Skip to main content
2026年6月22日14時03分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
リビングストンの生涯

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(11)仲間を売る者たち

2021年10月20日15時18分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
  • ツイート
印刷
アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説+
リビングストン(1813〜73、写真:Thomas Annan)

破れた心を抱いてリンヤンティを去らなくてはならないリビングストンであった。しかし、彼の胸には大首長セビチュアネの悲痛な言葉が残されていた。不幸な仲間を救ってください――という遺言が。自分は何としても彼の悲願をかなえるために残る力を出し切らねばならないのだ。

森の中を12、3キロほど行ったとき、きらびやかなサラサの着物をまとった黒人たちがやってきた。彼らはリビングストンに笑いかけ、「よう!」と手を上げた。「いい服を着ているね。どこで手に入れたんだね?」そう尋ねると、白人の国に住む黒人からだと言う。「いくらで?」彼らは顔を見合わせ、にやりと笑った。「着物だけじゃなく、鉄砲も買ったのさ。引き換えに6人の男の子を連れてってもらったよ」

「君たちは、何てことをするんだ!」リビングストンは怒りに震えながら叫んだ。「自分の仲間を売ったのか。この恥知らず」。「仲間を売ったんじゃないさ」。一人がむきになって言った。「戦争に負けて引っ張ってきた捕虜を売るのさ。俺たちの所には捕虜が有り余っているんだ」

そして、彼らは誇らしげに胸をたたくと、行ってしまった。やはり人身売買が公然と行われていたのだ。まさに、大首長セビチュアネがあれほど悩んでいたアフリカ大陸の病因はここにあった。

もう一つリビングストンが心を痛めていたことがあった。それは、彼の子どもたちが現地の黒人の荒々しい遊びを覚え、その粗野な生活態度をまねるようになったことだった。長男のロバートはひっきりなしに柳のムチを振り回して幼い弟や妹を脅したり悪い言葉を吐き散らしたりした。いくら叱っても駄目であった。

そんなある晩。一同はたき火を囲んでアフリカが抱える問題について話し合った。その時リビングストンは、ずっと心の中で温めてきたある計画を発表した。

「なぜ彼らが自分の家族や友人、仲間を売るのかといえば、彼らはポルトガル人やアラビア人から布や銃を手に入れたいからです。そこで考えたのですが、もしここから大西洋にかけて貿易のための水路を開くことができたら、欧州各国の人たちが船でここへやってきて象牙や皮、油、木材などを買っていくでしょう。そして、ここの原住民が欧州人と産物を交換できたら、アフリカは文化的に開け、白人に搾取されたり、仲間を売ったり買ったりすることはなくなるでしょう」

「いつでもあなたは夢みたいなことをおっしゃるけど、私たちの力で何ができますの?」メアリー夫人は言った。心身共に疲れ切っている彼女は、もう忍耐力も限界であった。「メアリー。今初めて確信したのだよ。私たちは伝道者であるがために――この不幸な国に福音を伝えるためにこそ、探検家であるべきなのだ。何とかして中央アフリカまで水路を開き、貿易を盛んにしてここの人たちに欧州人並みの生活をさせてあげたいのだよ」

そしてその晩、リビングストンは堅く心に誓った。これは最後の賭けである。そのために家族を巻き添えにしてはならないと。彼はメアリーと子どもたちを安全な故郷に帰そうと思った。その1カ月後、メアリーは3番目の男児オースウェルを出産した。

コロバングに着くと、リビングストンはロンドン伝道協会に宛てて手紙を書き、自分はこの先もアフリカに留まり、何とか開発事業を成功させたいので家族の面倒を見てもらえないかと依頼した。すると間もなく返事がきて「家族の世話は引き受けたから安心して計画を進めるように」とロンドン伝道協会は保証してくれたのだった。リビングストンはメアリー夫人と子どもたちを説得し、何とか帰国を受け入れさせた。メバルーエはコロバングに残ることになり、オースウェルはアフリカの窮状を訴え、キャンペーンをするためにケープタウンに向かった。

1852年4月23日。リビングストンは家族とつらい別れをしなくてはならなかった。ケープタウンまで彼らを送っていき、無事に船に乗せてから、彼はいつまでも波止場に立っていた。

「お父さん、元気で頑張ってね」。子どもたちは手を振って叫んだ。メアリー夫人はその腕に赤ん坊のオースウェルを抱き、いつまでも夫の姿を見つめていた。

 

