Skip to main content
2025年9月16日11時38分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(24)「キリストに根を下ろす」―植物の成長を用いたもう一つの表現― 臼田宣弘

2020年9月17日10時11分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:コロサイの信徒への手紙臼田宣弘

本コラムは、「フィレモン書」(真性書簡)「コロサイ書」(擬似書簡)「エフェソ書」(擬似書簡)という、パウロとパウロの弟子たちによって書かれたとされる「一つの系譜」にある諸書簡を、コロサイ書の著者はフィレモン、エフェソ書の著者はオネシモと見立てて、その視点から各書を読んでいくものです。今回は、コロサイ書2章6~7節を読むことにいたします。

6 あなたがたは、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストに結ばれて歩みなさい。7 キリストに根を下ろして造り上げられ、教えられたとおりの信仰をしっかり守って、あふれるばかりに感謝しなさい。

第22回において、コロサイ書2章27節で「あなたがたの内におられるキリスト」(内住のキリスト)と言われていることは、ヨハネ福音書15章5節の「人がわたし(イエス・キリスト)につながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ」と同じ意味ではないかと申し上げました。また、第18回でお伝えしたことですが、ヨハネ福音書15章5節の「実を結ぶ」は、コロサイ書1章10節の「実を結ぶ」と同じことを意味していると思えます。その意味では、コロサイ書もヨハネ福音書も、「イエス・キリストにつながって実を結ぶ」ということを伝えているわけです。

「イエス・キリストにつながって実を結ぶ」とは、イエス・キリストに対する信仰によって成長させられることを、植物の成長を用いて表現しているもので、聖書に特徴的な言葉ではないかと考えています。新約聖書の福音書・書簡ともに、多く見られる表現です。それに比べて、数的にはそれほど多くないものの、やはり植物の成長の表現である「根を下ろす(ベバイオオー / βεβαιόω)」という言葉も見られます。例として、第1コリント書1章6~8節を見てみます。フランシスコ会訳から引用させていただきます。

6 キリストについての証しが、あなた方のうちにしっかりと根を下ろしたので、7 その結果、あなた方は、神のどのような賜物にも欠けるところなく、わたしたちの主イエス・キリストの出現を待ち望むようになっています。8 神も、あなた方を最後までしっかり支えて、「わたしたちの主イエス・キリストの日」に、咎められるところのない者にしてくださいます。

6節に「根を下ろした」とあり、これはベバイオオーなのですが、8節の「しっかり支えて」もベバイオオーです。「神も、あなた方に最後まで根を下ろさせることによって」と翻訳してもよいでしょう。植物の成長を用いた信仰成長の表現である「キリストにつながって実を結ぶ」ということを、「キリストに根を下ろす」と言い換えているといってもよいのではないかと思います。

今回のコロサイ書2章7節には「キリストに根を下ろして」とありますが、これもヨハネ福音書の「イエス・キリストにつながって実を結ぶ」と同じ植物の成長による言い表しであり、その意味するところは同じことではないかと思います。ただ、枝や実は地上のことであり、根は地下のことです。枝や実は見えますが、根は見えません。しかし植物は、根を下ろしていなければ水を吸うことはできず、実を結ぶこともできません。

私はこの2つのことから、マタイ福音書5章13~14節に記されているイエスの言葉「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない」を連想します。「世の光」は人々によく見えますが、「地の塩」は見えるものではないでしょう。信仰者としての歩み、特にフィレモン書、コロサイ書、エフェソ書を貫く「善い業(アガソス / ἀγαθός)」には、見える部分と見えない部分があるということです。そのことから私たちは、「善い業」とは、人に見られるからそれをするというものではなく、「十字架にかかって死なれたイエス・キリストに倣う行い」であることを再確認します。

さて、「根を下ろして」に続く「造り上げられ」のギリシャ語の原型は「エポイコドメオー / ἐποικοδομέω」であり、これは「建てる(オイコドメオー / οἰκοδομέω)」の複合語です。ギリシャ語釈義辞典でも「建てる(オイコドメオー / οἰκοδομέω)」の項目に置かれています。「建てる」が使われている聖句で私が連想するのは、マタイ福音書7章24~25節に記されているイエスの言葉です。

24 そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。25 雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。

「岩の上に家を建てる」を、コロサイ書では「キリストに根を下ろして造り上げられる」としているようにも思えます。「わたしのこれらの言葉を聞いて行う者」=「岩の上に自分の家を建てた賢い人」=「キリストに根を下ろして造り上げられた人」=「善い業(アガソス / ἀγαθός)を行う人」という図式が作れるのかもしれません。

ところで、「造り上げる(エポイコドメオー / ἐποικοδομέω)」は、同系譜の書簡エフェソ書においても、2章19~21節で次のように使われているところが興味深いところです。詳細は、本コラムでエフェソ書を取り上げる際にお伝えする予定ですが、今回は聖句だけを掲載しておきます。

19 従って、あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、20 使徒や預言者という土台の上に建てられ(エポイコドメオー / ἐποικοδομέω)ています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、21 キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。

コロサイ書の「キリストに根を下ろして造り上げられる」、エフェソ書の「かなめ石をイエス・キリストご自身として使徒や預言者の上に建てられる」。何とも共通性のある言葉ではありませんか。

さてこの手紙は、「キリストに根を下ろして造り上げられる」ことによって、誤った教えに対処するように勧められていきます。次回以降、そのことを読んでいきたいと思います。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コロサイの信徒への手紙臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(23)「巧みな議論に惑わされないように」―偽巡回宣教者たちなのか― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(22)「結ばれて成熟した者に」―内住のキリストと― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(21)「以前と今や」―キリストにあっての転換― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(20)「罪の赦し」―創造主であり和解主である御子― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(19)「神の栄光」―旧約聖書に見る― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(244)聖書と考える「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」

  • 聖書のイエス(17)「わたしを見た者は、父を見たのです」 さとうまさこ

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(9月16日):グアテマラ 子どもたちに広がる希望の連鎖

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 新しい発見 佐々木満男

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「信仰の実践としてのスピリチュアルケア」 オリブ山病院で第3回臨床牧会教育

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.