Skip to main content
2025年7月2日11時18分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. 論説

ジョージ・フロイド事件、警官に有罪評決 歓声に湧くミネアポリスと残された課題(1)

2021年4月25日06時26分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:ジョージ・フロイド人種差別差別ブラック・ライブズ・マター(BLM)マーティン・ルーサー・キング
ジョージ・フロイド+
「ジョージ・フロイドさんのために正義を」という一文が添えられたフロイドさんの似顔絵を持って抗議をするブラック・ライブズ・マター(BLM)運動の参加者=2020年6月10日、米ニューヨークで(写真:CHOONGKY / Shutterstock)

外出を禁止したり、建物の使用を制限したりと、新型コロナウイルスの感染対策に躍起になっている最中、米国では昨年5月以降、「そんなこたぁ関係ねぇ!」とばかり、人々が集まり、声高にある一人の男性の名を連呼するようになった。その名は「ジョージ・フロイド」。ミネソタ州ミネアポリスに在住していたアフリカ系米国人(黒人)の46歳男性である。経歴などは、ネット(ウィキペディア「ジョージ・フロイドの死」など参照)にさまざまなものが掲載されているが、中には真偽が定かでないものもあるだろう。

フロイド氏は偽札使用容疑で警官に声を掛けられ、その後の逮捕に「抵抗」した(と警察は発表したが、それを否定する防犯カメラの動画なども公開されている)ことで地面に組み伏せられてしまう。当時、現場には警官4人が居合わせたとされ、その1人、デレク・ショービン警官は、フロイド氏に手錠をかけて抑え込んだ後、首に膝を乗せ、8分間余り身動きできない状態にしたという。結果、フロイド氏は頸部(けいぶ)圧迫によって窒息死してしまった。これがいわゆる「ジョージ・フロイド事件」である。近年、ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大切)運動が盛り上がりを見せつつあったため、この事件は人々の大きな関心の的となり、全米各地に波及していった。

この事件の評決が今月20日(日本時間21日)にミネアポリスの州地裁で言い渡された。フロイド氏を押さえ付け、「息ができない」という声を聞きながらも拘束を解かなかったショービン氏に対し、第2級殺人、第3級殺人、第2級過失致死、それぞれの罪状で有罪が言い渡された(量刑は6月に確定する)。ちなみにこのうち第2級殺人は、意図した殺害、つまり殺意を認めるものである。この意味は大きい。今後、警官が被疑者をあやめてしまった場合、前例として第二級殺人が適用される可能性が拡大したことを意味するからである。

この評決を受け、ミネアポリスのみならず、全米各地で歓喜の声が上がり、特に黒人たちは「これでやっと息ができる」などと、フロイド氏の言葉を引用しながら自らの感情を爆発させ、互いに抱き合って喜びを分かち合っているようだ。

リベラルな人権派はこの評決を手放しで喜び、ジョー・バイデン米大統領も「人種的な正義の実現に向けた非常に大きな一歩になる」との認識を示した。確かに、今までの歴史をひもとくなら、警官による黒人への過剰ともいえる暴力が法的に有罪となるケースは非常にまれであった。そのことを踏まえるなら、米国司法の方向性がこれで変わるという見方もできるだろう。

しかし、物事はそれほど単純な構図ではないようだ。まるでハリウッド映画のカタルシス満載のエンディングのような評決が言い渡されたのは事実だが、そこに残された「課題」にもスポットが当てられなければならないだろう。以下、今後の「課題」として見極めていかなければならない幾つかの点を、2回にわたり取り上げたい。

1. 司法は「黒人の命は大切」を保証するものではない

米国は法治国家であるため、法的に権利が保証され、必要な規制が行われることは大切である。しかし、1950年代半ばから70年代にかけての「公民権運動」を見ても明らかだが、法整備だけでは限界がある。マーティン・ルーサー・キング牧師が命と引き換えに成立させた「公民権法」も、それを待ち望んでいた人々に対して、その恩恵に浴したのがごく限られた人々であったことから、さまざまな亜種問題を生み出していったことは、その後の歴史を見れば明らかであろう。

大きな期待を寄せ、そのために犠牲を払った者たちが、報酬といえる恩恵にあずかれないとき、反対のベクトルに大きく揺れるということはあり得る。公民権運動では、それがブラックパワー運動を生み出し、ブラックパンサー党などの過激組織が跋扈(ばっこ)する時代を作り上げたことは否定できない。また、黒人同士の間に格差が生まれたことで、「白人という共通の敵」を前にして一致団結できていた集団内に亀裂が生じたことも事実である。やがてキング牧師に代表されるハイソな「勝ち組」と、その恩恵にあずかれなかった黒人低所得者層などの「負け組」という構図は、今なお根強く米国に残存し、「分断社会」の一要因となっている。

後者は、公民権運動を失敗と見なすようになり、ひいてはキング牧師ら公民権運動指導者らの根幹をなすキリスト教への疑義をも高めていく。公民権運動が残した業績は確かに偉大である。しかし、法的整備のみでは限界があることを示したのも、公民権運動の暗部である。BLM(黒人の命も大切)は司法のみでは決して担保されないし、その完全な保証など「法的に」望むべくもないだろう。

今回の評決が、今後の司法判断に影響を与えるという意味では大いに歓迎されることだろう。しかしそれだけでは対立が新たに激化したり、生まれつつある溝がさらに深まったりする可能性もある。このことは押さえておくべきであろう。

後編へ>>

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:ジョージ・フロイド人種差別差別ブラック・ライブズ・マター(BLM)マーティン・ルーサー・キング
  • ツイート

関連記事

  • 米福音派神学者らが共同声明 人種差別は「聖書に反する」 150人以上が署名

  • 人種差別を悔い改める祈りの運動「プレイテスト」 全米で広がる

  • ジョージ・フロイドさんの事件現場で毎日礼拝、洗礼も

  • 【書評】渡辺靖著『白人ナショナリズム』 米黒人死亡事件の最中に読むべき最適の一冊

  • 米国のために祈りを! 米国の宿痾である「人種」をめぐる問題

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • ワールドミッションレポート(7月2日):バーレーン 湾岸諸国における霊的な戦略拠点

  • ワールドミッションレポート(6月30日):インドネシア 静かに進む魂の変革

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(6)神の御手の内にある死という運命 臼田宣弘

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(6月29日):北朝鮮 大胆な一歩、北朝鮮で執り行われた秘密の洗礼式(3)

  • ワールドミッションレポート(6月30日):インドネシア 静かに進む魂の変革

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • ワールドミッションレポート(6月30日):インドネシア 静かに進む魂の変革

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(7月1日):スーダンのラフォファ族のために祈ろう

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.