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世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯

世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(最終回)世界はわが教区

2021年5月19日15時10分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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関連タグ:ジョン・ウェスレー
世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(1)猛火から救われて+
ジョン・ウェスレー(1703~91、画像:Frank O. Salisbury)

メソジスト教団は海外にも勢力を伸ばしてゆき、1767年にはニューヨークに米国最初のメソジスト教会が建てられた。特に米国では教育に対する関心が高まっていたので、メソジスト派の学校も建てられ、子どものための宗教教育がなされた。ウェスレーはメソジスト教会の献堂式に招かれて話をすることになったので、30年ぶりにかつては夢破れて寂しく去った新大陸に赴いた。

その日、1800人の聴衆を前にして、ウェスレーは語った。「かつてこのアメリカ大陸には教会がなく、現地の人々は互いに敵対し合っていました。この地を訪れる宣教師はなく、米国伝道は難しいと考えられていました。しかし今、この米国はキリスト教精神にあふれ、伝道の熱意に燃えつつ、世界的な文化国家として発展しつつあります。福音は種をまかれたときには他のどんな種より小さいものだが、やがて育ったときには空の鳥をも宿すほどになると聖書は教えています。英国国教会から締め出され、メソジスト(きちょうめん屋)とののしられていた小さな祈りのグループがこのように英国本土を中心として各地に出て行き、今や全世界を神の国とするために働くことができ、また世界がこのグループによって、社会から見捨てられた者こそ神の目に最も尊いことを教えられ、さまざまな社会事業が行われるようになろうとは、誰が予測し得たでしょうか。それは、まさにイエス・キリストが罪を告白したわれらを救い、あふれるばかりの恩寵を注ぎつつ導いてくださったからにほかなりません」

話を終えて講壇を降りたウェスレーの所に一人の見慣れない若者がやってきて、握手を求めて言った。「私の父はジョージア州に古くから住んでいるインディアン部落の者で名をチカリといいます」。ようやくウェスレーは思い出した。「いけにえ」という言葉から誤解を生ぜしめたインディアンの首長チカリの顔をよく覚えていた。「父はあなたが去ってから、初めてあなたが真理の言葉を伝えてくれたことを知りました」

チカリの息子は言った。「今あの部落はクリスチャンで満ちています。それからもう一つ。オグレソープ将軍が、もしあなたに会ったときは、あの事件に関して謝罪したい旨を伝えてほしいと言っておられました。軽々しいうわさに耳を貸し、誰よりも大切な人を追い出したことを今でも後悔されています」

「もし将軍の所に戻られたら」。ウェスレーは、晴れやかな微笑で彼の手を握り返した。「キリストにある和解が成立したことを心から喜んでいるとお伝えください」

ウェスレーはその後、世界各地に建てられたメソジスト教会を巡り、説教をした。すでにこの教団は財政的にも宣教の方法に関してもしっかりとした体制が整えられていた。この教団に連なる者たちは、ただ教会の講壇から福音を説くのでなしに、常に社会を見つめ、不幸な隣人のために手を差し伸べながら物質的ならびに精神的な援助をしつつ、その魂をイエス・キリストへと導いたのである。そして、ついに彼らは暗黒の英国社会を改革し、新しい国家へと生まれ変わらせたのであった。

ウェスレー夫人は、最後まで夫を苦しめた末、彼に看取られながら死んだ。最愛の弟チャールスと、親友のジョージ・ホイットフィールドを天に送ってからは、ウェスレーは老齢にもかかわらず最後の改革に全身全霊を投入させた。奴隷貿易反対運動である。1791年2月4日。彼は国会議員で奴隷廃止論者のウィリアム・ウィルバーフォースに宛てて一通の手紙を出した。それは、奴隷を使うことがどんなに恥ずべき悪い制度であるか、そしてせっかく進歩の兆しを見せ始めた国家をいかに無知と野蛮な非文明へと後退させるものであるかを切々と訴えたのだった。

その年の3月2日。ウェスレーは、シティロードにおいて説教している最中に倒れ、天に召された。彼の生涯にふさわしく、最後まで働き人としてその職務に身をささげつつ、天国に凱旋していったのである。彼の死を知った人々――特に孤児や寡婦、身寄りのない者、病人や浮浪者、そして刑務所につながれている死刑囚などは涙とともに自分たちをこよなく愛してくれた信仰の導き手の死を悼み、心から冥福を祈るのだった。

ジョン・ウェスレーの記念碑には、このような言葉が刻まれている。

“世界はわが教区である”

*

<あとがき>

いよいよ「ウェスレーの生涯」の連載も最終回を迎えました。彼の生涯をたどって思うことは、まさにそれは恩寵による奇跡から奇跡への歩みといえましょう。彼が創設した「メソジスト教団」は、広く海外にもその宣教の輪を広げ、多くの国に教会や学校が建てられ、伝道と社会事業が両輪のように働いて人々を救いに導いたのです。

晩年になったとき、あたかも神様が最後に最大の奇跡を見せてくださるかのように、驚くべきことが起こりました。彼が二度と足を踏み入れたくないと思っていた米国にメソジスト教会ができ、彼はその献堂式のメッセージを依頼されたのです。さらに、以前言葉が足らず誤解を与えてしまった首長チカリの息子と会い、彼からすべてが誤解であったこと、そしてウェスレーのまいた種が実を結び、集落はクリスチャンで満ちていることなどを告げられたのです。世界を教区としたウェスレーの懐の中で、神様は一人も救いからもれる者がないようにと取り扱われたのでありました。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ジョン・ウェスレー
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