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ナッシュビルからの愛に触れられて

ナッシュビルからの愛に触れられて(7)インチョン空港での奇跡、そして再びナッシュビルへ 青木保憲

2017年8月22日06時32分 コラムニスト : 青木保憲
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関連タグ:青木保憲
ナッシュビルからの愛に触れられて(7)インチョン空港での奇跡、そして再びナッシュビルへ 青木保憲+
筆者と出会ったときのモリース・カーター

「モリースが亡くなった――」。教会のメンバーがシェアしてくれたその内容に、私はしばし息を吸うことすらできなかった。韓国の汝矣島(ヨイド)市内のホテルで、私は同僚の牧師と共にこの報を受けた。朝、午前中からの研修に備えてシャワーに入ろうとしていた矢先、この連絡が入ってきたのであった。

私は早速ナッシュビルのクリストファーに連絡した。国際電話であったが、そんなことを気にしている暇はなかった。彼はすぐに電話に出て、手短に状況を話してくれた。

モリースは車を運転していて、自身の心臓がおかしいことに気付いたのだろう。車を脇に止め、そこから這い出すようにして倒れていたという。外傷はなく、金品も盗られていない。地元メディアは彼の死を悼み、特集を組むことになっているらしい。

このことを聞いて、あらためて私は「とんでもないことが起こった」ことを理解した。単に人が1人亡くなったのではなく、地元の有名シンガーが突然他界したことで、現地に激震が走っているのだった。

私は同僚牧師と相談し、急きょナッシュビルへ行くことを決めた。幸いスーツケースには着替えが3、4日分ある。しかもパスポートも持っている。お金は同僚牧師から少し借りたが、クレジットカードがあれば、あとで何とかなる。「よし、行こう!」。私の体内にカッと熱いものが込み上げてきた。とにかく行かなければ。何としても行くのだ!

タクシーに乗り込んだ私は、「仁川(インチョン)空港へ!」と叫んだ。あまりの大声にタクシーの運転手はびっくりしていたことを今でも覚えている。しかし、そんな大声を出さないと、この恐怖と不安は容易に私の心を支配してしまいそうで、実に心細かった。

タクシーに乗ること30分くらい。昨日降り立った仁川空港に数時間ぶりにまた戻ってきた。空港内に入ると、早速アメリカの航空会社を探した。デルタ、アメリカン、ユナイテッド・・・。行ってみてあることに気付いた。おかしい・・・当日受付カウンターがどこも空いている。異様に空いているのだ。

しかし、そんなことに構ってはいられない。私は初めにデルタ航空のカウンターに飛び込んだ。そして「ナッシュビルまで行きたいのですが」と尋ねた。すると受付のお姉さんから、片言の日本語で「今日は、お休みです」と返答があった。

「お休み?どういうこと?」と聞き返すと、実は今日は国民の休日で、予約の受付しかしていないということだったのである。それで当日受付のカウンターが閉まっていて、人がほとんどいなかったのであった。

つまり、事前に予約した人でごった返す一方、そんな休日にいきなりチケットを求めても、チケットを入手することはほとんど不可能だということが分かってきたのである。

私は焦った。やはり慌て過ぎたのだろうか? もう1日待てば、当日カウンターは開くらしい。しかし、私にはそんな余裕はなかった。すでにホテルはキャンセルしているし、仲間とも別れ、1人でいるのだから。

ナッシュビルからの愛に触れられて(7)インチョン空港での奇跡、そして再びナッシュビルへ 青木保憲
モリース失踪を知らせる掲示

とりあえず、頼み込んでユナイテッドのカウンターで当日チケットを探してもらった。すると「1枚だけありますが・・・」となんだか歯切れが悪い。どんなチケットでもいいから購入したいと言うと、ビジネスクラスで、しかも70万円だと言うではないか。

あかん。それはあまりにも法外である。私はがっくりして、その場を後にした。それからどこをどう移動したか分からない。気が付くと、見慣れた日本の航空会社のマークが並ぶエリアに来ていた。しかし、ここはチケットカウンターではなく、それぞれの航空会社のオフィスのようだった。

動揺していた私は、とりあえずJALの扉を開けた。そして「すみません、助けてください」と声を掛けた。ほどなくして中から韓国人の男性が出てきた。日本語はできるらしい。その方に事情を説明し、どうしてもナッシュビルへ行かなければならないのだ、と伝えた。

すると、彼はしばらく考えてから、こう言った。「私の友人がディスカウントチケットの販売をやっています。ちょっと聞いてみましょう」

何と彼は、日本航空の現地職員であるにもかかわらず、友人に連絡を入れ、ユナイテッドの格安チケットを手配してくれたのであった。電話を終えた彼は、1枚の紙を差し出し、「この空港の地下へ行ってください。ココ(地図に〇がつけてあった)に友人の会社があります。彼は店を開けて待っていてくれますから」と語り掛けてくれたのであった。

私はこのことを思い出すと、今でも涙が出てくる。神様に助けていただいたと同時に、この親切な彼の取り計らいに救われたのである。地図の通りに向かうと、果たして小さなお店の扉が半開きになっていた。私は恐る恐る中に入っていった。すると、1人の女性が待っていてくれた。「アオキさん?」と向こうから声を掛けてくれたのである。私は「YES、YES!」と大声で答えていた。

彼女が手配してくれた切符は、その日の夕方に韓国を発ち、21時間後にナッシュビルへ到着するルートであった。値段は18万円!確かに安い! 私はクレジットカードを手渡し、安堵(あんど)の溜息をついた。

同時にふと独り言がこぼれてきた。「主よ、あなたは私をどこへ向かわせたいのですか?」

ほんの数時間前まで、今日はヨイド純福音教会で牧師研修を受けるものと思っていた。今日のお昼は韓国料理かな?なんて浅ましい思いすら抱いていた。しかし、今はどうだろう。地球の反対側へ、今から20時間以上かけて向かおうとしている。

その時、私は自分が洗濯機の中に頭を突っ込んでぐるぐると回されているような、そんな感覚があった。何か自分とは異なる大いなる力に促されるようにして導かれている感覚である。私の韓国研修は、いつしかナッシュビルへの渡航に変えられていたのである。

早速クリストファーに連絡し、次の日の午後11時にナッシュビルへ着くことを告げた。彼もそれを聞き、驚きと同時に涙声になっていたことを今でも覚えている。

それから21時間後、私は確かに米国ナッシュビルの国際空港に降り立っていたのである。その時、実感を持って理解したことがある。それは「モリースは本当に亡くなったのだ」ということである。悲しみが一気に突き上げてきた。そして・・・(つづく)

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◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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