Skip to main content
2026年1月29日23時12分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ナッシュビルからの愛に触れられて

ナッシュビルからの愛に触れられて(9)モリースの葬儀と南部人の死生観 青木保憲

2017年9月12日06時37分 コラムニスト : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:青木保憲
ナッシュビルからの愛に触れられて(9)モリースの葬儀と南部人の死生観 青木保憲+
白い服装の遺族たち

モリース・カーターの葬儀は次の日曜と決まった。それまでの5日間、私は5月に日本へ来日してくれた方々と共にナッシュビル観光を楽しむことになった。楽しむ、といってもやはり心の中には悲しみがあり、ウキウキとした観光気分にはなれなかった。とはいえ、いろんな面白い場所をナッシュビル近郊に発見することができた。

1つは、ナッシュビル中心街にある大きなコンサートホール。名前はブリヂストン・アリーナ。名前からも分かるように日本のタイヤメーカー、ブリヂストンが出資して建設された巨大ホールである。

もう1つは、少し郊外から離れたところにある「ラブレス・カフェ」というレストラン。これは今でも私のお気に入りの1つとなっているレストランである。南部の朝食(チキン、スクランブルエッグ、カリカリベーコン、ビスケットとフルーツ)を昼夜問わず提供しているお店で、多くの有名人、スターもここには訪れているようだ。

さて、そんな最新のホールから人里離れたところにあるレストランまで、ナッシュビルを少しずつ理解し始めた私であったが、葬儀が近づくにつれてだんだんと緊張が高まってきた。というのは、ゲストの1人としていわゆる「弔辞」を述べることを仰せつかったからである。しかも英語で(笑)。

毎晩、電子辞書を片手に本文を作成し、それを直すという作業にいそしんだ。最後にクリストファーに添削を受けた。かなり大幅な訂正がなされていたので、うれしいやら悲しいやら・・・。葬儀を前に、私の感情もよく分からない状況に陥っていたのだと、今だから思う。

そして日曜日の礼拝後、いよいよモリースの葬儀が行われることとなった。考えてみると、外国の葬儀なんて生まれて初めてである。よく映画中では目にするが、果たしてどんなものだろうか? そんなちょっとした興味も湧いていた。

まずびっくりしたのは、葬儀に参列するモリースの家族たちの服装であった。皆、真っ白である。私たち日本人の常識からは考えられない。しかも皆、モリースの写真がスクリーンに映し出されると、手を叩いたり、笑い声が起こったりした。

さらに追悼の歌が始まると、私は「ここは本当に葬儀なのか?」という思いに襲われた。なぜなら、アップテンポなビートに溢れたブラックゴスペルが数曲奏でられ、それに合わせて皆が立ち上がり、手を打ち鳴らしながら踊り出したのである。

モリースのためにということで結成された合同のクワイアが、ステージの背景に所狭しと居並んでいた。彼らもまたこのサウンドに合わせて思い思いに踊り出し、歓声を上げていた。その様子はこちらの動画から。

そして、司式者の合図で皆が椅子に座り、こちらは結構重々しい口調で式辞が述べられ始めた。その中の文言を聴き、私は先ほどの光景を納得できた。司式者であるダン牧師はこう語られた。

「私たちは確かに一時的な悲しみに包まれています。敬愛するモリースにこの地で出会うことはできません。しかし彼は今、主と共に天に居ます。彼の人生が完成したのです。ですから、悲しみのひとときであると同時に、実は喜びの時でもあるのです」

そう思って葬儀のタイトルを見ると、こう掲げられていた。「The homecoming celebration of Maurice Carter(モリース・カーター氏の天への凱旋を祝うひととき)」

私たち日本人クリスチャンも、同じようなことを語ることがある。「天へ凱旋しました」と牧師は説教する。しかし、やはりどうしてもしめやかな、暗く悲しみ色に満ちた式典になりがちである。一方、米国南部の葬儀は、まさに祝祭(celebration)であった。それは、白い衣装で天国のイメージを身にまとった遺族たちの様子からも十分つかみ取ることができた。

私の弔辞も、自然と華やかな「説教」へと変貌した。決して笑いを取るはずのない箇所で、モリースの日本での行状について語ると、まず遺族から大きな笑い声が生まれ、やがて会場全体が爆笑の渦に巻き込まれていった。こんなに晴れやかですがすがしい葬儀は生まれて初めてであった。私の弔辞(説教)は、次の聖書の言葉で閉じられた。

「はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ」(ヨハネによる福音書12章24節)

その後、さらに大きな衝撃が私を待っていた。それは、モリースの亡骸を埋葬することであった。教会から棺が運び出され、そのまま教会墓地へと車で運ばれるのだという。

「え!焼かないの?」。これが私の最初に抱いた感想である。そう、米国は土葬が基本なのだ。

墓場に着くと、大きなクレーンがすでに設置されていて、そのアームが彼の亡骸をしっかりとつかむ。そしてゆっくり、ゆっくりと掘られた穴に棺が入れられていくのであった。この瞬間、今まで笑顔を絶やさなかった遺族の中からおえつや祈りの声が大きく聞こえてきた。私も思わず涙したし、主に祈った。