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説
(画像:栗栖ひろみ著『信仰に生きた人たち 第3巻 リビングストン』[1982年、ニューライフ出版社〕)

*

<あとがき>

リビングストンは、亡き大首長セビチュアネがなぜ健康を損なうほど心のうちに悩みを抱えていたか、その原因を理解することができました。それは、愛する同胞の中で、人身売買が公然と行われていたことでした。彼はついに、心のうちにずっと抱き続けてきたある計画を一行に話します。それはアフリカ奥地から大西洋にかけて貿易のための水路を開き、欧州各国の貿易商人たちと産物の交換をさせるということでした。こうすることによって、初めてアフリカの原住民は対等な立場で欧州の商人たちと貿易ができるからでありました。

しかしこれは、大変危険な賭けのようなものでした。リビングストンはそれを承知の上で、メアリーを説得して子どもたちと共に祖国に帰らせ、ロンドン伝道協会に、自分がアフリカに留まる間、彼らの世話をしてほしいと手紙で依頼したのでした。この彼の計画は、後に大変な悲劇を呼ぶことになりますが、やがてはアフリカ奥地の人々を目覚めさせるきっかけとなったのです。

<<前回へ     次回へ>>

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

関連記事

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(10)不幸な仲間を救ってください

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(9)幻の湖を訪ねて

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(8)みんな一緒に天国に行くのでなければ

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(7)良き伴侶を与えられて

  • アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(6)すべては愛から始まる

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 「世界難民の日」 ワールド・ビジョンが8カ国で調査 子ども守る「自立」の重要性訴え

  • 両足に6本の指持って生まれた少年、キリスト教慈善団体の医療支援受け走れるように

  • 中国当局、秋雨聖約教会の礼拝を摘発 信徒33人を拘束

  • ワールドミッションレポート(6月22日):コンゴのムンド族のために祈ろう

  • 聖書原語への招き─霊に燃え、主に仕えるために(11)パン種の譬えで示す神の国 白畑司

  • 主にあって信仰の種をまき続けよう 万代栄嗣

  • ワールドミッションレポート(6月21日):東アフリカ 迫害国家への「逆流」─帰国者とアフリカ人宣教師②

  • 【書評】ディートリッヒ・ボンヘッファー著『創造と堕罪 創世記1~3章の神学的釈義』

  • フェリス女学院、新理事長に神谷明氏

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 同志社国際高校と同志社「責任痛感」 辺野古転覆事故巡る文科省の調査結果・見解受け

  • 中国当局、秋雨聖約教会の礼拝を摘発 信徒33人を拘束

  • 欧州有数の世俗国家で6万人が参加するキリスト教大会

  • 【書評】ディートリッヒ・ボンヘッファー著『創造と堕罪 創世記1~3章の神学的釈義』

  • トランプ氏のイラン戦争と移民政策、福音派で評価二分 否定的回答が半数超える

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • ロシア軍がキーウ攻撃、世界遺産のペチェールシク大修道院で火災 ドローンが直撃

  • 米南部バプテスト連盟、女性牧師禁止強化の教憲修正案可決 来年再可決されれば正式決定

  • フェリス女学院、新理事長に神谷明氏

  • 米メガチャーチがビーチで洗礼式、過去最多の2552人が受洗

  • 同志社国際高校と同志社「責任痛感」 辺野古転覆事故巡る文科省の調査結果・見解受け

  • 着工140年以上のサグラダ・ファミリア、主塔「イエスの塔」完成 NHKが特番

  • 「聴く隣人のいるところ」 キリスト教高校の1年間が伝える「自由とは何か」問う大切さ

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 神学の限界と突破口(4)第1章 主な論争と解決─「贖罪論」の論争 三谷和司

  • 戦後のキリスト教ブームの中で生まれた口語訳聖書、今にも生きるキリシタン時代の聖書訳

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 聖書全巻の翻訳、800言語で完成 飛躍的に加速する聖書翻訳

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

編集部のおすすめ

  • 「今、求められているのは、慰めと癒やし」 能登被災者支援でゴスペルコンサート

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 芥川賞作家の鈴木結生氏らが登壇、青山学院大学で口語訳聖書刊行70周年記念講演会

  • 四国の教会が教団教派超え一致 「愛と希望の祭典・四国」閉幕、延べ3千人以上が参加

  • 「あなたの人生は、必ずよみがえる」 第63回首都圏イースターのつどい

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.