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パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(48)「内なる人と共に住むキリスト」―その愛の広さ、長さ、高さ、深さ― 臼田宣弘

2021年9月16日15時41分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:エフェソの信徒への手紙臼田宣弘

今回は、エフェソ書3章14節から21節を読みます。

14 こういうわけで、わたしは御父の前にひざまずいて祈ります。15 御父から、天と地にあるすべての家族がその名を与えられています。16 どうか、御父が、その豊かな栄光に従い、その霊により、力をもってあなたがたの内なる人を強めて、17 信仰によってあなたがたの心の内にキリストを住まわせ、あなたがたを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださるように。18 また、あなたがたがすべての聖なる者たちと共に、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解し、19 人の知識をはるかに超えるこの愛を知るようになり、そしてついには、神の満ちあふれる豊かさのすべてにあずかり、それによって満たされるように。

20 わたしたちの内に働く御力によって、わたしたちが求めたり、思ったりすることすべてを、はるかに超えてかなえることのおできになる方に、21 教会により、また、キリスト・イエスによって、栄光が世々限りなくありますように、アーメン。

この箇所は祈りです。そのうち14~15節が導入、16~19節はとりなしです。原文では、14~19節はピリオドが最後にしかない、ひとつながりの文になっています。20~21節は頌栄(神をほめたたえること)です。「主の祈り」も最後は、「国と力と栄とは、限りなくなんじのものなればなり」と頌栄で結ばれていますが、この祈りも最後は頌栄で結ばれています。

跪拝

14節に「こういうわけで、わたしは御父の前にひざまずいて祈ります」とあります。跪(ひざまず)いて父なる神を礼拝することです。マタイによる福音書17章14~16節に以下のようにあります。

一同が群衆のところへ行くと、ある人がイエスに近寄り、ひざまずいて、言った。「主よ、息子を憐(あわ)れんでください。てんかんでひどく苦しんでいます。度々火の中や水の中に倒れるのです。お弟子たちのところに連れて来ましたが、治すことができませんでした。」

このてんかんに苦しめられている子の父は、イエスのところに行って跪拝(きはい)を行っているのです。それと同じです。ここでは、パウロが跪拝をしていることが記されているのです。

天と地のすべての氏族が名を与えられている

15節に「御父から、天と地にあるすべての家族がその名を与えられています」とあります。「家族(パトゥリア / πατριὰ)」は「氏族」と翻訳した方がよいと思います。「天と地にあるすべての氏族がその名を与えられています」ということです。「天の氏族」とは、前回お伝えしました「天上の支配や権威」(悪い霊を指している)のことではないでしょう。「天使」を指しているのでしょうか。「地の氏族」は、地上に生きる人類と考えてよいと思います。いずれにしましても、天地万物の創造主である父なる神が強調されているのだと思います。その神に祈るのです。

「内なる人」とは何を意味するのか

14~15節は祈りの導入ですが、16節からとりなしになります。16節に「どうか、御父が、その豊かな栄光に従い、その霊により、力をもってあなたがたの内なる人を強め」とあります。この場合の「内なる人」とは何を意味しているのでしょうか。これは、第2コリント書4章の言葉とつながりがあります。

わたしたちは、いつもイエスの死を体にまとっています、イエスの命がこの体に現れるために。わたしたちは生きている間、絶えずイエスのために死にさらされています、死ぬはずのこの身にイエスの命が現れるために。こうして、わたしたちの内には死が働き、あなたがたの内には命が働いていることになります。「わたしは信じた。それで、わたしは語った」と書いてあるとおり、それと同じ信仰の霊を持っているので、わたしたちも信じ、それだからこそ語ってもいます。主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。すべてこれらのことは、あなたがたのためであり、多くの人々が豊かに恵みを受け、感謝の念に満ちて神に栄光を帰すようになるためです。だから、わたしたちは落胆しません。たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。(2コリント4:10~16)

この場合の「内なる人」というのは、「イエスと共に復活させられた私たちの内に、キリストと共に住んでいる内的な人」と言い換えてよいと思います。エフェソ書の続く17節には、「信仰によってあなたがたの心の内にキリストを住まわせ」とあります。キリストが住まわれている心の内側が、「内なる人」なのです。それは17節後半にありますように、人が「愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者」となるためです。

キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さ

18節にはその愛について、「キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さ」と記されています。随分美しい書き方だと思いますが、旧約聖書のヨブ記11章7~9節には以下のようにあります。

あなたは神を究めることができるか。全能者の極みまでも見ることができるか。高い天に対して何ができる。深い陰府(よみ)について何が分かる。神は地の果てよりも遠く(筆者注=長く)、海原よりも広いのに。

これはもちろん主なる神について言われていることですが、18節はヨブ記のこの箇所などを元にして、キリストの愛を表現しているのかもしれません。

神の充満に満たされる

19節には「人の知識をはるかに超えるこの愛を知るようになり、そしてついには、神の満ちあふれる豊かさのすべてにあずかり、それによって満たされるように」とあり、「満ち(プレーロー / πληρόω)」を語幹とする言葉が、神の側(名詞形)とそれを受ける人間の側(動詞形)で伝えられています。これはコロサイ書2章9~10節の以下の箇所を元にしているといわれています(『ギリシア語新約聖書釈義事典(3)』141ページ「プレーロー」の項及び、ルドルフ・シュナッケンブルク著『EKK新約聖書註解(10)エペソ人への手紙』182ページ参照)。

キリストの内には、満ちあふれる神性が、余すところなく、見える形をとって宿っており、あなたがたは、キリストにおいて満たされているのです。キリストはすべての支配や権威の頭です。

ここでのキリストの側と人間の側の「満ち」に関する言葉も、ギリシャ語のプレーローが語幹となったものです。エフェソ書のコロサイ書へのこの依拠の在り方は、上記2書においてもはっきりと指摘されています。私はこの依拠の在り方にも、「コロサイ書の著者フィレモン」と「エフェソ書の著者オネシモ」の師弟関係を強く見て取るのです。

頌栄

20~21節は頌栄です。エフェソ書は1章3~14節も頌栄でした。頌栄が多用されているのが、この書の特徴ともいえるでしょう。

さて、私たちはエフェソ3章14~21節を、このまま祈ってもよいのではないかと思います。導入の部分を短縮し、とりなしの部分の「あなたがた」を「私たち」に置き換えるなど、多少の修正を行う必要はありますので、私案を以下に示しておきます。

天地万物の創造主である父よ。あなたの豊かな栄光に従い、その霊により、力をもって私たちの内なる人を強めて、信仰によって私たちの心の内にキリストを住まわせてください。私たちを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてください。また、私たちがすべての信徒たちと共に、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解し、人の知識をはるかに超えるこの愛を知るようになり、そしてさらに、神の満ちあふれる豊かさのすべてにあずかり、それによって満たしてください。私たちの内に働く御力によって、わたしたちが求めたり、思ったりすることすべてを、はるかに超えてかなえることのできるあなたに、教会により、また、キリスト・イエスによって、栄光が世々限りなくありますように。アーメン。

祈りの最後が頌栄になるのは主の祈りと同じで、形式として祈りにふさわしいものであると思います。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:エフェソの信徒への手紙臼田宣弘
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