Skip to main content
2025年6月16日19時18分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(19)「神の栄光」―旧約聖書に見る― 臼田宣弘

2020年7月2日10時37分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:コロサイの信徒への手紙臼田宣弘

今回は、前回の続きとなるコロサイ書1章11~12節を読んでみたいと思います。ここは具体的な祈りの言葉です。新共同訳は両節を分けて記載していますが、両節を分けていない聖書協会共同訳の方が日本語として自然だと思いますので、後者から掲載します。

11~12 また、あなたがたが神の栄光の力に従い、あらゆる力によって強められ、何事にも忍耐と寛容を尽くすように。また、光の中にある聖なる者たちの相続分にあずかる資格を、あなたがたに与えてくださった御父(おんちち)に、喜びをもって感謝するように。(聖書協会協同訳)

最初に「あなたがたが神の栄光の力に従い」とあります。この「神の栄光」という言葉は、パウロの真性書簡においてしばしば出てきます。ローマ書5章2節の「このキリストのお陰で、今の恵みに信仰によって導き入れられ、神の栄光にあずかる希望を誇りにしています」はよく知られていると思います。パウロが「信仰・愛・希望」の「希望」を言うとき、それは「神の栄光にあずかる希望」なのです。続くローマ書5章3~4節には、「そればかりでなく、苦難をも誇りとします。わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを」とあります。つまりパウロは、「苦難の中にあっても、神の栄光にあずかる希望をもって忍耐しつつ歩みましょう」と言っているのです。コロサイ書でも、そうしたパウロの言葉は伝えられていて、「神の栄光の力に従い、あらゆる力によって強められ、何事にも忍耐と寛容を尽くすように」と書かれています。ここでの「寛容」は、「忍耐」とほぼ同義と考えてよいと思います。つまり「神の栄光に向けての忍耐」ということが言われているのです。

なぜ、神の栄光が忍耐につながるのでしょうか。私は旧約聖書の記述によるものだと考えています。旧約聖書には、神の栄光と言われるものの記述が多数あります。出エジプト記で伝えられている「雲の柱・火の柱」が神の栄光を代表するものでありましょう。出エジプト記の一番終わりの部分に、次のようにあります。

雲は臨在の幕屋を覆い、主の栄光が幕屋に満ちた。モーセは臨在の幕屋に入ることができなかった。雲がその上にとどまり、主の栄光が幕屋に満ちていたからである。雲が幕屋を離れて昇ると、イスラエルの人々は出発した。旅路にあるときはいつもそうした。雲が離れて昇らないときは、離れて昇る日まで、彼らは出発しなかった。旅路にあるときはいつも、昼は主の雲が幕屋の上にあり、夜は雲の中に火が現れて、イスラエルの家のすべての人に見えたからである。(40:34~38)

出エジプトの民は、シナイの荒れ野で時々キャンプを張るのです。聖書には宿営とあります。臨在の幕屋とは、キャンプ地の中央に作られた聖所です。荒れ野では、進む民の先頭に立っていた雲の柱・火の柱は、キャンプを張ったときには臨在の幕屋の上にとどまります。出エジプト記では、これを「神の栄光」と伝えています。民の先頭を進んだ雲の柱・火の柱、葦(あし)の海を渡るときには先頭を行った火の柱、最後尾に付いた雲の柱は、「神の栄光」なのです。

時が過ぎてソロモン王の時代、神の栄光は密雲として神殿の上にとどまります。神殿奉献について書かれた列王記上8章10~11節には、「祭司たちが聖所から出ると、雲が主の神殿に満ちた。その雲のために祭司たちは奉仕を続けることができなかった。主の栄光が主の神殿に満ちたからである」とあります。列王記だけを読みますと、神の栄光は雲として登場するのみですが、歴代誌では雲として現れた後に火としても現れます。歴代誌下7章1節には神殿奉献の際、ソロモン王が祈り終わった後のこととして、「ソロモンが祈り終えると、天から火が降って焼き尽くす献(ささ)げ物といけにえをひとなめにし、主の栄光が神殿に満ちた」とあるのです。「雲と火」というと、出エジプトの「雲の柱・火の柱」と同じです。

