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安倍政権・日本国憲法・キリスト教

【インタビュー】クリスチャン政治学者・千葉眞ICU特任教授(3):内村鑑三の信仰とナショナリズム①

2015年4月15日12時05分 インタビュアー : 行本尚史
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関連タグ:千葉眞国際基督教大学(ICU)内村鑑三ナショナリズム矢内原忠雄南原繁

――昨年12月のシンポジウムのテーマは、「ナショナリズムを超えて?―アジアにおける平和構築と宗教―」でしたが、その約3カ月前に今井館聖書講堂で行われた第36回内村鑑三研究会では、内村鑑三の信仰とナショナリズムについての研究が報告され、千葉先生はその司会を務めておられました(関連記事)。千葉先生は、「二つのJ(イエスと日本)」「日本的キリスト教」を主張した内村鑑三の信仰とナショナリズムについて、アジアにおける平和構築と宗教との関連で、どのようにお考えでしょうか?

千葉氏:ナショナリズムの問題について、(台湾国立高雄第一科技大学助理教授の)赤江(達也)さんの本ですが、『「紙上の教会」と日本の近代―無教会キリスト教の歴史社会学』(岩波書店、2013年)という、なかなかすごい本で、いい本があります。内村鑑三と無教会を扱った本ですが、しかも社会科学的に非常に鋭い指摘がたくさんあり、私も学ばせてもらいました。

赤江さんは、内村もそうだし、とりわけ矢内原と南原を取り上げて、無教会のキリスト教精神の中にキリスト教ナショナリズムがあるというように指摘したのです。私はすごく当たっているものがあると思いながら読みました。

まず、内村の中に「2つのJ」という思想がありました。1900年から彼が主筆で30年間書いた『聖書之研究』という雑誌があります。その中の表紙の標語が、「Pro Christo et Patria」(基督の爲〈た〉め國〈くに〉の爲め)なんです。「國の爲め」というのが、キリスト教宣教にも聖書研究にも入ってきている。

それから内村だけではなくて二世代目の多くの方々も、三谷隆正とかいろんな人たちを含めて、日本的キリスト教の模索ということを言いましたし、キリスト教ナショナリズムというようなものが、やはりあるのではないかというのは、その通りだと思います。

赤江さんは、キリスト教ナショナリズムの議論は問題があるのではないかと言うわけです。結局、キリスト教の宣教が、キリスト教ナショナリズムの言説に取り込まれてしまう傾向があるのではないかと。例えば、矢内原忠雄の場合には、第二次大戦中に戦時抵抗しましたし、盧溝橋事件の直後、「国家の理想」という論文を『中央公論』(1937年9月号、1960年11月号に再録)に書きました。軍国主義への抵抗者というイメージが広まっています。

だけど、矢内原の場合にも、戦時中に「真なる全体主義」という議論をしています。本物の全体主義とは何かと。ナチスに対抗して、ある種の真なる全体主義という議論があると。確かにあるのです。これは評判が悪いのですが、ナチスの全体主義は偽りだと語っていて、それを批判しながら、しかし日本の場合も、個人主義ではいけないというわけです。それから利己主義でもダメだと。やはり一種の全体論が大事だと。全体主義という言葉がちょっと不幸ですが、彼が言おうとしたのは、真なる全体論で、日本は一つのかたまりを持った全体として、そこに統一や連帯感があるというのを彼は理想にしたみたいです。

でもやはり、戦時中の議論の中に皇室が中心にあります。天皇制ファシズムの次元で、軍国主義に取り入れられるときには、天皇制には批判的ですが、しかし、皇室をそのまま皇室として見たときには、意外に sympathetic(共感的)な議論をしています。ですから、これで赤江さんが、危ういぞということを言っているのです。

それから、南原繁もやはり民族共同体という言葉を使っています。これは大事だと。戦後もそうですね。民族共同体の重要さ、これは一面では内村から来ているのですが、しかし同時に、彼らが「教育勅語」を正面から受けたという青少年期を送っているのです。忠君愛国思想と国体思想。そのようなものが、彼らがクリスチャンになる前からすでに精神構造の奥底に沈殿しているという問題なのです。

ですから、二重のアイデンティティーというのでしょうか。日本人的なるもののアイデンティティーの追究と、非常に真面目な、真剣な日本人ですから、それと同時にキリスト者になってからのキリスト者としてのアイデンティティーとの間に、緊張というか、それを彼らは両方とも強調しようとした。天皇制的なメンタリティーとクリスチャンとしてのメンタリティーが同居していた面がある。

これは実は矢内原や南原だけではなく、当時の同世代の内村鑑三の二世代目といわれる人たち、塚本虎二や黒崎幸吉、三谷隆正、金澤常雄たちにも見られます。私はその問題を、もう少し古い論文ですが、『内村鑑三研究』(キリスト教図書出版社)の第40号(2007年)で、「非戦論と天皇制問題をめぐる一試論」というのを書きました。戦時下の無教会陣営の対応というので、二世代目を中心にどうだったかを書きました。土肥昭夫先生が編集された『十五年戦争期の天皇制とキリスト教』(新教出版社、2007年)という本の第13章(千葉眞「15年戦争期の無教会」)では、この半分ぐらいの分量しか書かせてもらわなかったのですが、これには全部載っています。ここで、私はそのことを少し指摘しました。

しかし、不思議なことに、矢内原・南原よりも5歳から10歳年下の内村のお弟子さんたちがいるのです。今言った人たちに比べればあまり有名ではありません。例えば、石原兵氷という人、それから伊藤祐之(ゆうし)という人、政池仁(めぐむ)、鈴木弼美(すけよし)、藤澤武義という人がいましたが、この人たちは天皇制的価値観への批判的な態度を厳しく堅持しました。それからそのまた10年後になりますと、大塚久雄とか関根正雄、高橋三郎たちが出てきます。彼らは天皇制に対して非常に注意深く批判の方に立ちます。

分水嶺が二世代目の真ん中あたりにあって、時代的な制約を感じます。この4〜5年の差で、天皇制への態度が全然違ってくるのです。(続く:内村鑑三の信仰とナショナリズム②)

◼︎ 千葉眞ICU特任教授インタビュー:(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)

関連タグ:千葉眞国際基督教大学(ICU)内村鑑三ナショナリズム矢内原忠雄南原繁
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