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パウロとフィレモンとオネシモ

パウロとフィレモンとオネシモ(49)「教会の一致」―主イエスに倣った歩みを―  臼田宣弘

2021年10月7日10時39分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:エフェソの信徒への手紙臼田宣弘

今回はエフェソ書4章1~6節を読みます。ここには特に、ユダヤ人と異邦人が混在する教会の一致についての勧めが記されています。

1 そこで、主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、2 一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、3 平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。4 体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。5 主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ、6 すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。

きずなで結ばれる

1節に「主に『結ばれて囚人となっている(デスミオス / δέσμιος)』」とありますが、これは3節の「平和の『きずなで結ばれ(シューンデスモス / σύνδεσμος)』」と対応しているように思います。この言葉は両方とも「デスモス / δεσμός」(「監禁」の意)が語源です。主に結ばれて囚人となっているパウロを描き、その目線で語ることによって、教会が平和のきずなで結ばれることを願っているように思えます。

ところで、第45回でお伝えしましたように、エフェソ書はその構造がコロサイ書に似ていると私は考えています。その類似構造を示したコロサイ書とエフェソ書の対応表を、ここでもう一度お伝えしたいと思います。

  コロサイ書 エフェソ書
書き出し 1:1~29 1:1~23
本文への導入 2:1~5 2:1~10
本文 2:6~23 2:11~3:21
実践的な勧告 3:1~17 4:1~5:20
家庭訓 3:18~4:1 5:21~6:9
最後の勧告 4:2~6 6:10~20
結びの言葉 4:7~18 6:21~24

これによれば、今回から読む4章1節~5章20節は実践的な勧告となり、コロサイ書3章1~17節に対応しています。とりわけ、今回の箇所のうち、4章2~3節は、コロサイ書3章12、14、15節前半を手本にしていると思えます。両者を対照して掲載しますので、読み比べてみてください。

コロサイ3章12、14、15節前半 エフェソ4章2~3節
12 あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐(あわ)れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。14 これらすべてに加えて、愛を身に着けなさい。愛は、すべてを完成させるきずなです。15 また、キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。 2 一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、3 平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。

このように、エフェソ書4章2~3節は、コロサイ書3章12、14、15節前半を縮小したものとなっています。コロサイ書3章14節の「きずな」は、エフェソ書4章3節の「きずなで結ばれ」と同じ「シューンデスモス / σύνδεσμος」です。エフェソ書はコロサイ書のそれを4章3節で引用した上で、その前の4章1節に、監禁されているパウロを描きつつ、同じ語源である「結ばれて囚人となっている(デスミオス / δέσμιος)」という言葉を加えているように思えます。私はここにも、エフェソ書の著者と推定されるオネシモの、コロサイ書の著者と推定され自分を奴隷から解放したフィレモンへの思慕と、かつて自分を「監禁中(デスモス / δεσμός)にもうけた」(フィレモン10)パウロへの尊敬の念が込められていることを感じ取るのです。

この箇所は、そのようにして教会のユダヤ人と異邦人が一致することを、実践的な観点から述べているのだと思います。もちろんオネシモの執筆にも聖霊が働いていて、私たちは今日、それを聖書として読んでいるのです。

ちなみに上記表では抜けている、コロサイ書3章13節の「互いに忍び合い、責めるべきことがあっても、赦(ゆる)し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも同じようにしなさい」は、エフェソ書4章32節の「互いに親切にし、憐れみの心で接し、神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、赦し合いなさい」に対応しています。これについては、当該箇所を掲載する際に詳しくお伝えしたいと思います。

柔和

「柔和」という言葉が、コロサイ書から受け継がれて2節に記されています。これは、パウロ(ガラテヤ5:23)から、さらにイエスにまでさかのぼる言葉です。山上の説教の最初に記されている「8つの幸い」のうちの1つは「柔和」です(マタイ5:5)。また、イエスご自身が「わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛(くびき)を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる」(同11:29)と言われています。

柔和とは、「怒り、攻撃、闘争心、悪意の反対概念」です。私は新約聖書において、柔和は重要な言葉の一つだと考えています。

ところで、「コロサイ書の著者は、パウロの真性書簡のうちフィレモン書だけしか知らなかった」(第15回参照)とする説もありますが、私はガラテヤ書も知っていたと考えています。コロサイ書の中には、ガラテヤ書を参照していると思える言葉が多くあり、ガラテヤ地方の諸教会で回覧されたガラテヤ書(ガラテヤ1:2)が、地理的に遠くないコロサイやラオディキアの教会でも回覧されたと考えているからです。私は、コロサイ書の著者と推定されるフィレモンも、ガラテヤ書を読んでいたと考えています。そうなりますと、ガラテヤ書にも見られるこの柔和という言葉は、「パウロ、フィレモン、オネシモという系譜」から、さらにイエスにまでつながる言葉として捉えることができるのです。

7つの「一つ」

4~6節には7つの「一つ」があります。「体(教会)」「霊(聖霊)」「希望」「主(キリスト)」「信仰」「洗礼」「神」です。「体(教会)」が最初に記されています。教会は一つなのです。その一つの教会で、「聖霊によって、希望に向かって一つにされ、一つのキリストを信じ洗礼を受けた者たちが、唯一の神を礼拝する」と言い換えてもよいと思います。またこの部分は、第1コリント書12章12~26節に記されている「体は一つでも」以下の、教会を人間の体に例えている箇所を受けていると思われます。フィレモンとは違って、オネシモは聖書に残されているすべてのパウロの真性書簡を読んでいたからそれはありえます。

私が牧会上一番考慮していることは、この「教会は一つ」ということです。教会にはさまざまな人々が集っています。特に新型コロナウイルス流行以後は、教会員それぞれの価値観が多様であることも思わされています。それでも教会は一つなのです。主イエスに倣い、「高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ち、愛をもって」(2節)教会の一致を祈りつつ、歩んでいきたいと思います。(続く)

※ フェイスブック・グループ【「パウロとフィレモンとオネシモ」を読む】を作成しました。フェイスブックをご利用の方は、ぜひご参加ください。

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:エフェソの信徒への手紙臼田宣弘
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