司式のダン牧師がアカペラで歌い出す。それに合わせて、皆が自然にハモりをつけて歌い出すところなど、ちょっとかっこよすぎるが、いずれにせよ米国式の葬儀を初めて体験し、私は大いに感銘を受けることとなった。

ナッシュビルからの愛に触れられて(9)モリースの葬儀と南部人の死生観 青木保憲
埋葬の様子

日本のために、1粒の麦となったモリース。彼の死は確かに悲しく、そして大きな衝撃を私たちに、またクライストチャーチに与えた。だが、それは単なる悲劇ではなかった。彼の死を通して、その後多くの実を結ぶ出来事が日本で生まれてきたからである。そのことは、またあらためて紹介することにしよう。

ここで少し蛇足を。葬儀の様子は、地元のテレビでも放映されていたらしく、多くのナッシュビル市民がこの様子を見ていたようである。次の日、私が何気なく「ターゲット」へショッピングに行くと、レジのお姉さんがいきなり「オゥ!」と叫び出すではないか。私は一瞬何が起こったか分からず、その場に固まっていると、彼女がこう尋ねてきた。

「あなたは、昨日のモリースの葬儀で面白いジョークを飛ばした日本の牧師さんですか?」。いえ、別にウケを狙ったわけではないのですが・・・。

一躍、私はナッシュビル市内で一番有名な日本人になってしまったようである(笑)。

<<前回へ     次回へ>>

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:青木保憲
  • ツイート

関連記事

  • 分断化する米国 ナッシュビルで聞いた南部人の生の声 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(8)モリースのお母様との出会い 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(7)インチョン空港での奇跡、そして再びナッシュビルへ 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(6)仙台でのコンサートを終えて 青木保憲

  • ナッシュビルからの愛に触れられて(5)from gospel to Gospel 青木保憲

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • AIに心を持たせることは可能なのか クリスチャンの東京科学大学名誉教授が解説

  • 聖書原語への招き―霊に燃え、主に仕えるために(1)霊に燃える 白畑司

  • 衆院選で外国人敵視拡大に懸念、外キ協など11団体が共同声明「排外主義の扇動に反対」

  • 聖書のイエス(27)「イエスはパンを取り、感謝をささげ」 さとうまさこ

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(20)言葉と愚かさ 臼田宣弘

  • UFOと終末預言がテーマ クリスチャン映画「未確認」「収穫の終わり」が日本語字幕化

  • 英宣教学者「2026年は記憶する限り最も霊的に開かれた年になる」

  • 核兵器禁止条約発効から5年、日米のカトリック教区が関わるパートナーシップが声明

  • シリア語の世界(42)シリア正教会の典礼②典礼の祈り(その2) 川口一彦

  • ワールドミッションレポート(1月29日):メキシコのマトラツィンカ・アツィンゴ族のために祈ろう

  • 「ひふみん」で親しまれた加藤一二三氏死去、86歳 カトリックの将棋棋士

  • 英宣教学者「2026年は記憶する限り最も霊的に開かれた年になる」

  • UFOと終末預言がテーマ クリスチャン映画「未確認」「収穫の終わり」が日本語字幕化

  • 「罪のない最も弱い存在を殺す行為」 中絶反対を訴え行進、マーチ・フォー・ライフ

  • AIに心を持たせることは可能なのか クリスチャンの東京科学大学名誉教授が解説

  • ダビデの幕屋の建て直しを 東京・御茶ノ水キングダム祈祷会、1月31日からスタート

  • お薦めのボンヘッファー入門書3冊 映画を観て興味を持った人のために

  • 「われわれは暗闇の中にいる」 抗議デモの拡大に伴うイラン人キリスト教徒の恐怖と孤立

  • 無料オンライン講座「キリストの基礎知識コース」第11期受講者募集 2月14日開講

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(240)一神教と多神教の違いを軽率に扱いたくない 広田信也

  • いのちのことば社、元職員の不適切な会計処理巡る質問・意見への回答を公表

  • 米福音派の著名作家、フィリップ・ヤンシー氏が不倫を告白 執筆・講演活動から引退

  • 「ひふみん」で親しまれた加藤一二三氏死去、86歳 カトリックの将棋棋士

  • 米のベネズエラ攻撃・大統領拘束に対する現地の福音派キリスト者の反応

  • ドニー・マクラーキン牧師の件で日本の皆さんに伝えたいこと

  • 「信徒の友」「こころの友」などが休刊へ、日本キリスト教団出版局の事業整理・縮小で

  • 世界最悪は北朝鮮、死者が最も多いのはナイジェリア 迫害国50カ国まとめた報告書発表

  • 英ポルノ女優リリー・フィリップスさんが受洗 心からの回心?売名行為? 真意巡り議論

  • 無料オンライン講座「キリストの基礎知識コース」第11期受講者募集 2月14日開講

  • 日本聖書神学校、2026年度から「基礎科」新設

編集部のおすすめ

  • 世界最悪は北朝鮮、死者が最も多いのはナイジェリア 迫害国50カ国まとめた報告書発表

  • 上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開

  • 給食で子どもたちに笑顔と教育の機会を 最貧国マラウイを支援する「せいぼじゃぱん」

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.