Skip to main content
2025年11月22日14時12分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 教育

「内村鑑三の信仰とナショナリズム」テーマに 第36回内村鑑三研究会

2014年9月27日11時04分
  • ツイート
印刷
関連タグ:内村鑑三近藤勝彦柳父圀近東京神学大学東北大学ナショナリズム
「内村鑑三の信仰とナショナリズム」テーマに 第36回内村鑑三研究会+
講演に耳を傾ける参加者たち=15日、今井館聖書講堂(東京都目黒区)で

昨年の台風で延期となっていた第36回内村鑑三研究会(『内村鑑三研究』編集委員会主催)が15日、東京都目黒区の今井館聖書講堂で開かれ、関係者ら約80人が参加した。東京神学大学の近藤勝彦前学長、東北大学の柳父圀近(やぎう・くにちか)名誉教授が「内村鑑三の信仰とナショナリズム」をテーマに、それぞれの研究を報告した。

近藤氏は、「内村鑑三についての二つの疑問―日本人とキリスト教をめぐって」と題して報告し、内村の「二つのJ」の表現と「日本的キリスト教」の主張について、それぞれの問題点を指摘した。

「二つのJ」については、内村の墓碑銘「I for Japan:Japan for the World;The World for Christ;And All for God.」と比較し、「価値的序列でなく、二つの価値、二つの忠誠対象が『並列』に位置していることを表している」と主張。「このことは、内村の中に『イエス・キリスト』と『日本』をめぐって一種落ち着きのない状態、揺れる面があったと考えられるのではないか」と指摘し、「この点において揺れがあるとしたら、内村は自己のアイデンティティの根本に揺れを抱えていたことになる」などと論じた。

「日本的キリスト教」の主張については、「キリスト教の原理と国民的発展との相互作用や融合と言うと、それはすでに『純粋の基督教』の主張ではなくなっているのではないか」と指摘し、「一方の『純粋の基督教』や『純福音』の主張と、他方の国民的発展との相互作用や融合におけるキリスト教の主張との間に、ある意味での揺れがあるように思われる」と話した。

柳父氏は、「内村鑑三における信仰とナショナリズム―天皇制などをめぐって」と題して報告し、「二つのJ」に生きようとした内村の中で信仰とナショナリズムの関係はどうなっていたか、天皇制の問題に触れつつ論じた。

内村のナショナリズムについては、「なかなか簡単でない内容を持っている」とし、▽札幌時代、▽アメリカ時代、▽不敬事件と日清戦争の時期、▽日清戦争後から日露戦争前後まで、▽第一次大戦とその後、の5つの時期に分け、順を追って検討した。

「(内村のナショナリズムの)重要な特徴とその理論は、若き日のアメリカ体験の中で形成された」と主張。エレミヤ書の熟読による「世界史の神」の発見、アーマスト大学のアンソン・モース教授による歴史学講義での、「人類の歴史は『自由』の継起的な発達史」と見るヘーゲル的な歴史観との出会いを通して、「人類史的『天職』を与えられている『あるべき日本』への思い、つまり、『信仰的ナショナリズム』ないし『哲理的ナショナリズム』とでも呼ぶべき思想を得た」と語った。

内村は、アーマスト大学のシーリー総長の指導によって本格的な回心を経験したとほぼ同時に、日本人同胞への福音伝道の熱意が湧き起ってきたことを告白している。柳父氏は、「この体験は、彼の生涯の根本思想を形成する経験だった」とし、「同胞への伝道というモチーフは、内村のネーションへの愛の性格、中年以降いっそう鮮明になる、同胞への伝道とそれに根ざす、日本人の心に浸透しつくす日本的なキリスト教の形成への自分の使命という思想の形成とも、深い関わりを持つものだった」と語った。

