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神声人語

神声人語―御言葉は異文化を超えて―(60)「弟子となる」 浜島敏

2018年11月26日12時44分 コラムニスト : 浜島敏
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「弟子となる」(discipleship)

弟子となることは交わりの一種です。私たちの「先生」は飢えている魂に講釈を垂れるようなお方ではなく、語り掛けてくださるお方なのです。

ケニヤのキプシギス人はこれを「見習い」と呼んでいます。有名なまじない師が老齢になると、多くの若者が競い合って見習いになって、先生の秘技を求め、呪物やまじないの虎の巻を受け継ごうとします。先生のようになりたいと願って勉強するのですが、それには先生とよく話し、そのやることをよく見て、魔法の技術を観察し、患者にどう接するかを見なければなりません。

キリストの弟子は本物の弟子となりたければ、同じような訓練の期間を経なければなりません。弟子とは「学習者」とか「学生」以上のものなのです。アステックのサカポアストラ方言で言うように「先生を真似する者」であります。しかし、学んでいく過程でも、単なる知識を受け継ぐ受動的な受け手ではなく、バリエンテ人が言うように「真理の探究者」でなければなりません。

「驚嘆する」(marvel)

驚くというのが真の弟子となる最初の経験です。しかし、この感情を表現するのは必ずしも易しいことではありません。私たちにとってはごく自明で当たり前の感情のように思えることも、言語によっていろいろ表現の仕方が違うからです。

ケクチ人は「驚嘆する」ことを文字通りでは「心を失う」(日本語「魂消(たまげ)る」)と言います。驚いたことで心が完全に無くなってしまったように感じるということです。

ツェルタル人はもっと鮮明にこの体験を表現して「死にそうに感じる」という表現を使います。こわくて「死にそうだ」とかあまりにも恥ずかしい目にあったときに「死にそうだ」と言うことはありますが、私たちは驚いて「死にそうだ」とはあまり言いません。

中部メキシコのタラスコ人は「考えて口を閉じる」と表現します。ある考えにあまりにも圧倒されると、何も言えなくなります。もっと南のミシュテク人は「驚嘆する」ことをちょっと違った言い方で表します。「聞いていて忘れる」というのです。これは報告があまりにもびっくりするようなことであると、他のことは全部完全に忘れてしまうということです。

ロマ語では人々の不信仰にイエスが驚かれたことを伝えるのに「彼らの不信仰があまりにも大きかったので、彼の心が歩いて出ていってしまった」(マルコ6:6)と表現しています。イエスは群衆の頑固な不信仰に、もう我慢ならなかったと言っているのです。

「説得・勧め」(persuasion)

私たちは「説得」とは自分の考えを別の人に高圧的に押しつけることと考えます。しかし、ギリシャ語の peitho「説得」という言葉は、「確信を作り出す(信用してもらう)」という意味が強いのです。コノブ人の使う言葉はもっと個人的で親しみやすく、文字通りには「・・・に自分の魂を与える」と言います。

もし、ある人が誰かを説得しているということは、比喩的には「その人に自分の魂を与える」ということなのです。本当に長続きする、効果的な説得には、この与えるという行為が必要です。現代のコマーシャルは無理矢理人の頭に入り込もうとしており、真反対です。聖書でいう説得とは、心と魂に与えることなのです。

「祈り」(prayer)

翻訳宣教師は「祈り」の代わりに「唱える」とか「歌う」とかいったような言葉を間違って使いがちです。

世界のいろいろな人たちは、祈りとは一種のわけも分からない言葉を機械的にもぐもぐ言うことであると理解しています。これは宗教的「呪文」で、精霊崇拝者が突拍子もない不気味な声を張り上げて、「言葉数が多いことによって」(マタイ6:7)聞かれると思って霊神に呼び求めていることとそっくりなのです。祈りの本当の意味を教えるために、翻訳者はしばしば「神様とお話しする」という言葉を使います。

世界の人々の中には「神に語り掛ける」などということは考えもしない人たちがたくさんいます。その代わり、彼らは偶像や聖人、霊とか悪霊など――何でも良いから――に祈ります。そうすれば、やがて自分の言葉が超自然的な力を持っているものに届いて、助けてもらえると思います。しかし、神に語り掛けるなどということは、信じがたく、不可能だと思うのです。

ある翻訳者たちは知らず知らずに、祈りに「乞う」という言葉を使ってクリスチャンを霊的な「物乞い」にしてしまうこともあります。ツォツィル人は「求める」という動詞を使い、祈りを表す言葉の一部としています。しかし彼らはこれに付け加えて、「心を注ぎだして」と言っています。これは私たちの自己中心的な祈りを除きます。心を注ぎだして求めれば、自己が隠れる場所はありません。

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*

【書籍紹介】
ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』
訳者:繁尾久・郡司利男 改訂増補者:浜島敏

ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』

世界の人里離れた地域で聖書翻訳を行っている宣教師たちと一緒に仕事をすることになって、何百という言語に聖書を翻訳するという素晴らしい側面を学ぶまたとない機会に恵まれました。世界の70カ国を越える国々を訪れ、150語以上の言語についてのさまざまな問題点を教えられました。その間、私たち夫婦はこれらの感動的な仕事の技術的な面や、人の興味をそそるような事柄について、詳細なメモを取りました。

宣教師たちは、未知の言語の文字を作り、文法書や辞書を書き、それらの言語という道具を使って神の言葉のメッセージを伝えるのです。私たちは、この本を準備するに当たって、これらの宣教師の戦略の扉を開くことで、私たちが受けたわくわくするような霊的な恵みを他の人たちにもお分かちしたいという願いを持ちました。本書に上げられているたくさんの資料を提供してくださった多くの宣教師の皆さんに心から感謝いたします。これらの方々は、一緒に仕事をしておられる同労者を除いてはほとんど知られることはないでしょう。また、それらの言語で神の言葉を備え、有効な伝道活動の基礎を作ったことにより、その土地に住む人々に素晴らしい宝を与えられたことになります。その人たちは、彼らの尊い仕事を決して忘れることはないでしょう。

本書は説教やレッスンのための教材として役立つ資料を豊富に備えていますが、その目的で牧師や日曜学校教師だけのために書かれたものではありません。クリスチャン生活のこれまで知らなかった領域を知りたいと思っておられる一般クリスチャンへの入門書ともなっています。読者の便宜に資するために3種類の索引をつけました。①聖句索引、本書に引用されている聖書箇所を聖書の順に並べました、②言語索引、これらのほとんど知られていない言語の地理上の説明も加えました、③総索引、題目と聖書の表現のリストを上げました。

ユージン・ナイダ

◇

浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

■ 【浜島敏著書】(Amazon)
■ 【浜島敏著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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