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リビングストンの生涯

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(14)ビクトリアの滝を発見する

2021年12月1日13時30分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説+
リビングストン(1813〜73、写真:Thomas Annan)

1855年11月3日。衰えた体を引きずるようにして27人の従者をマコロロのリンヤンティまで送り届けたリビングストンは、わずかな休息をとった後、東方に向かって出発した。このセケレトウの領土内にはまだ足を踏み入れたことのない場所が幾つかあると聞いていたからである。

リビングストンは、現地の人が口にしている「モシ・オア・トウニヤ」という言葉に興味を持った。これは「大きな音を立ててもうもうと立ち込める霧」という意味である。彼は何とかしてこの正体を見たいと思った。

首長のセケレトウは途中まで送ってくれることになった。2人は100人以上の従者を連れて舟でザンベジ川を下った。その舟の一つにはクルマンから送られたお茶、ジュース、ジャムなどの食料と衣類、手紙などが入っていた。何よりうれしかったのは、クルマンに来ているモファット夫人がリビングストンに励ましの手紙をくれ、心を込めて縫い上げた下着を送ってきたことだった。この手紙にはコロバングにいるあの首長セチェレがクルマン伝道所で訓練を受けて、伝道のために働くようになったことも記されてあった。「ああ、神様。あなたは私たちをお見捨てにはなりません」。彼は感謝の祈りをささげた。

今度の旅も困難を極めた。猛烈な夕立で一行はずぶ濡れになってしまった。セケレトウはリビングストンの健康を気遣い、たった1枚しかない毛布をリビングストンに着せ掛け、その体をしっかり抱きしめていてくれた。

「大切なお父さん。雨は体によくないですよ」と彼は言うのだった。また、冷たく湿った土の上でごろ寝をしているとき、ふと目を覚ますと、セケレトウが抱き上げて自分の皮のマントに寝かせてくれるところだった。明け方になってみると、彼は夜気に身をさらし、何も掛けずに身を縮めて寝ていた。

こんな2人に、やがて別れが訪れた。「お父さん、モシ・オア・トウニヤを見たらすぐ帰ってきてくださいよ」。セケレトウは言うのだった。「お父さんは病気上がりです。あまり遠くへ行ってはなりません」。そして彼は、従者と共にリンヤンティに戻ってゆき、リビングストンはそこからさらに進んでいった。

何日かたったある日のこと。舟でくねくねと曲がりくねった川の間を両側からかぶさる木々をかき分けながら漕ぎ進んでいくと、はるかかなたから雷の轟(とどろき)のような音が響いてきた。何だろうと思って近づくと、やがて木々の間からもうもうと立ち込める霧が見えた。

「あれだ!モシ・オア・トウニヤだ!」彼は叫んだ。やがてそれはゴーゴーという水音に変わった。モシ・オア・トウニヤとは滝のことだったのである。一行は川の真ん中にある島に舟を漕ぎ寄せ、そこから滝を眺めた。耳をつんざくような水音の中で、全身がしぶきでびしょ濡れになりながら見上げると、滝の後ろには見事な虹がかかっていた。

(今までこれを見た白人はいなかったのだ)リビングストンは、島に生える一本の木に発見の日と自分の名前を刻み込んだ。そしてこの滝に、英国の女王を記念してビクトリアと名を付けたのだった。

滝をあとにして、一行はポルトガル領のテーテに着いた。司令官シカードは、リビングストンがアフリカ開発のためにすべてを投げ打って働いている姿に感動して、大変親切に世話をしてくれた。彼はここに6週間ばかり滞在して養生につとめるとともに、この町の人々と交流を持ち、また頼まれると教会や公民館に出掛けてゆき、講演をして歩いた。いよいよ出発の日が近づくと、シカード少佐は親切にも彼を蒸気船に乗せて東海岸まで送ってくれたのだった。

1856年5月20日。リビングストンは、サンベジ河口のキリマネという町に着いた。そこの司令官は、大急ぎで出迎えて言った。「ロンドンとリスボンから、あなたがやがてこの町に来られるという知らせが入ったんですよ。でも、セント・ポール・ルアンダから4500キロ以上もの道をたどってアフリカを横断した人は今までにいません」。リビングストンはその時、初めて自分がそれとは知らずにこのアフリカ大陸を横断したことを知ったのだった。

6月に入ったある日。ケープタウンからインドに向かう英国船がリビングストンを乗せるためにキリマネに寄るという知らせが入った。彼はもう待てなかった。一刻も早く祖国の土が踏みたかった。司令官の強い勧めもあったので、彼はずっと苦労を共にしてきた黒人たちと別れ、帰国の準備に取り掛かった。

 

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説
(画像:栗栖ひろみ著『信仰に生きた人たち 第3巻 リビングストン』[1982年、ニューライフ出版社〕)

*

<あとがき>

リビングストンは命懸けで忠実な27人の従者をマコロロに送り届けた後、また東方に向かって旅に出ます。何と言っても彼の本質は探検家でした。彼の血の中には生まれつき冒険を好む思いが波打っていたのです。彼はセケレトウの領土の中に、まだ足を踏み入れたことのない場所があることを聞いており、中でも現地の人がしきりに口にしている不思議な滝の正体を見たくなりました。この霧のことを彼らは「モシ・オア・トウニヤ」と呼んでいました。

リビングストンを父親のように慕っているセケレトウは途中まで見送ってくれ、野宿の際はたった1枚の毛布や自分の外套を掛け、彼を守ったのでした。そして、ついにリビングストンは「モシ・オア・トウニヤ」の正体を見ることができました。それは、もうもうと霧のような水煙を上げて流れ落ちる滝だったのです。彼はこれに、英国女王の名を記念して「ビクトリアの滝」と名付けました。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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