Skip to main content
2025年6月16日19時18分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(14)「パウロの願いの信仰的動機」―そしてそれ以上のことも― 臼田宣弘

2020年4月16日16時08分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:フィレモンへの手紙臼田宣弘

本コラム執筆の目的は、「パウロ以後の初代教会において、パウロ、フィレモン、オネシモという師弟関係の系譜が、どのような役割を果たしていたのか」ということです。そのことを明らかにするためにまず、「発端」であるフィレモン書を読んでまいりました。そのフィレモン書の考察は、今回が最後になります。

今回は、フィレモン書の拙集中構造分析を、第5回に続いて、再度全文を添えてお示ししたいと思います。

あいさつ文と祝祷 A 1~3節 A´ 23~25節
祈り B 4節~5節 B´ 22節
善い行い C 6節 C´ 21節
牧会 D 7節 D´ 20節
フィレモンへの愛 E 8~9節 E´ 19節b
オネシモの過去と今 F 10~11節 F´ 18~19節a
オネシモの送り帰しと迎え入れ G 12節 G´ 17節
パウロの元からフィレモンの元へ H 13~14節a H´ 15~16節
善いことが自発的になされる I 14節b(中核部)

A「あいさつ文と祝祷」
1 キリスト・イエスの囚人パウロと兄弟テモテから、わたしたちの愛する協力者フィレモン、2 姉妹アフィア、わたしたちの戦友アルキポ、ならびにあなたの家にある教会へ。3 わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。

B「祈り」
4 わたしは、祈りの度に、あなたのことを思い起こして、いつもわたしの神に感謝しています。5 というのは、主イエスに対するあなたの信仰と、聖なる者たち一同に対するあなたの愛とについて聞いているからです。

C「善い行い」
6 わたしたちの間でキリストのためになされているすべての善いことを、あなたが知り、あなたの信仰の交わりが活発になるようにと祈っています。

D「牧会」
7 兄弟よ、わたしはあなたの愛から大きな喜びと慰めを得ました。聖なる者たちの心があなたのお陰で元気づけられたからです。

E「フィレモンへの愛」
8 それで、わたしは、あなたのなすべきことを、キリストの名によって遠慮なく命じてもよいのですが、9 むしろ愛に訴えてお願いします、年老いて、今はまた、キリスト・イエスの囚人となっている、このパウロが。

F「オネシモの過去と今」
10 監禁中にもうけたわたしの子オネシモのことで、頼みがあるのです。11 彼は、以前はあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにもわたしにも役立つ者となっています。

G「オネシモの送り帰しと迎え入れ」
12 わたしの心であるオネシモを、あなたのもとに送り帰します。

H「パウロの元からフィレモンの元へ」
13 本当は、わたしのもとに引き止めて、福音のゆえに監禁されている間、あなたの代わりに仕えてもらってもよいと思ったのですが、14a あなたの承諾なしには何もしたくありません。

I「善い行いが自発的になされる」(中核部)
14b それは、あなたのせっかくの善い行いが、強いられたかたちでなく、自発的になされるようにと思うからです。

H´「パウロの元からフィレモンの元へ」
15 恐らく彼がしばらくあなたのもとから引き離されていたのは、あなたが彼をいつまでも自分のもとに置くためであったかもしれません。16 その場合、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、つまり愛する兄弟としてです。オネシモは特にわたしにとってそうですが、あなたにとってはなおさらのこと、一人の人間としても、主を信じる者としても、愛する兄弟であるはずです。

G´「オネシモの送り帰しと迎え入れ」
17 だから、わたしを仲間と見なしてくれるのでしたら、オネシモをわたしと思って迎え入れてください。

F´「オネシモの過去と今」
18 彼があなたに何か損害を与えたり、負債を負ったりしていたら、それはわたしの借りにしておいてください。19a わたしパウロが自筆で書いています。わたしが自分で支払いましょう。

E´「フィレモンへの愛」
19b あなたがあなた自身を、わたしに負うていることは、よいとしましょう。

D´「牧会」
20 そうです。兄弟よ、主によって、あなたから喜ばせてもらいたい。キリストによって、わたしの心を元気づけてください。

C´「善い行い」
21 あなたが聞き入れてくれると信じて、この手紙を書いています。わたしが言う以上のことさえもしてくれるでしょう。

B´「祈り」
22 ついでに、わたしのため宿泊の用意を頼みます。あなたがたの祈りによって、そちらに行かせていただけるように希望しているからです。

A´「あいさつ文と祝祷」
23 キリスト・イエスのゆえにわたしと共に捕らわれている、エパフラスがよろしくと言っています。24 わたしの協力者たち、マルコ、アリスタルコ、デマス、ルカからもよろしくとのことです。25 主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように。

