聖書の学びと共同生活で人生を見つめ、生き方の改善図る「恵泉塾」

2018年6月6日10時54分 印刷
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+聖書の学びと共同生活で人生を見つめ、生き方を改善する「恵泉塾」
証言者として話をする中農可奈恵さん(オリーブ山教会)=5月28日、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)で
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社会に行き詰まり、自分の力では解決できない悩みを抱えた人々が、聖書を学び、農作業を中心とした共同生活を送ることで生き方の改善を図る場「恵泉塾」。発祥の地、自然豊かな北海道余市(よいち)町にある「余市恵泉塾」ではスタッフ含め70人余りが一つ屋根の下で家族のように暮らす。現在では全国各地また海外にも塾があり、多くの人が奇跡的な回復を経験している。

その「恵泉塾」の働きを知ってもらうための集会「スカルの井戸端会議」が、昨年夏から毎月1回、東京都内で開催されている。2003年から3年間、毎月開催されていた集会で、昨年8月に「新スカルの井戸端会議」として12年ぶりに再開。5月28日には、再スタートしてから10回目となる集会が、お茶の水クリスチャン・センター(OCC、東京都千代田区)で開催された。

集会の名称は、イエス・キリストと「サマリヤの女」が、サマリヤの町スカル(シカル)にあった「ヤコブの井戸」のそばで深い対話をしたエピソード(ヨハネ4:1〜42)にちなむ。毎回、恵泉塾を通して救われた人々の証言、聖書の講話、昼食の交わり、スライドによる恵泉塾の紹介、質疑応答の内容で行われる。「井戸端会議」と銘打っているだけあり、質疑応答の時間では悩みや質問を率直にぶつけられる。

また参加者に昼食を持参してもらい、会場で会話を楽しみながら、食事を共にすることもこの集会の特徴の1つ。恵泉塾を運営する札幌キリスト召団は、無教会の内村鑑三の流れをくむ群れで、建物としての教会堂は持たないが、各教会・家庭集会では初代教会が「相互の交わり、パンを裂くこと」(使徒2:42)に熱心だったことに倣い、食事の交わりを大切にしており、聖餐式も毎週行っている。

聖書の学びと共同生活で人生を見つめ、生き方を改善する「恵泉塾」
昼食は各自が持参して共にする。

第10回の集会は、恵泉塾で12年余り生活している猿渡美佳さん(我孫子恵泉塾)のピアノ演奏で始まった。猿渡さんは、幼稚園の頃からピアノを始めたが高校時代に行き詰まり、30代半ばで恵泉塾に出会った。この日は、バッハの有名な教会カンタータ「心と口と行いと生活で」のコラール(賛美歌)「主よ、人の望みの喜びよ」など2曲を披露した。

証言者として立った中農可奈恵さん(オリーブ山教会)は、息子が心を病み、一時は強制入院まで考えるほどの危機にあった家族が回復されていった証しを語った。仕事一筋の夫を持つ中農さんは、知り合いのいない夫の転勤先で、家事、育児を一人でしなければならず、結婚後深い孤独を経験した。札幌に転勤になったとき、高校生の息子が不登校になり、突然自転車で放浪の旅に出てしまう。息子は沖縄まで渡り、再会したのは1年後のことだった。そんな中、不登校の子を持つ保護者の集いで、あるクリスチャンと出会い、恵泉塾を紹介してもらう。すぐに聖書の学びを始めたが「真っ暗だった心に温かいともしびがともっていくのを感じた」と振り返る。

その年の春に体験入塾し、聖書の学び、炊事、掃除、農作業といった生活を共同で送る中で、心の中にあった塊のようなものがなくなっていった。夫も聖書の学びに参加するようになり、涙を流す姿に驚いた。「聖書の言葉は仕事人間の彼の心にも響いたのです。聖書には力があることを知りました」と話す。2005年に洗礼を受け、翌年新たな転勤先の名古屋で家庭集会を始める。夫もその年に洗礼を受けた。家庭集会に隣人を招待することが、夫とする初めての共同作業に感じたという。

