Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会
  3. 全般

「和解」と「包摂」テーマにシンポ 教皇来日メッセージ踏まえ現代の諸問題を考える

2020年10月7日23時36分
  • ツイート
印刷
関連タグ:核兵器移民難民ヘイトスピーチ差別フランシスコ(ローマ教皇)髙見三明核兵器禁止条約世界宗教者平和会議(WCRP)武者小路公秀アウシュビッツ強制収容所

オンラインシンポジウム「現代世界における和解の諸問題―平和で包摂的なグローバル社会に向けて」(同実行委主催)が9月27日、上智大学や世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会などの協力で開催された。基調発題では、カトリック長崎大司教区の髙見三明大司教も発題し、バチカン(ローマ教皇庁)国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿もメッセージを寄せた。

シンポジウムの基本構想は、国際政治学者でカトリック信者でもある武者小路公秀(きんひで)元国連大学副学長が提唱。ローマ教皇フランシスコが昨年11月の来日時に発したメッセージを踏まえ、「和解」と「包摂」をテーマに、核廃絶や移民・難民、差別など、現代社会が直面する諸問題について話し合った。

「和解」と「包摂」テーマにシンポ 教皇来日メッセージ踏まえ現代の諸問題を考える
基調発題を行ったカトリック長崎大司教区の髙見三明大司教(左)と復旦大学特別招聘教授の葛兆光氏

基調発題を行ったのは、髙見大司教と復旦大学(中国)の葛兆光(かつ・ちょうこう)特別招聘(しょうへい)教授の2人。髙見大司教は、教皇フランシスコが長崎と広島を訪れ被爆地からメッセージを伝えたことの意義を語るとともに、教皇が「核兵器のない世界は可能であり必要」という強い確信を持って伝えたメッセージの骨子を紹介した。

葛氏は、1893年に米シカゴで開催された万国宗教会議で、多くの宗教から参加があった日本と、参加者は宗教者ではなく駐米大使のみだった中国の違いを紹介した。欧米列強を前に、当時の日本の仏教界は人材を海外留学させ、キリスト教の布教方法も学ぶなど積極的に外に向かった側面があった。一方、中国は世界の大勢に基本的には反応しない内向きの対応を取った。葛氏は日中の宗教界の比較を例に挙げ、宗教間の和解と包摂を実現するには多くの難しさがあることに触れつつ、その実現のためには各宗教が互いを平等に扱う態度が求められると語った。

続くパネルトークでは、2017年にノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員で、NGO「ピースボード」共同代表の川崎哲(あきら)氏、移民問題の研究を行っている上智大学総合グローバル学部教授の稲葉奈々子氏、TBS「サンデーモーニング」にコメンテーターとして出演しているフォトジャーナリストの安田菜津紀氏の3人がパネリストとして発題した。

「和解」と「包摂」テーマにシンポ 教皇来日メッセージ踏まえ現代の諸問題を考える
ICAN国際運営委員でピースボード共同代表の川崎哲氏

規範と共に社会は変わる

川崎氏は、冷戦終結から30年以上たった現在も世界に1万3410発の核弾頭があり、その9割は米国とロシアが占めることなど、核兵器を取り巻く現状を説明。一方、3年前に国連で採択された核兵器禁止条約の批准国が間もなく50カ国となり、正式な国際条約として近いうちに発効が見通されていることも語った。発効すれば、採択に不参加だった日本もさらに対応が問われるとし、時間はかかるが「規範と共に社会は変わる」と力を込めた。

昨年の教皇のメッセージについては4つのポイントに絞り、「核兵器の保有は、それ自体が倫理に反している」との言葉から、教皇が明確に核抑止論を否定していることを指摘。また「日本=被害者」ではないことの自覚を求める内容でもあることを伝えた。

「和解」と「包摂」テーマにシンポ 教皇来日メッセージ踏まえ現代の諸問題を考える
上智大学総合グローバル学部教授の稲葉奈々子氏

和解は戦争・暴力が終わった状態ではない

稲葉氏は、移民や難民の多くは、和解が政治的課題になっている国の出身者だと説明。「和解とは、戦争や暴力が終わった状態ではない。相手を赦(ゆる)し、関係を再構築できる状態」と語った。国家間の暴力(戦争)は講和条約の締結で終了したと見ることができるが、戦争が個人に及ぼす影響はそれで終わらない現実がある。日本で多くの仮放免者にインタビューしてきた経験から、「彼らの記憶の中には驚くほど紛争の傷や痛みが刻み込まれている」「国家の暴力は個人の人生に非常に大きな影響を与えている」と伝えた。