このように、出エジプトの時代と、ソロモン王が建てた第一神殿といわれる神殿の時代には、神の栄光は雲または火として現れるのですが、神の栄光はいずれの時も民を守ります。出エジプトの民が荒れ野を進むときには民を導き、葦の海を渡ったときには先頭に立ち、また最後尾に付き、宿営をするときには臨在の幕屋を覆ったのです。そのようにして、エジプトを出たイスラエルの民が、どんな時も守られたのです。ソロモン神殿においても、栄光の姿として現れた神はソロモン王に次のように語られます。

わたしはあなたの祈りを聞き届け、この所を選び、いけにえのささげられるわたしの神殿とした。わたしが天を閉じ、雨が降らなくなるとき、あるいはわたしがいなごに大地を食い荒らすよう命じるとき、あるいはわたしの民に疫病を送り込むとき、もしわたしの名をもって呼ばれているわたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦(ゆる)し、彼らの大地をいやす。(歴代誌下7:12~14)

世界は今まさにコロナ禍の下にありますが、こういった疫病や干ばつ、そしていなごの大量発生といった災害は昔から存在していたものなのです。栄光として現れた神は、「わたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦し、彼らの大地をいやす」と言われるのです。つまり神の栄光とは、ここにおいても「人間を守ってくださる存在」なのです。

ソロモン王の後、イスラエルは南北に分割されます。旧約聖書の記述において中心になっているのは南王国ユダです。やがてユダの民は、主だった者たちがバビロンに移住させられるのですが、神の栄光もそこに移動します。そのことを記しているのがエゼキエル書です。神の栄光はユダの民が故国へ戻ると、第二神殿といわれる再建された神殿に現れます。それを記しているのが、第三イザヤ書といわれるイザヤ書56~66章です。いずれの時代においても、神の栄光は民を守ったのです。

神の栄光による守りがあるからこそ、民は忍耐することができるのです。パウロは、旧約聖書における神の栄光の記述について重々知っていたでしょう。だから、「神の栄光にあずかる希望を誇りにしています。そればかりでなく、苦難をも誇りとします。わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを」(ローマ5:2~4)と、神の栄光に向けた忍耐を語るのです。擬似書簡であるコロサイ書においても、パウロの言葉として神の栄光に向けた忍耐が、「神の栄光の力に従い、あらゆる力によって強められ、何事にも忍耐と寛容を尽くすように」と語られているのです。

本コラムの第17回で、1章5節の「天に蓄えられている希望」についてお伝えさせていただきました。これはパウロが言う「時間軸を中心とした終末論」に該当する「希望」というよりも、「空間軸を中心とした終末論」に該当する「希望」であるということでした。平たく言うと、「コロサイ書では、希望は今、天にある」ということです。11節の「光の中にある聖なる者たちの相続分」というのは、この5節の「天に蓄えられている希望」とほぼ同義と考えてよいでしょう。「光の中」とは「天」を指していますし、「相続分」とは「蓄えられている希望」を指しているからです。つまり11~12節は、「神の栄光の守りにおいて忍耐を尽くすことは、天に蓄えられている希望にあずかることなのだ」という意味の内容が記されているのです。それは、「空間軸を中心とした終末論」に該当する「希望」、すなわち今の時点で希望にあずかることができるということです。

私たちが、今の苦難の状況の中で、神の栄光の守りにおいて忍耐するなら、今この時に、希望にあずかって、つまり希望を持って歩むことができるということが、11~12節には書かれているのです。コロナ禍という苦難の状況の中にあっても、神の栄光の守りが確信できるからこそ、終息するときを、希望を持って忍耐しつつ、待つことができるのです。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コロサイの信徒への手紙臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(18)「実を結ぶ」―福音の出来事が先立って― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(17)「天に蓄えられている希望」―空間軸を中心とした終末論― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(16)「コロサイ書・エフェソ書」―誰が書いたのか(2)― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(15)「コロサイ書・エフェソ書」―誰が書いたのか(1)― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(14)「パウロの願いの信仰的動機」―そしてそれ以上のことも― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • ワールドミッションレポート(6月16日):アンゴラのクワンガリ族のために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.