EU離脱決定後に英国で人種差別激増、英カトリック教会トップが懸念

2016年7月1日13時57分 印刷
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ウェストミンスター大司教ビンセント・ニコルス枢機卿(写真:イングランド・ウェールズカトリック司教協議会)

英国のカトリック教会のトップであるビンセント・ニコルス枢機卿は、欧州連合(EU)からの離脱が決まった英国民に、共通の目的を持つよう呼び掛けると同時に、国民投票後に人種差別が高まっていることへ懸念を示した。

ニコルス氏は特に、ロンドン西部のハマースミスにあるポーランドセンターに書かれた人種差別的な落書きと、イングランド北部の都市ニューカッスルにおける抗議運動を指摘した。同センターには「人種差別的な動機による」落書きが書かれ、ニューカッスルでは「移民をやめて、国へ帰れ」というプラカードを掲げた抗議運動が行われた。

ウェストミンスター大司教で、イングランド・ウェールズカトリック司教協議会の会長であるニコルス氏は、「人種差別の急激な高まり」は「たやすく受け入れられるものではない」とし、見過ごされてはならないと述べた。

ニコルス氏はまた、「われわれの基本的な目的感覚をもう一度捉え直す」という重要な務めがあると語った。英国は「われわれが生活する範囲」を明確にする必要があると述べ、それなしには英国は身動きが取れなくなり、さらに分裂することになると警告した。

「恐らくわれわれが見失ったのは、その目的感覚である。われわれは、政治の目的は力の操作であり、ビジネスの目的は単純に一部の人々のために利益を生み出すことだと信じるようになった。この挑戦はしばらくの間、われわれと共にあった」

「われわれの目的は、公共の利益、すなわち、誰も排除されない、全ての者たちのための利益でなければならない。われわれの政治家たちは彼らの問題を扱わねばならない。ビジネスマンと銀行も彼らの問題を。しかし根本的な目的は、その中で強さが奉仕のために用いられ、誰も排除されない、そういう世界を建設することである」

ニコルス氏は投票前、EU離脱に強硬に反対し、英国のEU離脱は「もっと複雑な問題」をつくり出すだろうと警告していた。

ニコルス氏は投票運動の期間中に、「キリスト教、特にカトリック教会の中には、物事をつなぎ合わせるものを信じる長い伝統がある。そのため、カトリック教会はEUのような努力を支持する立場にある」と述べていた。

しかし投票が終わった後、ニコルス氏は一致を呼び掛け、全ての指導者たちは「人々に聴くことと、意見を言う機会がないと感じる人々に発言のチャンスを与えることに失敗した」と述べ、反省するが必要があると語っている。

「今、国民を導く者たちへの大きな挑戦は、自分と同じ立場に立つ人々のためばかりではなく、あらゆる人々のために語ることである。もし投票における離脱派の勝利が分裂を生み出し続けるなら、われわれは1つの国民としてもっと弱くなってゆくし、国際的な場で、さらに大きく困難な世界の諸問題への取り組みに貢献することはないだろう」

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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