また、労働力として外国人労働者を受け入れてきたのにもかかわらず、日本で何十年も働いてきた外国人でさえ強制退去の対象となり得る現状を問題視。日本では30年住んでも在留資格が認めらない人がいる一方、米国へ渡った同じ境遇の人は大学を卒業し、弁護士になっている例などを挙げた。

「和解」と「包摂」テーマにシンポ 教皇来日メッセージ踏まえ現代の諸問題を考える
フォトジャーナリストの安田菜津紀氏

線で結ばれているヘイトスピーチとアウシュビッツ

安田氏は、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡地にある博物館を紹介した。3年前に取材で訪れた際、日本人唯一の公式ガイドである中谷剛氏は、館内にヒットラーの肖像画がないことに触れ、ホロコーストは街角のヘイトスピーチから始まったことを説明してくれたという。「アウシュビッツの収容所とヘイトスピーチは一つの線で結ばれているのです」。安田氏はそう言い、在日コリアン2世の父を持つ自身の経験や、在特会に襲撃された朝鮮学校関係者の話を語りながら、日本のヘイトスピーチや差別の問題を取り上げた。

一方で、ヘイトスピーチに対抗する「カウンター」の人々や、性的少数者に対する差別発言に厳しい態度を取るようになった社会的風潮の改善なども挙げ、「必ずしも後退したものばかりではありません」と語った。自分自身も差別的な発言をしてしまった過去があることを振り返り、「和解や包摂は、自分自身の加害性にも気付いていく必要があります。そうでなければ他人事であり続けてしまいます」と安田氏。最後にはアウシュビッツ収容所を生き延び、博物館の館長を35年務めたカジミエシュ・スモレン氏が若者に向けた言葉「あなたたちに戦争責任はない。しかし、それを繰り返さない責任はある」を紹介した。

宗教者の役割と期待

各パネリストは発題後、参加者からの質問に答えた。「移民・難民の問題をもっと知ってもらうにはどうすればよいか」という質問には、「一番良いのは当事者たちが発言できる場があること」と稲葉氏。民間による日本の移民・難民支援は海外に引けを取らないくらい行われているが、当事者が発言しづらい環境があるという。彼らを応援する声が社会に広がることで、当事者も発言しやすくなると語った。

「高校生でもできることはあるか」との質問には、まずは知ることだが、次のステップは「自分が知らせる側になること」だと安田氏。社会問題を直接友人に伝えるのはハードルが高いが、在留外国人たちが作った外国料理の写真をインスタグラムに投稿して話すきっかけにするなど、「カルチャーをかませることが大切」とアドバイスした。

世界の諸問題における宗教者の役割と期待については、川崎氏は、世界で約1200万人の署名が集まっている「ヒバクシャ国際署名」では、宗教団体が非常に大きな役割を果たしていると評価。稲葉氏は、宗教の良い点は国家的なものに縛られないところにあるとし、「自国第一主義やナショナリズムなどの発想を超えられるのは宗教的な発想。その点で平和主義や人道主義を広げていくことではないか」と語った。安田氏は、自分自身が差別に加担しないという消極的な姿勢にとどまるのではなく、差別に反対する姿勢をより積極的に示していってほしいと語った。

「和解」と「包摂」テーマにシンポ 教皇来日メッセージ踏まえ現代の諸問題を考える
アジア宗教者平和会議(ACRP)シニアアドバイザーの神谷昌道氏

パネルトークのコーディネーターを務めたアジア宗教者平和会議(ACRP)シニアアドバイザーの神谷昌道氏は、「和解と包摂を生み出すためには、自らが専門とする分野だけではなく、目を広く向けて協力・協働していくことが欠かせないと確信した」とコメント。最後には、WCRP日本委事務局長の篠原祥哲氏が、今年を含め2022年までの3年間にわたり毎年秋に継続してシンポジウムを開催し、議論を深めていく計画を発表した。

関連タグ:核兵器移民難民ヘイトスピーチ差別フランシスコ(ローマ教皇)髙見三明核兵器禁止条約世界宗教者平和会議(WCRP)武者小路公秀アウシュビッツ強制収容所
  • ツイート

関連記事

  • 原爆投下75年、核兵器廃絶「必要は明白」 教皇が広島へメッセージ

  • 核兵器廃絶求め共同提言文を政府に提出 WCRP日本委とPNND日本

  • 入管収容所の非欧米クリスチャンとの面会ルポ(1)品川入管「家族と一刻も早く一緒に暮らせるよう祈ってほしい」

  • 和解は一人一人の「内面的な平和」から セミナーでキリスト教的ヴィパッサナー瞑想など実践

  • 「ヘイト・スピーチ、ヘイト・クライムを生み出す原因は何か」丹羽雅雄弁護士が主題講演 第3回「マイノリティ問題と宣教」国際会議

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.