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世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯

世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(16)母の死と不幸な結婚

2021年5月5日17時16分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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関連タグ:ジョン・ウェスレー
世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(1)猛火から救われて+
ジョン・ウェスレー(1703~91、画像:Frank O. Salisbury)

1742年7月末のこと。母スザンナの病が重いとの手紙を受け取ったウェスレーは、チャールスと共にロンドンに赴いた。すでに臨終の床にあった愛する母は、かすかに目を開いて手を差し伸べた。

「ジョン・・・よくここまでやりましたね。つらいことがたくさんあったでしょうに。私はあなたの働きをいつも祈っていましたよ」。そして、次にチャールスにほほ笑みかけた。「あなたが賛美歌作者になったこと、本当にうれしく思っていますよ。どうか神様と人に喜ばれるような素晴らしい歌をたくさん作ってくださいね」

そして、今は成人しているサムエル、エミリー、ナンシー、ケゼーを抱き寄せて祝福すると、最後にチャールスの作った賛美歌を聞きたいと言うのだった。そこで一同は「あめつちにまさる かみのみ名を」(讃美歌11番)を歌った。その夜――7月30日深夜に母スザンナは天に召されたのだった。

深い悲しみを振り払うようにして、ウェスレーは各地に伝道の旅を続けた。ロンドン、バス、オックスフォード、ウェールス、ニューゲート、アルダス・ゲート、ブリストル、キングスウッドなどを回り、その地に建てられたメソジスト教会や孤児院、保護施設、病院などを訪ねて働く人を励まし、収容されている孤児や寡婦、病人や生活困窮者などに福音を語って慰めた。その頃、メソジスト派が始めた新しい活動に「禁酒禁煙運動」「失業者救済活動」などがあった。

一方、依然として英国国教会の迫害は続き、今後は議会で顔のきく者や新聞記者たちに悪口を吹き込み、町の人を扇動してウェスレーを憎むようにさせた。こんな時に起きたウェンズベリーでの迫害は最もひどいものだった。彼が壇上に立って語っていると、一人の軍人が剣を振りかざして近づき、脅すように言った。「あんたは国教会を追われた牧師じゃないか。何の権威があってこんな所で人を集めて話をするんだ」。そして、スラリと剣を抜いて突きつけた。

「あなたの自由になさるといい。私はここで死んでも悔いはありません。この身は神様にささげたものですから」。ウェスレーがこう答えると、軍人はさんざん脅したり悪口を投げつけたりしたが、そのまま立ち去った。すると、申し合わせたように暴徒が押し寄せて彼を壇上から引きずり降ろし、上着を剥ぎ取って殴ったり蹴ったり始めた。話を聞くために集まった群衆はあっという間に逃げていってしまった。

その時、この町の大きな食料品店の主人がウェスレーを抱き起こすと、自分の家につれて行き、けがの手当てをしてくれた上、食事を出して労をねぎらってくれたのだった。その名を聞いた途端に、ウェスレーの記憶が呼び覚まされた。「ウィリアム・ホーキンス・・・」「思い出されましたか? 昔あなたに学校でかばってもらった生徒ですよ」。そうだった。彼の代わりにウェスレーは教師からムチで打たれ、廊下に立たされたのだった。2人は堅い握手を交わした。ホーキンスは彼の手にずっしりと重い袋を乗せた。中には金貨が詰まっていた。

「あなたにお会いしたときに渡そうと思っていました。どうかあなたの尊い事業のために使ってください」。そう言ってから、彼は笑顔で付け加えた。「私の2人の子どもたちは、この町のメソジスト派の教会に通っているんですよ」

1744年にロンドンで第1回のメソジスト教団の総会が開かれたが、それ以来毎年開かれるようになり、メソジスト教団は今やしっかりと英国の地に根を下ろし、その宣教活動も充実してきた。しかしながら、ウェスレーは長年にわたっての迫害や無理がたたってか、ニューキャッスルで発熱し、宿で病床に就く身となった。

すでに結婚して所帯を持っていたチャールスは兄の身を案じ、知り合いのベロネット医師を通してウェスレーにある女性を紹介した。ロンドンの商人の未亡人のバジール夫人で、教育も信仰もあるしっかり者だったので、ウェスレーにふさわしい相手と判断したのだった。こうして1751年2月18日。バジール夫人は4人の連れ子と共にウェスレーのもとに嫁いできたのである。

しかしながら、この結婚は大きな不幸をウェスレーにもたらすことになる。夫人は病的なヒステリー性格で、気に入らないことがあると、とことん相手を叩きのめすのだった。彼女は結婚して4カ月とたたないうちに、もう夫に向かって不平を言うようになり、あの手この手で彼を苦しめた。

*

<あとがき>

波乱に満ちた人生のことを、私たちはよく「数奇な人生」と呼んでいますが、まさにウェスレーの生涯は、普通の人が体験できないような不思議な出来事に満ちたものでした。しかし素晴らしいのは、そうした一つ一つの出来事がすべて神の恩寵によって支えられていることであります。1742年のウェンズベリーにおける事件もそうでした。彼が壇上に立って説教していると、一人の軍人がやってきて剣を突きつけて脅し、続いて暴徒たちが襲いかかって彼を袋叩きにしました。

この時、この町の食料品店の主人であり町の名士でもある人が彼を助け、自宅につれて行って傷の手当てをしたり食事を振る舞ってくれたりしたのです。驚いたことに、彼こそ昔チャーターハウスの学校でウェスレーが身をもってかばってやった旧友のウィリアム・ホーキンスだったのです。さらに、ウェスレーはこの後不幸な結婚をすることになるのですが、その中にも深い神の恩寵があったのでした。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ジョン・ウェスレー
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