近藤氏の指摘する「『イエス・キリスト』と『日本』をめぐる揺れ」については、「『日本』は彼の『愛人』ではありえても、『救い主』ではなかった」と述べ、自己のアイデンティティの根本に揺れはなかったとの見解を示した。「不敬事件」についても、「もし(救い主としてのイエス・キリストと出会う)回心の経験がなかったとしたら、最後の瞬間の決断をうながした絶対的な理由が、内村の魂のうちには欠けることになっていたのではないか」と話した。

内村は、「戦争も理性の手段たりうる」と見るヘーゲル流の考えに立ち、日清戦争を「『新にして小なる日本』に、神ないし『世界史の哲理』によって与えられた『天職』」と一時は肯定する。しかし、結局は利益だけを追求し、朝鮮民族と朝鮮半島はその犠牲になったと判断した内村は、ヘーゲル風の「哲理的ナショナリズム」の未熟さを猛反省することになる。

「『あるべき日本』を求める彼の『哲理的歴史観』は維持し、現在の日本を批判する預言者的な『非愛国的愛国心』を強めた」。その後は、薩長「藩閥政府」と、財閥化する政商・軍需資本、寄生地主の手動する「国家主義」体制を痛烈に批判。日露戦争では「非戦論」に転じ、好戦的なナショナリズムを批判した。「第一次大戦は、内村の『人類の文明の進歩』に対する信頼を打ち砕いた。ここに彼は、ヘーゲル風の『歴史哲学』の思弁を棄却し、決定的に『再臨信仰』に立った」。

天皇制については、「内村は、天皇の神格化が日本人の内面から国家を超越する良心を失わせてしまい、あらゆるものを腐敗させているとまで厳しく批判している」とし、「不敬事件以来の内村の一貫した理論」と語った。一方で、最晩年となる昭和3年(1928年)の資料では、皇室を「絶対的家父長制」と言い、天皇を「国父」と定義した事実を取り上げ、「その後の日本の急速なファシズム化が予感できないほどに、まだ昭和3年は大正デモクラシーの小春日和的な空気が残っていて、彼も油断していたということかもしれない」としつつも、「今から見れば、認識が甘すぎたことも否めない」と指摘した。

関連タグ:内村鑑三近藤勝彦柳父圀近東京神学大学東北大学ナショナリズム
  • ツイート

関連記事

  • グローバル化社会で宗教はどう対話し対応するか 同志社で日本宗教学会

  • クリスチャン憲法学者・稲正樹氏、「いま起こっていることを正確に認識して、それを押しとどめる行動を」(3)

  • クリスチャン憲法学者・深瀬忠一氏、安倍政権の「積極的平和主義」は「破滅的軍拡主義」に 時代は「国家の安全保障」から「人間の安全保障」へ(1)

  • 聖書をメガネに ジャーナリストとしての内村鑑三

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • チャーリー・カーク氏が殺害された大学で伝道集会、2100人以上が信仰を決心

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • ワールドミッションレポート(11月20日):サウジアラビア 閉ざされた王国に差し込む福音の光

  • 武装集団がカトリック神父の住居を襲撃、神父ら数人拉致し1人殺害 ナイジェリア

  • 聖書のイエス(22)良い牧者 さとうまさこ

  • シリア語の世界(37)辞書5・東方教会に関する用語 川口一彦

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • 主が導きと助け 菅野直基

  • オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 聖心女子大学で企画展「カトリックは日本社会の窓だった!」

  • チャーリー・カーク氏が殺害された大学で伝道集会、2100人以上が信仰を決心

  • 武装集団がカトリック神父の住居を襲撃、神父ら数人拉致し1人殺害 ナイジェリア

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • AIは福音宣教の未来をどのように形づくるか ローザンヌ運動が福音主義の視点で考察

  • Gゼロ時代の津波石碑(7)Y染色体アダムと自己を措定した力 山崎純二

  • ヒンズー民族主義者による迫害続くインド 宣教師のバス襲撃、キリスト教住民を村八分

  • オリンピックでメダル12個獲得の米競泳選手が受洗、離婚訴訟と依存症克服のさなかで

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 聖心女子大学で企画展「カトリックは日本社会の窓だった!」

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

編集部のおすすめ

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.