ナッシュビルからの愛に触れられて(17)クライストチャーチの礼拝に出席! 青木保憲

2018年3月6日21時02分 コラムニスト : 青木保憲 印刷
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憧れのクワイアローブを着てリハーサル
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ナッシュビルツアー最大のイベント、それはクライストチャーチの礼拝に出席することである。こういった体験はなかなか日本ではできない。大きなイベントであれば大集会を計画することは可能だが、通常の礼拝で2千人規模の集会を体験することは、まず日本ではあり得ない。

しかも100人を超えるクワイアと共に歌える機会など、日本にいては決して得られない。だからこそ、このツアーを企画したということである。参加した一人一人は、この礼拝に出席し、サウンドと本場のゴスペルを体験することで、「異文化体験を通して」キリスト教の素晴らしさを体感することができるのである。

何より参加者は、あこがれのクワイアローブを着ることができる。礼拝の前にローブのフィッティングが行われたが、中には目に涙を浮かべている者もいた。今までさんざんビデオやネットで見せつけられてきた、深緑色のクワイアローブ。これをついに自分が着ることができるのだという感動がそこにあった。

さらに驚くべきことに、クワイアリーダーのクリス氏が、礼拝の中で日本語の楽曲を選択し、しかもラストの曲を日本のクワイアディレクター(若干20歳!)に任せると発表したのである。

これにはさすがの私も意見した。「大丈夫か?彼らはこんな礼拝に参加することすら初めてなんだよ」と。しかし、クリス氏はまったく動じない。「君たちはゲストだ。ゲストをおもてなしするとはこういうことだ。そして何より、一緒に礼拝できることは名誉なことだ。きっと神様も喜んでくださるよ」

これですべてが決した。単に礼拝に参加したらいい、という受け身の姿勢ではなく、日本代表で礼拝を導くことにもなってしまったのだから。しかも礼拝の最後は一番盛り上がるところである。私は冒頭であいさつするだけだが、それで気を抜くことができない。最後の最後まで、皆と礼拝を作り上げる責任を担わされたようなものだった。

その時の映像がこちら。

私が心配したことは、まったくの杞憂(きゆう)であった。皆堂々としており、クワイアディレクターの女性もむしろ楽しんでいたように思う。また、一緒に歌ってくれたクライストチャーチのメンバーも、皆満面の笑みであった。大きな満足感が皆の中にあった。

ナッシュビルからの愛に触れられて(17)クライストチャーチの礼拝に出席! 青木保憲

終わった後、1人の男性が私のところに寄ってきた。彼は泣きながらこう言った。

「私は第二次大戦で、日本と戦った兵士でした。真珠湾で家族を失ったことで日本を憎んでいました。その苦々しい思いは今まで変わりませんでした。でも、今日日本から来られた皆さんが賛美をささげているのを見て、また私たちのクワイアと一緒に神へ歌っているのを見て、本当に心が変えられました。私の罪を赦(ゆる)してください」

正直、そんなドラマのようなことが起こるなんて、これっぽっちも期待していなかったので、最初はどうしたらいいのか分からないままであった。しかし、これこそが「賛美の力」なのだと気付かされた。

実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。(エフェソの信徒への手紙2章14~16節)

私はその方の話を日本から来ている皆に分かち合い、そして彼と共に祈るひとときを持ったのである。この時、日本のツアー参加者の中にはクリスチャンでない方もおられた。しかし、この男性の話は大いに私たちの心を打った。同時に、彼の心を柔らかく砕き、そして一致を与えてくれた神の御業に、私たちはとても大きな感動を得たのである。

「私たちは歴史的な働きを担わされていたんですね」と後から述懐する者も出てきたくらいである。

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憎しみから解放された男性と

やはりこのツアーは間違っていなかった。日本では決して味わえない「異文化体験」をすることで、あらためて自分たちが日本人であることを理解し、同時に「世界の中の日本(インタナショナル)」、「国境なき世界(グローバル)」を実体験する、またとない機会となっている。

私はこういったツアーを毎年敢行することをこの時に誓った。どういう形であれ、毎年このナッシュビルへやって来よう。特にクリスチャンでない方、英語を話してみたいとか、外国の方と友達になりたいとか、そういった方にこそ門戸を開いたツアーを継続しようと心に誓ったのである。

この異文化体験ツアーは、必ずクリスチャニティーの浸透につながる。そう確信して、私は礼拝会場を後にしたのである。

次の日、私たちは車に分乗してナッシュビルから3時間余りかけてメンフィスへと向かった。2011年3月、私が初めて米国南部を体験したときに訪れた都市メンフィスである。ここでツアー参加者に伝えたいのは、音楽の奥深さ、そしてその音楽に反映されている人々の歴史である。特にアフリカ系アメリカ人(黒人)の苦難の歴史は、ジャズやゴスペル、ブルースなどの素晴らしい音楽を生み出した。そのルーツをたどる一日、それがメンフィスツアーである。

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青木保憲

青木保憲(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院を卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科卒(修士)、同志社大学大学院神学研究科卒(神学博士、2011年)。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(2012年、明石書店)。

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