Skip to main content
2025年7月12日17時02分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ナッシュビルからの愛に触れられて

ナッシュビルからの愛に触れられて(13)仙台での復興支援コンサート 青木保憲

2018年1月9日19時45分 コラムニスト : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:青木保憲

2011年9月9日。仙台に新幹線で到着したクライストチャーチ一行は、そのままバスに乗って移動となった。仙台行きの最大の目的は、翌日から開催される仙台ジャズ・フェスティバルに出演することであった。だがその前に、私たちは仙台市内の高校へ向かった。

受け入れを許可してくれたのは尚絅(しょうけい)学院高等学校。仙台市駅から車で数十分のところにある私立学校である。震災後、やっと再開した高等学校ではあったが、まだまだ復興途上であることを物語る傷跡が残っていた。そして目に見えないが、生徒たちの心には多くの傷が残存しているとのこと。そんな彼らの心を少しでも音楽で軽くしてほしい、という要請でのコンサートとなった。

学生たちは一見明るくて、とても被災地の学校とは思えなかった。しかし、いまだに正常な高校生活に戻れていない生徒も少なくないという話を、校長先生から伺った。それをクライストチャーチのメンバーに伝えると、顔を引き締め、この働きの大切さを共有するかのように、皆で祈るひとときをバスの中で持った。

そして、いよいよ講堂へと足を踏み入れた。私たちは割れんばかりの拍手で迎え入れられた。尚絅学院にはコーラス部があり、彼らはクライストチャーチとコラボで歌うことになっていた。お互いに緊張した面持ちで対面したが、形式的な紹介とあいさつの後、楽器隊が演奏を開始した途端、世界は変わった。

メンバーの歌声に呼応して手拍子が打ち鳴らされ、次第に立ち上がる者たちも出てきた。シンガーたちが「立って歌おうよ」と身振りで伝えると、瞬時にして数百人が立ち上がり、そして笑顔が会場にあふれた。

その後、コーラス部が登場し、「一羽のすずめ」をクワイアとコラボした。この時、中には涙を流してこの歌を聴く生徒たちがいた。その姿を見たとき、来てよかったと心から思えた。

コンサート後、自由に写真を撮る時間があった。今回の来日チームのリーダーであるオースティン牧師がとってもイケメンであったこともあり、女子学生は彼らに文字通り「群がり」、そして共に笑いあうひとときが持てた。

ナッシュビルからの愛に触れられて(13)仙台での復興支援コンサート 青木保憲

コンサートの最後に、その日の夕方午後6時から、仙台市駅前の「マークワン」という野外ライブ会場でストリートコンサートをすることを告げた。すると何人もの学生たちが「必ず行きます!」と答えてくれたことがうれしかった。いろんな傷を負っているだろうが、彼らは若く、そして素直だった。

その日の夕方、仙台市駅前に私たちが到着したとき、駅前はパラパラとした人通りだった。しかし、クワイアがリハを始めた途端、わずか数分で何と数百人の方々が集まったのである。用意したチラシやパンフレットは、あっという間になくなってしまった。そして約束通り、尚絅学院の学生たちが集団の一角を占めていた。

開始時間を少し前倒ししてコンサートを開始した。実は、このコンサート開催までには多くの困難があった。まずストリート形式であることから、交通整理ができなくなるのではないか、という懸念の声が上がり、コンサートそのものが中止に追い込まれる寸前になった。

次いで音の問題である。いくら野外とはいえ、そこでドラムやベースをかき鳴らすのである。PA担当者に警察から、出せる音の上限を事前に言い渡されていた。これを守れないと、瞬時にコンサートは解散させられる。

さらに極めつけは、その会場で十数人がステージに上ることに対して、地元の自治会から消防法に抵触するのではないか、というクレームがついたことである。これを現地で対応してくださった方によると、最後は「30分だけ目をつむってください。彼らはアメリカから来てくれているんです!」という、言い訳とも開き直りともとれる迷言で最後に認可を獲得したという。

そのコンサートは大盛況だった。目測だが、600人を越える方が集まってくださり、彼らに向けて復興支援の歌声を届けることができたのである。

ナッシュビルからの愛に触れられて(13)仙台での復興支援コンサート 青木保憲
ナッシュビルからの愛に触れられて(13)仙台での復興支援コンサート 青木保憲

その後、私たちはその会場を後にし、仙台市内のアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の教会へ向かった。そこで夕食を頂くとともに、ミニコンサートを行うためであった。学校やストリートで人々に勇気と希望を与えることは大切である。しかし、クライストチャーチにとって最も大切なことの1つは、日本の教会に恵みを分かち合うことだった。だから、どうしても仙台の教会へ向かいたいと、彼らは事前にリクエストしてきたのである。

会場となった教会は、決して大きなキャパではなかった。しかし、そこには私たちを心から歓迎してくれる真心に満ちたおもてなしの数々が供えられていたのである。まず、何といっても食事だった。

仙台市は確かに復興しつつあるとはいえ、まだまだ食事にはいろいろと制限が加えられていた。そんな中であるにもかかわらず、教会の方々は一生懸命に料理を準備してくれたのである。お寿司屋、サンドイッチ、そしてカレーライス・・・。豪華なホテルの食事ではないが、それ以上に価値のあるおもてなしを受けた彼らは、そのお礼として心を込めてゴスペルを歌った。

その歌声は、集まったすべての方の心を打った。私たちをお迎えしてくれた牧師先生はもちろんのこと、高齢で自身の生活も今後どうなるか分からないと語っていた教会員の方々も、手を打ち、時には手を挙げて彼らと共に主を賛美してくれたのである。

そして次の日、私たちが仙台にやってきた最大の目的、仙台ジャズ・フェスティバルがいよいよ開幕となったのである。

<<前回へ     次回へ>>

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:青木保憲
  • ツイート

関連記事

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(12)大盛況!復興支援コンサート 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(11)本格的なゴスペルクワイア来日! 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(10)教会音楽とゴスペルの素敵な関係 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(9)モリースの葬儀と南部人の死生観 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(8)モリースのお母様との出会い 青木保憲

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • Gゼロ時代の津波石碑(4)芥川を自死に至らしめた「ぼんやりした不安」と2つの遺書 山崎純二

  • 見捨てない神 穂森幸一

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(226)葬儀文化を受け継ぎ、教会がエンディングを支える時代が来る 広田信也

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 初めの愛に戻りなさい 佐々木満男

  • 第一のことを第一にする人生の祝福 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(7月11日):アルファ・コース、過去最高の参加者―数百万の人々が求道

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 紛争地の宗教者らが参加、第3回東京平和円卓会議 赦しの重要性、即時停戦など呼びかけ

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • 中国・臨汾で2つの「家の教会」の牧師や信者らに有罪判決 最大拘禁9年2カ月

  • 初めの愛に戻りなさい 佐々木満男

  • 米テキサス州洪水、死者100人超える キリスト教サマーキャンプ参加の少女ら多数犠牲

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 学校法人聖学院、新理事長に田村綾子氏

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(8)「建物の話」 三谷和司

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • 約3年ぶりに死刑執行、日本カトリック司教協議会社会司教委員会と矯風会が抗議

  • 聖書から事実を引き出す学び「IBS」を分かりやすく説明する講座 7月12日から

  • 紛争地の宗教者らが参加、第3回東京平和円卓会議 赦しの重要性、即時停戦など呼びかけ

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.