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リビングストンの生涯

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(7)良き伴侶を与えられて

2021年8月25日13時38分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説+
リビングストン(1813〜73、写真:Thomas Annan)

1844年1月。英国で過ごしていたモファット一家がクルマンに帰ってくるという知らせが入った。リビングストンは彼らに一刻も早く会いたくて伝道所に向かったが、一行はその途中の道端にテントを張って休んでいた。

「まあ、お父様、リビングストンさんよ」。モファット博士の娘メアリーは、彼の姿を見るとびっくりして声を上げた。博士は両手を広げ、まるで自分の息子のように彼を抱きしめた。

「君のうわさは英国だけじゃなくて、海外にも届いているよ」。博士は笑いながら言った。「町中の人がアフリカ探検記や、珍しい動物や植物の紹介文を読んでいる。でもね、それ以上にうれしいのは、君がこのアフリカの土地と現地の人々を愛してくれていることだ」

一行がクルマンに着くと、人々が歓呼の声を上げて出迎えてくれた。そして、わいわい騒ぎながら後を追ってきて、手を振ったり、腕にとりすがったりした。これは、いかにモファット一家が彼らから愛されているかを示すものだった。小さい子どもたちは、メアリーにしがみついて離れなかった。

「ここに帰ってきて本当にほっとしていますのよ。ロンドンは陰気で、太陽の光をいっぱいに浴びられないですものね」。メアリーは言った。

リビングストンは彼女に、ある部族の間に伝わる珍しい話や、首長たちと楽しく過ごした晩、そして恐怖に満ちたライオン狩りなどの話をした。2人は将来の夢、ここでの生活、伝道の抱負などを語り合った。そうするうちに、いつしかその心が結ばれるのを覚えた。この日から彼らは急速に接近し、ついに離れられない仲となった。

そんなある夕べ。メアリーは心を込めて彼にプレゼントを贈った。それは、ロンドンにいたときに買っておいた上等のコーヒーとせっけんで、手紙が添えられていた。「私のすべて。神様の前で結ばれたお友達、D・リビングストンさんへ」。このような書き出しで始まる手紙を読んだとき、彼の心は定まった。翌日、彼はメアリーに求婚したのである。

「メアリー、私は長いこと言い出せなかったけれど、あなたを愛していたのです。どうか、この私と結婚してください」。「ええ。あなたがそれを求めていらっしゃることが分かったから、プレゼントしたのですわ」

2人はすぐにメアリーの両親であるモファット夫妻の所に行くと、夫婦は何もかも承知で2人を祝福してくれた。こうして1844年9月。メアリーとリビングストンは、クルマンの教会で結婚式を挙げた。

マボッサに着くと、メアリーは早速幼稚園を開いて子どもを集め、看護師になってリビングストンを助けた。しかし、2人を迎えたエドワーズの表情は複雑だった。彼は夫妻によってますます自分の方針や計画が踏みにじられるような気がしたので、ことあるごとに反感を露骨に表すようになってきた。クルマンにいるときからリビングストンはこうした結果を招かないように配慮してきたつもりだったが、溝は深まる一方だった。そしてある日。ついにエドワーズはこう言った。

「リビングストンさん。こうなっては2つに1つです。私の方針に賛成であってご協力いただけるなら今まで通りです。しかし、私の指示に従えないようなら出て行ってください。あるいは、どうしてもここにいたいとおっしゃるなら、私が出て行きます」

そこでリビングストン夫妻は相談し合い、マボッサの伝道所は彼に任せて、自分たちはあの立派な首長セチェレのいるチョアネに向かって旅立った。

セチェレは、またリビングストンが戻ってきたのを大喜びで出迎えた。彼はメアリー夫人にも心からねぎらいの言葉を掛け、手作りの腕輪を贈った。「私の従者が、先生が来られることを伝えたので、一日一日指折り数えていました」。彼は白い歯を見せて笑いながら言った。

リビングストンは、早速このチョアネに伝道所を作りたいと言うと、首長は大賛成だった。「私もお手伝いします。いつも先生からイエス様のお話を聞いていましたから、キリスト教が素晴らしいことを知っていますよ」

彼は一日でアルファベットを覚えてしまい、2、3週間もたつうちには英語の聖書が読めるようになった。そして、自分の屋敷の一部をそっくり貸してくれたので、そこを伝道所とした。こうして、チョアネでの伝道が始まった。

 

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説
(画像:栗栖ひろみ著『信仰に生きた人たち 第3巻 リビングストン』[1982年、ニューライフ出版社〕)

*

<あとがき>

リビングストンは、アフリカ奥地の人々に福音を伝えたいという燃えるような熱意を持って伝道するうちに、同じ思いと信仰を持つ女性――モファット博士の娘メアリーと出会い、結婚します。彼らは以前からの知り合いではありませんでした。彼はたまたまグラスゴー大学に入り、「医療宣教師」の道を選びました。しかし、もし彼が研修のためにロンドンのチェリング・クロス病院を訪れなかったら、そして「クルマン伝道所」のモファット博士と会うことがなかったら――メアリーと出会うことはなかったでしょう。

私たちの人生は「もしあの時〇〇していなかったら」という不測の出来事に満ちています。すべてそれは神の導きといえましょう。メアリーという伴侶を得て、皆から祝福されたリビングストンに、さらなる吉報が届きます。彼が心を尽くして伝道してきたチョアネの首長セチェレが洗礼を受けてクリスチャンになり、伝道所で働くようになったのです。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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