罪 創世記1~3章の神学的釈義』

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(283)聖書と考える「ダイヤのA」

  • ロシア軍がキーウ攻撃、世界遺産のペチェールシク大修道院で火災 ドローンが直撃

  • 米南部バプテスト連盟、女性牧師禁止強化の教憲修正案可決 来年再可決されれば正式決定

  • ワールドミッションレポート(6月16日):トケラウ 沈まない木の箱─南太平洋の小さな環礁に届いた「母語で語りかける神の言葉」

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 欧州有数の世俗国家で6万人が参加するキリスト教大会

  • 中国当局、秋雨聖約教会の礼拝を摘発 信徒33人を拘束

  • ロシア軍がキーウ攻撃、世界遺産のペチェールシク大修道院で火災 ドローンが直撃

  • 米南部バプテスト連盟、女性牧師禁止強化の教憲修正案可決 来年再可決されれば正式決定

  • フェリス女学院、新理事長に神谷明氏

  • トランプ氏のイラン戦争と移民政策、福音派で評価二分 否定的回答が半数超える

  • 毒麦はそのままに 穂森幸一

  • サミット前にG7の司教協議会会長らが共同声明 「人間の尊厳、政治・経済活動の基礎」

  • 「今、求められているのは、慰めと癒やし」 能登被災者支援でゴスペルコンサート

  • 米メガチャーチがビーチで洗礼式、過去最多の2552人が受洗

  • 着工140年以上のサグラダ・ファミリア、主塔「イエスの塔」完成 NHKが特番

  • 「聴く隣人のいるところ」 キリスト教高校の1年間が伝える「自由とは何か」問う大切さ

  • 辺野古転覆事故、死亡した船長の金井創牧師を刑事告発へ 海上運送法違反容疑で

  • 神学の限界と突破口(4)第1章 主な論争と解決─「贖罪論」の論争 三谷和司

  • 戦後のキリスト教ブームの中で生まれた口語訳聖書、今にも生きるキリシタン時代の聖書訳

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 聖書全巻の翻訳、800言語で完成 飛躍的に加速する聖書翻訳

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 「ありがとう」か「あたりまえ」か 佐々木満男

編集部のおすすめ

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 芥川賞作家の鈴木結生氏らが登壇、青山学院大学で口語訳聖書刊行70周年記念講演会

  • 四国の教会が教団教派超え一致 「愛と希望の祭典・四国」閉幕、延べ3千人以上が参加

  • 「あなたの人生は、必ずよみがえる」 第63回首都圏イースターのつどい

  • 「絶望の隣は希望」 在日ウクライナ正教会、ロシアの軍事侵攻4年で祈りの集会

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.