その後、名古屋から千葉に転勤となり、息子が家に戻ってきた。しかし息子は職を転々とし、引きこもり、ネットにはまって病んでいった。聖書にも目を向けず、病院にも行きたがらず、被害妄想がひどくなっていく。強制入院を考えるほどだったが、すべてを神に委ねた。紆余曲折を経て結局入院することになるが、ある日入院中の息子が「恵泉塾に行きたい」とつぶやいた。「諦めきっていたことを、息子自らが言ってくれたのです」。退院後、家族3人で札幌恵泉塾の扉をたたいた。息子はその後、奇跡的に立ち上がり、昨年受洗。今は札幌市内の会社に就職して働いているという。

「神様は私に委ねなさい、信じなさいと招いていたと思いました。困難を通して、キリストの愛がどれほど深いのかを教えてもらえました。思いをはるかに超えて、神様がくださった平安は、努力や訓練で得たものではなく、悲しみや絶望の果てに得たものでした」

聖書の学びと共同生活で人生を見つめ、生き方を改善する「恵泉塾」
「我(わ)が家は愛の砦〜信頼の手を繋(つな)いで〜」と題して話をする藤沢氏

続いて、藤沢一氏(古河恵泉塾代表)が「我が家は愛の砦(とりで)〜信頼の手を繋(つな)いで〜」と題して話をした。藤沢氏は、神が創造したときの世界と、そこに罪が入ってしまった現在の世界の2つを対比。前者は神が主人で、人間は神の責任で生かされるのに対し、後者は人間が主人となってしまい、自己責任で生きなければならない世界になってしまったと語った。

質疑応答では「キリスト教の集いに違和感はなかったか」という質問が出され、中農さんは「雰囲気が違うというのはありました。しかし、最初に公民館で行われていた不登校の会に参加しましたが、そこではただ互いの話を分かち合うだけで希望を持てませんでした。恵泉塾に行ったら、何か解決の糸口があるように感じました」と答えた。

統合失調症の娘を持つ人からの質問には、「家族だけで解決するは難しいのではないかと思います。お勧めするのは聖書の学び。ノンクリスチャンの価値観とは違う考え方があり、考え方の方向性を変えてくます。神様が創り主なので、直し方も一番ご存じなのではないかと思っています」とアドバイス。また親子の信頼関係については、「体験入塾して『神様は信頼できるお方だよ』と一言言われました。神様を信頼している人の輪の中に入れてもらったことで、信頼の仕方を教えてもらいました」と話した。

聖書の学びと共同生活で人生を見つめ、生き方を改善する「恵泉塾」
図を使って分かりやすく聖書のメッセージを解説した。

「この世の価値観から聖書の価値観に転換される秘訣を教えてください」という質問には、藤沢氏が「転換は神業ということを肝に銘じることではないでしょうか。塾生時代の失敗は、塾生を見て諭すことを過度にしてしまったこと。神様の出番をなくしてしまいました。その人を受け止めながら、忍耐して神様の時を待つことだと思っています」と話した。

新スカルの井戸端会議は、第1回から第9回までは、YMCAアジア少年センター(東京都千代田区)で開催されてきたが、第10回以降は会場がより交通の便の良いOCCに変更され、開催日も土曜日で固定される。第11回は6月30日(土)午前10時から午後2時まで、OCC4階411号室で「地に根づき、地に仕えて生きる〜エデンの園と福音の文化〜」をテーマに開催される。講話は後藤敏夫氏(四街道恵泉塾塾頭)、証言は星貞子さん(恵泉いわき教会)。

その他、今年は7月14日(416号室)、8月4日(411号室)、9月15日(同)、10月27日(416号室)、11月10日(同)、12月22日(同)で開催を予定している。申し込み・問い合わせは、我孫子恵泉塾(電話:04・7188・6833、FAX:03・6800・5996、メール:ibasho@me.com)まで。

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