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リビングストンの生涯

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(2)不幸な人々への献身

2021年6月16日19時29分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説+
リビングストン(1813〜73、写真:Thomas Annan)

1833年。二十歳になったデービッドはトマス・ディック博士の著した『宗教哲学』と『未来哲学』を読み、大きな影響を受けた。彼はすでに不幸な人々のために働きたいという願いを持っていたが、そのためには彼らに神の愛を伝える以外にはないと考えるようになった。しかしながら、自分は伝道者になれるのだろうか――という迷いもあった。彼は人前で話をすることが何よりも苦手だったし、家が貧しかったので、働いて両親に楽をさせてあげたいとも考えていたからである。

そのうちに、思いがけなく決断の時が訪れた。リビングストン一家はハミルトン村のハミルトン教会に通っていたが、デービッドが小さいうちからかわいがってくれたホッグ牧師が重病にかかったのである。彼は駆けつけたデービッドの手を握りながら、こう言った。

「きみは神様から大切なものを2つ授かっているのだよ。一つは勇ましい心。もう一つは弱い者に対する優しい心だ。どうかこの賜物を神様にお返しして、できたら将来伝道者になってほしいと私は思う」。そして、その後間もなく、ホッグ牧師は天に召された。

その時、デービッドは初めて将来の抱負を父に打ち明けた。父はしばらく考えていたが、彼の肩を叩いて言った。「おまえが決めた通りにしなさい。だが、一つだけ約束してほしい。何を計画するときも神様を第一に考えるようにね」

デービッドは、1836年の冬まで授業料と生活費をまかなうために昼も夜も働いた。それが満たされたとき、彼はグラスゴー大学に入学できた。彼は貸し間を見つけ、そこから大学に通ったが、土曜日の夜になると13キロもの道を歩いて家に帰り、家族と共に過ごして、また月曜日に帰っていくのだった。

彼は医学の成績がずば抜けて良かったために「医学宣教師」を志願し、ロンドン伝道協会に手紙を出したところ、返事が来て面接を受けることになった。そして見事に合格した彼は、宣教師の候補生として特別な訓練を受けることになったのである。

何人かの仲間と共にグラスゴーからロンドンに移ったデービッドは、この町でヘブライ語やギリシャ語を基礎から学び、聖書に関する知識も身につけることができた。特に、医学博士のリスドン・ベネット博士と知り合ったことは、彼にとって大きな益となった。

博士は彼の手を握るとこう言った。「未開発地域に行くには、まず医学の知識が必要だから、しっかりと身につけておきたまえ。よかったら私のいるチェリング・クロス病院に来ないか? 特別に指導してあげるよ」。「本当ですか? ぜひお願いします」。こうしてデービッドはこの有名な医学博士から医学の手ほどきを十分に受けることができたのだった。さらに、ベネット博士は病院に来ていたロバート・モファット博士を紹介してくれた。この人は、アフリカにある「クルマン伝道所」の所長であった。

モファット博士は、中国伝道は現在不可能だが他にどこか行きたい所はないかと尋ねた。デービッドは思い切って言った。「博士、どうか教えてください。この地球上で、今一番不幸な人は誰でしょう?」

モファット博士は、やや当惑したように首をかしげたが、ぽつんと言った。「やはり、それはアフリカの人たちだよ」。「では、私はアフリカ伝道を希望します」。彼は、大きな声で答えた。

やがてグラスゴー大学で学位も取れ、伝道協会の訓練も終わったので、彼は聖オールバンズ礼拝堂で正式に宣教師に任命された。いよいよアフリカに向けて出発である。デービッドは、面倒をみてくれたリスドン・ベネット博士やロンドン伝道協会の理事などにあいさつをして回った。

「何もしてあげられなかったけど、きみに一つはなむけの言葉をあげよう」。ベネット博士はこう言って、自分が生活の指針としている聖書箇所を読んでくれた。

「私たちは四方から患難を受けても窮しない。途方に暮れても行き詰まらない。迫害にあっても見捨てられない。――リビングストン君、これからきみは何度も困難にぶつかることだろう。だが、途方に暮れても行き詰まらない方法があるのだよ。それは、イエス・キリストの愛に立ち返ることだ。うまくいかないときは、よく考えてみると、必ず私たちの心から愛がなくなっているのだ」

このベネット博士の言葉は、デービッドの心に染み込み、その後の伝道の指針となったのであった。こうして1840年12月8日。27歳のリビングストンは、ジョージ号に乗って、いよいよアフリカに向かって出発した。

*

<あとがき>

偉大な働き人には偉大な援助者が必ず与えられるものです。大志を抱いても、人間は一人ではその務めを果たすことができません。そのような時、必ず神様は不思議な方法で助け手を起こしてくださるのです。リビングストンは少年の頃、将来は不幸な人に神の愛を伝えたいという熱い思いを持っていました。そんな彼は、ハミルトン教会のホッグ牧師から伝道者になれと勧められ、その進路を決定することができました。

彼は苦学してグラスゴー大学に入りましたが、彼に医学の知識と伝道者に必要な心構えを授けてくれたのはリスドン・べネット博士でした。博士のおかげでリビングストンはアフリカ奥地伝道に必要な知識を十分に吸収することができたのです。さらに「クルマン伝道所」の所長モファット博士と出会うことによって、彼は「アフリカ奥地伝道」という明確なビジョンを与えられたのでした。こうして神の手によって敷かれたレールの上に立ち、いよいよリビングストンの探検の旅が始まります。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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