Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(21)「以前と今や」―キリストにあっての転換― 臼田宣弘

2020年8月6日12時01分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:コロサイの信徒への手紙フィレモンへの手紙エフェソの信徒への手紙臼田宣弘

今回は、コロサイ書1章21~23節を読みます。前回取り上げた13~20節のうち15~20節は、当時の教会に流布していた賛歌の引用でしたが、21節からは著者の筆に戻ります。

21 あなたがたは、以前は神から離れ、悪い行いによって心の中で神に敵対していました。22 しかし今や、神は御子の肉の体において、その死によってあなたがたと和解し、御自身の前に聖なる者、きずのない者、とがめるところのない者としてくださいました。23 ただ、揺るぐことなく信仰に踏みとどまり、あなたがたが聞いた福音の希望から離れてはなりません。この福音は、世界中至るところの人々に宣(の)べ伝えられており、わたしパウロは、それに仕える者とされました。

このうちの、21節の「以前(ポテ / ποτέ)」と22節の「今や(ニュニ / νῦνι)」は、本コラムの第10回でお伝えした、フィレモン書11節の「彼(オネシモ)は、以前はあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにもわたしにも役立つ者となっています」の、「以前(かつて、ポテ / ποτέ)~・今(ニュン / νῦν)~」という構文を引用しているものだと思われます。第10回では、パウロによるこの構文を他の真性書簡の中からも抜き出してみましたが、それを再度提示します。なお、「ニュン / νῦν」と「ニュニ / νῦνι」に大きな違いはありません。

あなたがたは、かつて(ポテ / ποτέ)は神に不従順でしたが、今(ニュン / νῦν)は彼らの不従順によって憐(あわ)れみを受けています。(ローマ11:30)

かつて(ポテ / ποτέ)我々を迫害した者が、あの当時滅ぼそうとしていた信仰を、今(ニュン / νῦν)は福音として告げ知らせている。(ガラテヤ1:23)

こうして見てみますと、パウロはローマ書では「以前~・今~」の構文を「異邦人のキリストにあっての転換」に、ガラテヤ書では「自身のキリストにあっての転換」に、フィレモン書では「オネシモのキリストにあっての転換」に用いています。特にフィレモン書の場合は、「以前はあなたにとって『役に立たない(アクレーストン / ἄχρηστον)』者でしたが、今は、あなたにもわたしにも『役立つ(エウクレーストン / εὔχρηστον)』者」とされており、「キリスト(クリストス / χριστός)」という語呂を踏んでいるのは明らかです。「キリストにあって役立たないものから役立つものへと転換された」という意味です。ただし、当該コラムでお伝えしましたが、私は、フィレモン書11節は、パウロがオネシモに洗礼を授けたというオネシモの受洗に起因することを意味しているのではなく、彼が宣教者になる決意をしたというようなことだったのではないかと考えています。

そして、パウロが真性書簡で書いている3つの「以前~・今~」の出来事は、3者(異邦人、パウロ、オネシモ)の生における大転換を示しているといえるでしょう。フィレモン書は、そこに書かれていることが基本的には成就しているが故に正典として残されたといわれており、私もそのように考えています。であるならば、パウロからフィレモンへのその書簡における願いにより、オネシモは奴隷から解放され宣教者となっているはずです。実際に後代、オネシモがエフェソ教会の監督となっていることが、「イグナティオスの手紙―エペソのキリスト者へ」の中に記されていると、第8回でお伝えしました。

そうなりますと、フィレモンもオネシモも、パウロのこの手紙「フィレモン書」を大切にして何度も読んだことでしょう。そしてそこに書かれていることを大切にしながら、「コロサイ書」「エフェソ書」を書いたというのが私の見立てです。

その観点で私が興味深く感じているのは、フィレモン書11節に記されている「以前~・今~」が、今回を含めてコロサイ書で2回、エフェソ書で2回使われているということです。それを以下に列挙します。

あなたがたは、以前は神から離れ、悪い行いによって心の中で神に敵対していました。しかし今や、神は御子の肉の体において、その死によってあなたがたと和解し、御自身の前に聖なる者、きずのない者、とがめるところのない者としてくださいました。(コロサイ1:21~22)

あなたがたも、以前このようなことの中にいたときには、それに従って歩んでいました。今は、そのすべてを、すなわち、怒り、憤り、悪意、そしり、口から出る恥ずべき言葉を捨てなさい。(同3:7~8)

しかしあなたがたは、以前は遠く離れていたが、今や、キリスト・イエスにおいて、キリストの血によって近い者となったのです。(エフェソ2:13)

あなたがたは、以前には暗闇でしたが、今は主に結ばれて、光となっています。光の子として歩みなさい。(同5:8)

こういったところが、パウロの手紙(フィレモン書)をよく読んでいたフィレモンとオネシモが、「キリストにあっての転換」という意味合いで、コロサイ書とエフェソ書に書き記したのではないかと、私には思えて仕方がないのです。

今回取り上げた箇所のうち、1章21~22節での「キリストにあっての転換」は、「以前(ポテ / ποτέ)」は神から疎遠であったコロサイ教会の人たちが、「今や(ニュニ / νῦνι)」キリストにあって神と和解し、聖なる者、きずのない者、とがめるところのない者、すなわち罪の赦(ゆる)しを受けた者として、歩んでいるということです。この罪の赦しこそが、かつてコロサイ教会に滞在していた巡回宣教者エパフラスから学んだ「福音」(1章7節)に他ならないということなのだと思います。

23節には、「わたしパウロは、それ(福音)に仕える者とされました」とあります。本コラムでは、コロサイ書は擬似書簡であるという立場で執筆を進めていますが、パウロが福音に仕える者であったということは間違いのないことでしょう。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コロサイの信徒への手紙フィレモンへの手紙エフェソの信徒への手紙臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(20)「罪の赦し」―創造主であり和解主である御子― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(19)「神の栄光」―旧約聖書に見る― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(18)「実を結ぶ」―福音の出来事が先立って― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(17)「天に蓄えられている希望」―空間軸を中心とした終末論― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(16)「コロサイ書・エフェソ書」―誰が書いたのか(2)― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.