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脳性麻痺と共に生きるリオ五輪

脳性麻痺と共に生きる(18)障碍者は違う世界なの?パラリンピックと「バリバラ」から考える 有田憲一郎

2016年10月17日17時20分 コラムニスト : 有田憲一郎
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関連タグ:障がいリオデジャネイロオリンピック(2016年)

パラリンピックを見ながら

今回のパラリンピックは、特に面白いと感じています。それは、前回までに比べ、パラリンピックがテレビで放送される回数が増えたこともあると思います。

BSも含めると、NHKで1時間程度の番組の放送が1日4、5回組まれていました。全部の放送を見ていたわけではありませんが、「今回は随分力を入れて放送してくれているな」と自然とうれしく、「民放でもやってくれたらいいのに」と思ってしまいます。

パラリンピック期間中の僕は、仕事をしていても時計をチラチラ見てしまい、時間になると「さて、ちょっと休憩しよう」と、自然に仕事の手を休め、テレビの前にかじりついて応援していました。

しかし、前回のパラリンピックまでは、ここまで執着したように「見たい」という気持ちは薄かったように思います。「見逃してもいいか」、そんな程度でした。それは、少しの時間しか放送されていなかったからかもしれません。

当時、テレビのチャンネルを変えるのも一苦労だった僕は、放送時間も気にせず、たまたま時計に目がいき「やばい!パラリンピック、やってるじゃん」と急いでチャンネルを変えては見ていました。

障碍(しょうがい)者が行うスポーツの祭典という以前に、スポーツそのものが好きでもあります。そこには、ハンディを乗り越えて懸命に立ち向かい、限界と戦っている姿があり、感動と感銘を受けます。

出場する選手の中には、「何でオリンピックじゃなくて、パラリンピックなんだ」という思いを持っている方もいると聞いたことがあります。軽度障碍の方の中には、気持ちの中では自分を障碍者とは思っておらず「オリンピックで戦いたい」、そう思う方もおられるようです。

日常生活や社会の中では健常者と同じように働き、活躍されておられる方々の中には、頭では分かっていても、気持ちや心のどこかで「スポーツの世界では障碍者としてパラリンピックに出場する現実と向き合わなければいけないんだ」と自分と葛藤しながら、大きな世界の舞台を目指して戦っている方もおられるかもしれません。

障碍をテーマにしたテレビ番組を見て思うこと

前回のコラムの中で、ほとんどのテレビ番組は健常者中心で作られているということを書きました。しかし、それらの番組は障碍の有無に関係なく、誰もが同じように見て笑い、泣き、感動し、楽しんでいます。映画や舞台、ステージなどでも同じです。

エンターテインメントは、好きなものであれば、障碍があろうがなかろうが、誰もが一緒に、同じように楽しむことのできる素晴らしいものだと思います。そこには、障碍者や健常者という見えない壁などないのです。

ほとんどのテレビ番組が健常者の目線で作られている中で、NHKのEテレで週1回放送されている障碍者のための情報バラエティー番組「バリバラ」をご存じでしょうか。

障碍者が主役で、その目線で障碍を抱えた方々の生活や人権、差別や社会生活の現実などをテーマごとに取り上げ、社会への理解を深めながら、障碍者自身がバラエティーにも挑戦している30分の情報番組です。健常といわれている方も多く見ていらっしゃるのかもしれません。そこにはさまざまな考え方があり、賛否両論もあるようです。

僕は、この番組を何回か見たことがあります。ただ、自分で好んで見ていたわけではないのですが・・・。僕自身は個人的に、この手の番組自体あまり好きではありません。むしろ、嫌いで見たくない番組です。

「バリバラ」を見ながら思ったのは、「何で障碍者のためのなの?」ということ。そのような文言を入れることにまず抵抗を覚えてしまい、否定的になってしまいます。見るか見ないかは別にして、「民放で普段の番組にしてもいいのではないか」とも思います。

例えば、ドラマで自然に障碍を持った役者さんが出てきてもいいし、バラエティー番組で障碍を持った芸人さんが出て、その中で、障碍のことを理解していけるようなちょっとしたことを取り入れていく番組が「理想」だろうと、僕は思っています。

僕自身、子どもの頃から青年期にかけて、思い出したくもなく、忘れることもできない苦い経験を数多くしてきました。「毎日が地獄だ」、そう感じていた時期もありました。詳しくはあらためて「書けたらいいかな」と思いながらも、その苦くてつらい経験は、まだ誰にも話したことがなく、いまだに思い出すだけで気分が悪くなってしまいます。

