「平信徒」として福音の喜びに生かされることの重要性 新井明氏選集出版

2019年1月4日15時32分 印刷
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新井明氏
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日本を代表するミルトン研究者で、文学者や教育者として若者たちに向き合い、数多くの講話を残してきた新井明氏の選集第1巻がこのほど出版された。新井氏の文章をより多くの人に読んでもらいたいと、新井氏が指導した経堂聖書会の有志が企画した。経堂聖書会代表で上智大学特任教授の月本昭男氏は、「日本のキリスト教の将来を考えたときに、必ずしも教会組織によらず、新井先生が主張されるように『平信徒』として福音の喜びに生かされることが非常に重要ではないか。ぜひ若い人に読んでいただければ」と話す。

新井氏は、東京教育大学(現・筑波大学)、米国のアマースト大学、ミシガン大学を修了後、名古屋大学、東京教育大学、大妻女子大学、日本女子大学で教え、敬和学園大学学長、聖学院大学大学院特任教授などを務めた。学生時代、東京大学教授で新約聖書学者であった前田護郎(1915~80)の主宰する無教会世田ヶ谷聖書会で信仰を学び、1980年に経堂聖書会を設立。その後20年間にわたり会を指導した。

「平信徒」として福音の喜びに生かされることの重要性 新井明氏選集出版
このほど出版された『新井明選集1 ミルトン研究』

新井氏の信仰者としての証しには、大きく3つの特色があると月本氏は語る。1つは、世界教会協議会(WCC)信仰職制委員会の日本代表を長く務めた前田護郎から受け継ぐ「全教主義」。無教会とは制度の違う他の教会を批判するのではなく、同じ目に見えないキリストの体なる教会(エクレシア)に連なる群れとして互いに協力し合い、それぞれが神から与えられた役割を果たしていくとする立場だ。新井氏が日本基督教団系の敬和学園大学で学長を務めたこともその特色をよく表している。

2つ目は、世俗にあってキリストの福音に生きる信徒が、教職の活動に依存しがちな教会組織の手が届きにくいところへ福音を伝えることを強調する「平信徒主義」。今日のキリスト教界における無教会の存在意義ともされるこの立場を、新井氏は「全教主義」に立ちつつ、教職制度を持つ教会の欠けを補うものとして提唱し、実践し続けた。

3つ目は、「辺境に生きる」。高度経済成長の中で軽視されつつあった日本の農業に光を当て、今では国内有数の高原野菜の産地となった長野県の野辺山高原を開拓した農業共同体と深い関係を築いてきたほか、三重県伊賀市の農業高校「愛農高校」で長く理事を務めた。「神の業は隠れたところに現れる。隠れたところに働く信仰を神は最も喜ばれるというのが信仰の在り方と説かれ、先生ご自身もそのように歩まれた」と月本氏は話す。

「平信徒」として福音の喜びに生かされることの重要性 新井明氏選集出版
経堂聖書会代表の月本昭男氏

月本氏は、「日本はキリスト教国ではなく、キリスト教徒の割合も1パーセントからほとんど増えないにもかかわらず、聖書はよく読まれていて、キリスト教への関心はある」と指摘し、「教会組織の中でどうしても届かないようなところに福音を届ける役割としての平信徒の在り方、世俗の仕事を持ちながら、信仰の喜びに生きるということの大切さは、新井先生の文章から随所に読み取っていただけるのではないか」と選集出版の意義を語った。

選集は全3巻で、新井氏自身も編集に関わっている。第1巻は、ミルトン研究者として新井氏が発表した論考を中心に構成されている。第2巻(1月下旬出版予定)と第3巻(4月下旬出版予定)には、無教会を中心とした人物論や講話、聖書講義、エッセーなどが収録される。注文は、経堂聖書会のホームページから。

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