Skip to main content
2025年8月30日22時21分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(10)「オネシモの以前と今」(2)―オネシモは役立たずの奴隷であったのか― 臼田宣弘

2020年2月20日07時51分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:フィレモンへの手紙臼田宣弘

前回からの続きで、集中構造分析の「FとF´」に関して立てた5つの問いのうち、今回は3つ目と4つ目の問いを取り上げます。まずは、集中構造分析の「FとF´」に該当する部分と、今回取り上げる2つの問いを掲載します。

F 10 監禁中にもうけたわたしの子オネシモのことで、頼みがあるのです。11 彼は、以前はあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにもわたしにも役立つ者となっています。

F´ 18 彼があなたに何か損害を与えたり、負債を負ったりしていたら、それはわたしの借りにしておいてください。19a わたしパウロが自筆で書いています。わたしが自分で支払いましょう。

3. 「以前~・今~」という言い回しは何を意味しているか
4. 「役に立つ」「役に立たない」は何を意味しているか

今回は本題に入る前に、避けては通れない「擬似書簡問題」に触れておかねばなりません。擬似書簡とは、新約聖書の13通のパウロの手紙の中で、「パウロの弟子がパウロの名前で書いたものではないか」とされているものです。この問題は、キリスト教界でも広く論争されてきました。擬似書簡とされるものは以下の6通です。

エフェソ書、コロサイ書、第2テサロニケ書、第1テモテ書、第2テモテ書、テトス書

この問題を私がどのように捉えているかといいますと、第一に、たとえパウロ以外の誰かが書いたものであれ、「これら6通の手紙がパウロの言葉であることは間違いない」と考えています。もちろん私も、自分が牧会する教会でこれらの手紙から礼拝説教をすることがありますが、その際には「パウロは~と言っている」と申し上げます。それは、実際にはパウロの弟子が書いたものだとしても、そこに書かれているのはパウロの言葉であり、間違ったことを言っているわけではないからです。

しかし第二に、これら6通の手紙をパウロ本人が書いたかと聞かれれば、私は「そうは思えない」とお答えします。パウロをよく知っている人たちが、パウロの言葉を伝えるために書いたと考えているのです。私は新潟県柏崎市で牧会をしていたことがありますが、柏崎市立図書館の庭には、貞心という尼僧の像が建っています。貞心は良寛の言葉を後世に伝えた人です。書かれている言葉は良寛のものでも、実際に書いているのは貞心なのです。そういったことが、パウロの手紙にもあるのだと考えています。

パウロとフィレモンとオネシモ(10)「オネシモの過去と今(2)」―オネシモは役立たずの奴隷であったのか― 臼田宣弘
新潟県出雲崎町の「良寛と夕日の丘公園」にある良寛と子どもの「語らいの像」

擬似書簡でないパウロの手紙を「真性書簡」といいますが、擬似書簡と真性書簡の間に少しの差異が見られることから、この2つが分けられています。擬似書簡は、パウロの言葉を伝えているものですが、やはりその書簡を書いた人(パウロの弟子)の神学が見られます。私はそういうことをすべて含めて、「聖書は神の霊感によって」成ったものだと捉えています。

本コラムで取り上げているフィレモン書は、パウロの真性書簡です。このことが疑われたことはないと聞きます。さて、なぜこのように擬似書簡のことを書いたかと言いますと、フィレモン書を語る際に、もし他のパウロ書簡を例示するとするなら、やはり真性書簡を先に挙げるべきだと考えているからです。真性書簡といわれている手紙は以下の7通です。

ローマ書、第1コリント書、第2コリント書、ガラテヤ書、フィリピ書、第1テサロニケ書、フィレモン書

3. 「以前~・今~」という言い回しは何を意味しているか

11節に、「彼(オネシモ)は、以前はあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにもわたしにも役立つ者となっています」とあります。この、「以前(かつて、ポテ / ποτέ)~・今(ニュン / νῦν)~」という言い回しを、パウロは他の手紙でも使っています。この言い回しが使われているところを、真性書簡の中から抜き出してみたいと思います。