そのつらい経験が今でもトラウマになってしまっているのでしょうか。僕は福祉というものが嫌いで、障碍者や健常者という言葉自体好きではなく、抵抗を感じている人間です。

こうして文章を書くときや講演などで話をするとき、僕は分かりやすいように障碍者とか健常者という言葉を使い表現しています。このような言葉を使いながら、自分に問い掛けるように「本当にこの表現でいいのだろうか」と思ってしまいます。僕は、いつもそのような言葉にちょっとした違和感を覚えてしまいます。それは、僕自身があまり使いたくない言葉であり、好きではない言葉だからです。

僕は身体障碍者なので、誰が見てもすぐに障碍者と分かり、障碍者としてしか見てもらえない社会の現実があります。「障碍があるから、何も分からないだろう。何も理解できないだろう。何もできないだろう」。頭ごなしに、そのように思われてしまいます。

また、見た目は健常でも、見えない障碍を持たれている方もいます。彼らは外見では分からずに、社会には理解されず、誤解や偏見などを受けて苦しんでいます。

こうした誤解や偏見は、どこから生まれるのでしょうか。それは全て、社会が生み出した固定観念から始まっていると思います。健常者といわれている、不自由なく暮らして活躍しておられる方々の姿を基準に、忙しく当たり前のように社会が動いている現実があります。そんな社会に付いていくことが難しい方や障碍者は、社会から理解されず、後回しのように考えられているような生きづらさを感じて生活しています。

そういった中で僕が思うのは、何をもって障碍者と言い、何をもって健常者と言うのかということです。確かに僕は、体に障碍があります。しかし、体が不自由な以外は健常者と何も変わらないのです。

街を歩いて周りを見渡してみると、意外と多くの方がメガネやコンタクトレンズを使われていることに気付きます。中には、オシャレで伊達(だて)メガネの人もいるでしょうが、ほとんどの方は目が悪いためにメガネで自分の視力を補強されているのではないでしょうか。

もし、そんな人がメガネをなくしたり、壊れて使えないでいたらどうでしょう。普段の日常生活を送ることや仕事や勉強、遊ぶことにも不便と不自由さを強いられると思います。そう考えてみると、メガネを使っている人も障碍者なのかもしれません。しかし、その方々のことを誰も障碍者だと認識していませんし、本人も障碍者だとは思っていないでしょう。

例えば、失礼なことは承知で、メガネを使っている人に「あなたは障碍者ですか」などと聞いたとします。実際にそんなことを聞く人もいませんが、聞かれた方はどんな気持ちになるでしょう。おそらく、何かしらの怒りや感情を覚え、また不愉快な思いをされる方もいて、決して誰1人いい思いはされないだろうと思います。

しかし、何だか不思議だと思いませんか? きっと、メガネを使っている人が多くいて、日常生活や社会の中で普通になっているからではないでしょうか。僕は、本当の健常者はいないと思っています。いくら健常な方でも、心や見えない体のどこかに何かしらの弱さや欠点を抱えながら、互いに生きているのではないかと思います。

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◇

有田憲一郎

有田憲一郎

(ありた・けんいちろう)

1971年東京生まれ。72年脳性麻痺(まひ)と診断される。89年東京都立大泉養護学校高等部卒業。画家はらみちを氏との出会いで絵心を学び、カメラに魅力を感じ独学で写真も始める。タイプアートコンテスト東京都知事賞受賞(83年)、東京都障害者総合美術展写真の部入選(93年)。個展、写真展を仙台や東京などで開催し、2004年にはバングラデシュで障碍(しょうがい)を持つ仲間と共に展示会も開催した。05年に芸術・創作活動の場として「Zinno Art Design」設立。これまでにバングラデシュを4回訪問している。そこでテゼに出会い、最近のテゼ・アジア大会(インド07年・フィリピン10年・韓国13年)には毎回参加している。日本基督教団東北教区センター「エマオ」内の仙台青年学生センターでクラス「共に生きる~オアシス有田~」を担当(10〜14年)。著書に『有田憲一郎バングラデシュ夢紀行』(10年、自主出版)。月刊誌『スピリチュアリティー』(11年9・10月号、一麦出版社)で連載を執筆。15年から東京在住。フェイスブックやブログ「アリタワールド」でもメッセージを発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:障がいリオデジャネイロオリンピック(2016年)
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