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リビングストンの生涯

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(13)困難な旅を続けて

2021年11月17日13時12分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説+
リビングストン(1813〜73、写真:Thomas Annan)

いよいよ自分の計画を実行に移す時が来たことを思い、リビングストンはセケレトウに話した。「長いこと考えていたのだがね。このリンヤンティから大西洋まで水路が開かれたら、世界中の商人が貿易するためにやってきて、象牙や布、木材を高い値で買っていくと思う。そうすれば、もうここの人たちは白人にだまされたり、奴隷に売られたりすることなく、白人と対等に貿易ができるんだ」

セケレトウはじっと彼の顔を見つめていたが、思わず膝を叩いた。「本当にそうだ! お父さん、いい考えですね」

彼はその日のうちにマコロロ周辺の地域に使いをやり、部族の長を集めて相談した。彼らはこの計画に賛同し、27部族の中から代表を一人ずつ選んで従者としてつけてくれたので、リビングストンは彼らと共に大西洋への水路を作りながら出発した。

この旅は想像以上に困難が伴うものであった。一行は道を踏み分け、踏みならし、険しい岩山を通り抜けつつ進んでいった。クワンゴ川に沿ってポルトガル領土になっており、そこを通って大西洋沿岸のセント・ポール・ルアンダに出る予定だった。間もなく雨期を迎え、数カ月の間土砂降りの雨が続いた。一行は雨の中を進み、マラリヤが完全に回復していなかったリビングストンはすっかり健康を害し、これが致命的なものとなった。

雨がやんだので、沼地に沿って進んでいくと、すさまじい蚊の大群に襲われ、やっとこれを切り抜けて進むと、今度はどう猛な部族が毒矢を仕掛けてきた。今回ばかりはリビングストンも一行を守るために銃を向けざるを得なかった。

「少しでもこの人たちに危害を加えてみろ。この銃が火を吹くぞ」。リビングストンは彼らをにらみつけた。「よく聞け。私はこのアフリカのすべての部族の友達で、この国が発展するのを助けるためにこうやって旅を続けているのだ」

「本当にわれわれの友達なのか?」彼らは疑わしそうに尋ねた。そこで27部族の代表たちを紹介すると、やっと彼らは攻撃を仕掛けてきたことを詫びた。「知らなかった。ゆるしてくれ」。一人がこう言うと、おみやげだと言って木立の後ろに行き、3人の男女を引きずってきた。

「どうだね。奴隷にすれば役に立つよ」。彼らは恐ろしさに身をすくめ、半ば気を失っていた。何と悲しいことだろう。無知な彼らは人を人とも思わずに売買してそれをおみやげにくれようというのだ。

「放してやれ!」リビングストンは怒鳴りつけた。彼らはしぶしぶ奴隷たちの鎖を外した。3人は命からがら逃げ去った。リビングストンは情けない思いで、また旅を続けた。

1854年5月31日。一行は、やっとポルトガル領セント・ポール・ルワンダの町に着いた。この町に住む領事のエドマンド・ガブリエルは手厚くもてなしてくれた。リビングストンはいろいろな報告をするうちに、突然気分が悪くなってしまった。

「あなたは病気ですよ。熱があるんじゃないですか? すぐ休まれたほうがいい」。領事は気遣ってこう言った。リビングストンはそのまま床に就いてしまい長いこと患った。そして、少し健康が回復したとみられるある日のこと。黒人の従者たちが町の市場から戻ってきて言った。

「お父さん! 売れましたよ、象牙が。素晴らしい値段で売れたんです」。「ここまで苦労して作ってきた道をたどれば、貿易の道が開かれたことになる。ここを通って各国の商人たちがリンヤンティまで出掛けるだろう」。リビングストンは、ようやく肩の荷が下りる思いだった。

セント・ポール・ルワンダの人々は、アフリカの開発に成功したリビングストンの功績を称え、英国における彼の評判を伝えてくれるのだった。やがて滞在の日も残り少なくなってきたある日。領事のエドマンド・ガブリエルは、彼はもう十分に働いてきたからこの際英国に帰って静養してはどうかと勧めた。しかし、リビングストンは自分と苦労を共にしてくれた27人の従者の身の上を案じた。

(彼らは体つきは頑丈だが、長い旅はできまい。帰る途中凶暴な部族にいじめられるかもしれないし、白人と出会って奴隷に売られるかもしれない。私が彼らをリンヤンティまで送り届けてやろう)領事はこれを聞いて驚き、彼を説得した。しかし、リビングストンの決意は変わらなかった。

 

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説
(画像:栗栖ひろみ著『信仰に生きた人たち 第3巻 リビングストン』[1982年、ニューライフ出版社〕)

*

<あとがき>

リンヤンティから大西洋へ水路を作る事業は想像以上の困難を伴うものでした。数カ月間土砂降りの雨の中を歩き続けねばならず、まだマラリヤが完全に癒えてないリビングストンは健康を害し、これが致命的なものとなりました。雨がようやくやむと、蚊の大群に襲われ、それを何とか切り抜けて進むと、今度はどう猛な部族がリビングストンの一行を奴隷商人と誤解し、毒矢を仕掛けてきました。リビングストンは、彼らと話し合い、ようやく誤解を解いてさらに進むと、ようやく目指すセント・ポール・ルアンダの町に着きました。

その町の総督は一行を手厚くもてなしてくれ、少し静養をするように勧めましたが、リビングストンにはさらなる計画がありました。そんな時、忠実な従者たちが、市場で象牙が破格の値で売れたという報告を持ち帰ります。彼はようやく肩の荷を下ろす思いでしたが、この忠実な27人の従者たちを自分の命に代えてもリンヤンティまで送り届ける決意をするのです。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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