あなたがたは、かつて(ポテ / ποτέ)は神に不従順でしたが、今(ニュン / νῦν)は彼らの不従順によって憐れみを受けています。(ローマ11:30)

かつて(ポテ / ποτέ)我々を迫害した者が、あの当時滅ぼそうとしていた信仰を、今(ニュン / νῦν)は福音として告げ知らせている。(ガラテヤ1:23)

ローマ書の方は異邦人のキリストにあっての転換を、ガラテヤ書の方はパウロ自身のキリストにあっての転換を意味しています。パウロにとっての「かつて」と「今」は、人生において、キリストにあっての大きな転換を意味します。ここでオネシモが、「彼は、以前はあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにもわたしにも役立つ者となっています」と書かれているのも、キリストにあっての転換を意味していると、私は考えています。

さて、実はこの「以前(かつて、ポテ / ποτέ)~・今(ニュン / νῦν)~」という言い回しが、擬似書簡とされるコロサイ書とエフェソ書の中でも使われています。それが何を示すのかを、本コラムでやがてコロサイ書、エフェソ書をお伝えするときに書いてみたいと考えています。

4. 「役に立つ」「役に立たない」は何を意味しているか

ここで「役に立たない(無益)」とされている(アクレーストン / ἄχρηστον)と、「役立つ(有益)」とされている(エウクレーストン / εὔχρηστον)という言葉は、「キリスト(クリストス / Χριστός)」という語呂を踏んでいるのは明らかです。ですからここで「無益」「有益」とあるのは、「奴隷として役に立たなかった者が、奴隷として役に立つ者になった」ということではなく、「キリストに無益であった者が、キリストに有益な者となった」ということでありましょう。つまり、前回もお伝えしたように、パウロはここでオネシモを、「キリストに有益な宣教者として生み出した」と言っているのです。

ローマ帝国時代の奴隷には、非常に教養の高い人たちがいました。パウロの手紙の中に「養育係」という言葉が出てきますが、それは主人の子弟に教養を授けていた奴隷のことです。私は、オネシモという人は相当に教養の高い奴隷であったと考えています。「オネシモ」という名前自体が、実は「有用なる者」という意味です。もともと教養が高く「有益な者」であったオネシモが、さらに今度は「キリストに有益な者」となったということです。

フィレモン書の解説書を読みますと、「役立たずの逃亡奴隷オネシモが、パウロの元で改心して役に立つ者となった」としているものが散見されますが、そんなことではなく、パウロが、「かつて我々を迫害した者が、あの当時滅ぼそうとしていた信仰を、今は福音として告げ知らせている」(ガラテヤ1:23)といわれる宣教者となったように、オネシモもまた、宣教者として立たされようとしていることが、このフィレモン書に記されていると私は捉えています。

今回は、集中構造分析の「FとF´」における3つ目と4つ目の問いを見ました。次回は、5つ目の問い「オネシモは結局どういう存在であったか」を取り上げさせていただきます。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:フィレモンへの手紙臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • パウロとフィレモンとオネシモ(9)「オネシモの以前と今」(1)―逃亡奴隷が獄中で洗礼を授けられたのか― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(8)「オネシモ」―イグナティオスの手紙に後代の姿を見る― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(7)「フィレモンへの愛」―謙虚な姿であったイエス・キリストに倣う― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(6)「牧会者フィレモン」―スプランクノン― 臼田宣弘

  • パウロとフィレモンとオネシモ(5)「善い行い」―フィレモン書の集中構造分析から― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • アッセンブリー京都教会の村上密牧師死去、異端・カルト問題に長年取り組む

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • ウクライナ、米大衆伝道者フランクリン・グラハム氏に勲章授与 人道支援を評価

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • ワールドミッションレポート(8月30日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(4)

  • イエス様と共に働く 菅野直基

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(241)聖書と考える「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.