Skip to main content
2025年6月16日16時38分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(61)「死」の暗闇に寄り添う 広田信也

2019年1月12日09時54分 コラムニスト : 広田信也
  • ツイート
印刷
関連タグ:広田信也ブレス・ユア・ホーム

2019年は、米中貿易摩擦の長期化を懸念する不安な幕開けとなった。今年もさまざまな社会の仕組みが変わることだろう。貧富の差が一層拡大し、貧しい人々の暗闇が増すことのないよう心より願っている。

かつて大企業の研究所に勤務していた私は、新技術がもたらす明るい将来を展望する毎日を送っていた。最先端の華々しさから学ぶことも多かったが、この世の貧しさや暗闇に直接触れる機会は少なく、同時に福音の力強さを、今ほど感じることはなかったように思う。

ホームレスに寄り添う

そのような私が、会社を退職後、全寮制の神学校に入学し、定期的に大阪市西成区にあるホームレスの街に出掛け、彼らの貧しさに触れるようになった。そこに住む人々は、単に薄汚い服を着ているだけではなく、人生の孤独や敗北という暗闇を深く味わっている心の貧しい人たちだった。

自ら希望してホームレスの街に出掛けたはずだったが、彼らと共に時間を過ごし、彼らのために祈っても、私の心は一向に晴れなかった。若い神学生たちが献身的に寄り添う姿を横目で見ながら、私は、ホームレスの人々から一定の距離を置いていた。私の信じている福音は、彼らの暗闇を打ち破れるはずだったが、無力感が日ごとに私の心を覆っていた。

貧しさの中にある彼らを慈しむ神様が、私の内でいつも呻いているような感覚があった。何とかして、神様の心にかなう働きをしたいと願ったが、ホームレスに寄り添えない原因は、実は、私自身の内にある深い暗闇の存在だった。

私はホームレスに向かう働きを、1年ほどで逃げるようにやめてしまった。その時以来、私の内にある深い暗闇は、一層はっきりと自覚できる存在になっていった。

その暗闇の正体は、聖書が伝える「罪」そのものであり、私の肉体と魂を蝕み、「死」に至らせるものだった。それは、ホームレスの人々が抱える孤独や敗北と異なるように見えたが、本質的には同じ道に通じるものだった。私の外見は豊かさをまとえたが、心の貧しさが私を包んでいた。

「死」の暗闇に招かれる

神学校を卒業後、私は高齢者に寄り添う働きに献身した。弱さを覚える高齢者に寄り添い、日本文化に合わせた祈りの場、記念の場を創り出したかった。それらは、高齢者とその家族にとって明るく楽しい場になることを思い描いていた。

ところが、当社に寄せられた連絡の多くは、当初、予定していなかった葬儀式の相談や依頼だった。頼れる牧師のいない方々が「死」の暗闇から、当社を探し出し、面識のない私に連絡を下さるのである。

かつてホームレスの暗闇に寄り添えなかった私は、また、逃げ出したい感覚に襲われるようになった。しかも、未信者の抱える「死」の暗闇に、たった一人で寄り添うことが求められるのである。ハードルは一層高いものになっていた。

内住のキリストの完全な勝利

しかし、私がホームレスに向けた働きで絶望していたことが、逆に良い結果をもたらすことになった。暗闇を心の内に宿す私には、未信者の「死」の暗闇に寄り添う力などどこにもなかった。唯一の希望は、イエス・キリストにすべてを明け渡し、頼り切ることだけだった。

「死」の暗闇から助けを求める未信者の声は、私の信仰に決定的なスイッチを入れた。ホームレスの暗闇には寄り添えなかったが、「死」におびえる未信者から直接招かれたとき、信仰の大盾を持って「死」の暗闇に臨むようになったのである。

また、かつて30年以上の会社生活の中、上司からの指示に従って働いてきたことも功を奏した。職場における上司の指示は、たとえ、どのような状況であっても優先されたため、具体的な指示に敏感に反応する習慣が身に付いていた。

「死」の暗闇から助けを求める未信者の声は、私にとって最善の上司であるイエス・キリストからの大宣教命令として、私の心に強く響いてきた。私は、自らの内にある暗闇の存在にちゅうちょすることなく、信仰によって迅速な対応ができるようになっていった。福音は私の内に、実に大きな現実的な力を備えてくれた。

全国から寄せられる叫びに寄り添って

未信者からの相談や依頼は、私が直接関わることのできない遠い地からも寄せられた。神様は、「死」の暗闇に勝利し、未信者に寄り添える経験豊富な牧師を、当社の連携者として、すでに日本の各地に備えておられた。

激動の2019年、日本では、今年も毎日4千人近い方々が「死」を迎えている。神様の愛を知ることなく「死」の暗闇に向かう多くの未信者からの叫びが聞こえるような気がする。私たちは、その叫びの中から、イエス・キリストの大宣教命令を聞き分け、主の器となって日本の津々浦々にまで福音を携えていきたいものである。

全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい。(マルコの福音書16章15節)

<<前回へ     次回へ>>

◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:広田信也ブレス・ユア・ホーム
  • ツイート

関連記事

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(60)ブラック企業に見えてはいけない 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(59)クリスチャンではありませんが・・・ 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(58)「孤独死」への備え 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(57)ゆりかごから墓場まで 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(56)今後、墓はどうなるのか? 広田信也

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.