日本キリスト教協議会(NCC)は23日、「宗教者の立場から国家情報会議設置法案に反対する声明」を発表した。同日、衆議院で同法案が賛成多数で可決されたことを受けたもので、吉高叶(かのう)議長と大嶋果織総幹事の連名で出された。声明は、同法案が「市民の思想・信条・表現の自由を脅かすもの」だとし、廃案を求めている。
同法案は政府のインテリジェンス(情報収集・分析)能力強化を目指すもので、同日の衆議院本会議で、与党や中道改革連合、国民民主党などの賛成多数で可決された。野党が賛成したことで、与党が過半数に満たない参議院でも可決され、今国会で成立する見通し。共産党と一部の無所属議員は反対した。
同法案では、首相をトップに官房長官や外相、防衛相らが参加する「国家情報会議」を創設するとともに、内閣情報調査室を格上げして「国家情報局」を新設し、各省庁の情報を束ねる総合調整権を持たせる。
声明は、同法案について「国家による情報収集と分析の権限を大きく強化するものであり、その本質において、市民の思想・信条・表現の自由を脅かすもの」と指摘。「社会を敵と味方に分ける発想を助長し、相互信頼に基づいた対話的な関係を築こうとする努力を損なうもの」と批判する。
さらに、「歴史において、国家権力による監視と統制が人々の内心の自由と表現の自由を奪い、社会に分断と対立をもたらし、深刻な傷を残してきた事実を忘れることができません」と述べ、宗教者として「そのような過ちに再び加担することも、また、その犠牲となることも、そのいずれも拒否します」と表明。「真の安全と平和は、恐れや統制によってではなく、人間の尊厳と信頼に基づいて築かれるべき」として、廃案を求めている。

