前回、「HとH´」から、「オネシモがパウロの元からフィレモンの元に帰るに当たって、パウロはフィレモンがオネシモを奴隷から解放することを願っている」と私は考えていることをお伝えしました。その「HとH´」の間に挟まれる中核部Iの短い文章が、この手紙における、パウロの願いの信仰的な動機であると私は考えています。

I 14b それは、あなたのせっかくの善い行いが、強いられたかたちでなく、自発的になされるようにと思うからです。

「善い行い(アガソス / ἀγαθός)」という言葉は、第5回でお伝えしましたが、6節にもありました。その際に「パウロの言う『善いこと(アガソス / ἀγαθός)』とは、イエス・キリストの十字架と共に死に、復活によって義とされた者の歩みのことです」と書かせていただきました。これは信仰者の本質的なことであると思います。それは、「独り子をこの地上にお遣わしになった神のご意志に応答すること」と言い換えることもできるでしょう。6節では、パウロはフィレモンがこのことを、家の教会の中で聖なる者たち(キリストにある信徒のこと)に、霊の交わりとして行うことを願っていたわけです。それに対して14節では、オネシモに対して個人的に、「善い行い(アガソス / ἀγαθός)」がなされるとされているのです。

2つの「アガソス / ἀγαθός」は、この手紙の肝要的なものであると思います。オネシモを奴隷から解放してほしいというこの手紙で最も大事な願いは、キリスト信仰者としての愛と信仰に基づき、自発的なものとしてなされることが願われています。集中構造分析で見るならば、それが手紙の最中核部なのです。地球の内核が地球全体にエネルギーを与えているように、この手紙では「善い行い(アガソス / ἀγαθός)が、強いられたかたちでなく、自発的になされる」ということが、手紙のメッセージ全体にエネルギーを与えているように感じられます。

ところで第9回で、「集中構造分析における『EとE´』から外側(A~E、E´~A´)は教会宛ての公文書、『FとF´』から内側(F~I、H´~F´)はパウロからフィレモンへの私信という見方もできると思います」とお伝えしました。それを図式化すると以下のようになります。

A~E  家の教会宛ての公文書
 F~F´  パウロからフィレモンへの私信
 E´~A´  家の教会宛ての公文書

第5回でもお伝えしましたが、集中構造分析では、6節は21節と対になっています。6節も21節も、家の教会宛ての公文書の文脈において書かれているものです。21節をもう一度見てみましょう。

21 あなたが聞き入れてくれると信じて、この手紙を書いています。わたしが言う以上のことさえもしてくれるでしょう。

第5回でも、「『わたしが言う以上のこと』とは、善い行い(アガソス / ἀγαθός)の内容である」とお伝えさせていただきましたが、これを上記図式に照らし合わせますと、21節は教会の中でなされる「奴隷解放以上の『善い行い(アガソス / ἀγαθός)』」ということになります。この手紙でのパウロの本質的な願いは「オネシモの奴隷からの解放」という個人的なことであるわけですが、21節の「それ以上のこと」とは、教会の働き人とされることを意味していると思えるのです。パウロがフィレモンに願っている3つの「善い行い(アガソス / ἀγαθός)」は、「聖なる者たちの間での霊による交わりの活発化」「オネシモの奴隷からの解放」「オネシモを教会の働き人とすること」でありましょう。この中で最も重要なことが、「オネシモの奴隷からの解放」であろうというのが、私のフィレモン書の考察における結論です。

今回で、フィレモン書単独に対する考察は終了致します。私の考察は、「集中構造分析を重要視したもの」という、今日の聖書研究においては、まだ市民権を得ていないであろう方法によるものであることは率直にお伝えしておかねばなりません。しかし私は、この方法で聖書を読むことによって、多くの箇所において、今まで気が付かなかったことにたくさん気付かされてきました。すでに私のコラムにおいては、「カインとアベル(創世記)」「時の賛歌(コヘレト書)」の分析はお示ししてきており、お伝えするのはこのフィレモン書で3例目になるのですが、皆様はこの解釈方法をどのように捉えられているでしょうか。フェイスブックグループなどでご意見をいただければ幸いです。

次回からは、コロサイ書とエフェソ書を、このフィレモン書での内容と関連付けることによって、「パウロ以後の初代教会において、パウロ、フィレモン、オネシモという師弟関係の系譜が、どのような役割を果たしていたのか」というこのコラムの目的を遂行していきたいと思います。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:フィレモンへの手紙臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(13)「パウロの元からフィレモンの元へ」―パウロがフィレモンに願っていたことは何か― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(12)「オネシモの送り帰しと迎え入れ」―霊による交わりをもって― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(11)「オネシモの以前と今」(3)―パウロがオネシモに見ていたもの― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(10)「オネシモの以前と今」(2)―オネシモは役立たずの奴隷であったのか― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(9)「オネシモの以前と今」(1)―逃亡奴隷が獄中で洗礼を授けられたのか― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • ワールドミッションレポート(6月16日):アンゴラのクワンガリ族のために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.