平林けい子
-
主は生きておられる(161)「少ししか」の喜び 平林けい子
少ししか持っていない。少ししかあげるものがない。少ししかできない。少ししか分からない。少ししかもらえない。「少ししか」という言葉の後には、「ない」という否定語がつく。
-
主は生きておられる(160)老々介護 平林けい子
まさか90代の夫を80代の私が老々介護するとは。老々介護はしんどい、腹立たしい、投げ出したい、優しくできない、すべてを受け入れられない。すべてのことを主に対してするようにしなさい。「できません」
-
主は生きておられる(159)宝庫 平林けい子
宝物を探すことは面白いかもしれないが、宝物を欲しいと思ったことはない。ところが、宝庫が自然に与えられた。歳を重ねるにつれて、右を向いても左を向いても、前を向いても後ろを向いても、お世話になるばかり。
-
主は生きておられる(158)蛍 平林けい子
今年は行けないけど、この時期友に誘われて近くの小さな川べりに蛍を見に行った。普段は関心を持たれない川が、この時だけ人でにぎわう。あ、あそこ。ほら、むこうにも。光り輝く蛍に目をこらす。
-
主は生きておられる(157)スローペース 平林けい子
若い頃、母と歩いた。もっと早くと母をせかした。何をそんなに急いだのだろう。歩くのがもどかしくて、常に自転車で走っていた。歳を重ねた今、私は一足一足ゆっくりゆっくり歩く。歩けることがうれしく感謝。急がなくてもいいよ、イエス様の声。
-
主は生きておられる(156)生き切る 平林けい子
94歳の夫は口癖のように言う。「生きるのがしんどい。もうすぐかもわからない」。私は繰り返す。「生きるのがしんどいのね。もうすぐかもわからないのね」。そばで見ていて長寿のしんどさを感じる。
-
主は生きておられる(155)天ぷら 平林けい子
ひさしぶりにてんぷらをつくる。揚げる材料を切って小麦粉を水で溶き、油の鍋にポトン。ジューと天ぷらの花、いい匂い。40数年前、試練の中で食費にも欠いたとき、てんぷらをつくった。
-
主は生きておられる(154)主の目的を知って 平林けい子
85年の人生の中で、涙の谷、苦しみの谷、思い煩いの谷を幾つも越えた。越えた後に、感謝と喜びの泉を見つけた。イエス様は、私を鍛えようと目的をもって導かれたのだった。
-
主は生きておられる(153)変えられた日 平林けい子
あまりにもつらくて人と話したくなかった日が、あまりにもうれしくて人に話せずにいられなくなった日に。あまりにも悲しくて立ち上がる力がなくなった日が、あまりにも多くの励ましで生きる力を伝えずにはいられなくなった日に。
-
主は生きておられる(152)解除 平林けい子
緊急事態宣言、解除。解除と聞いて警戒警報解除、空襲警報解除を思い出す。「欲しがりません 勝つまでは」の心で生きていた小学生時代。「ウー」というサイレンで、友達と遊びをやめて家に飛んで帰った。
-
主は生きておられる(151)新緑 平林けい子
新緑の今、疲れた目も、困りはてた目も、イライラする目も、悲しみに沈む目も、周りの新緑を見ると、ほっとする。心が和む。美しさに圧倒される。励まされ、力をもらう。新緑は新しい命、希望、底からのよろこび。
-
主は生きておられる(150)チューリップに励まされて 平林けい子
数十年前、悩みと疲れの中、自転車をこいでいた。入院中の夫を見舞うため。ふと気が付いた。狭い畑に赤や黄色のチューリップ。ひしめき合うように咲いていた。一本一本が言った。「暗い土の中で長い間、じっと待っていた。やっと今、咲いた」
-
主は生きておられる(149)衣替え 平林けい子
衣替えの季節、厚いセーターを脱いだ。さあ、何を着ようか。薄手のブラウスが良いか、やっぱりこの方にしようか。風に心地よいこの生地が、気持ちが良い。体を覆う衣服、季節によって衣服を替えられる。心を覆う衣服はあるか。
-
主は生きておられる(148)今こそ 平林けい子
今こそ目を開いて見よう。今こそ耳を澄まそう。美しい朝、昼、夜の空。咲こうと待っていたきれいな花々。道端のコンクリートの割れ目から、コンニチハと顔をのぞかせるタンポポ。
-
主は生きておられる(147)大空 平林けい子
空の色の不思議。空色といっても春の空色と秋の空色とは違う。薄い水色の空には薄いピンク色の桜が似合う。濃いコバルト色の秋の空には赤いもみじが似合う。大空と語り合える不思議。疲れた、つらい。さあ、見上げてごらん。
-
主は生きておられる(146)情報の洪水 平林けい子
私の小さかったとき、情報は父母、兄妹、先生から来た。今はTV、ラジオ、本、最もらくなスマホから、毎日、膨大な量の情報がこの地球を回っている。はやい、はやい。まるで濁流の洪水のように。
-
主は生きておられる(145)春風はイエス様の愛 平林けい子
まだ冷たさも感じる澄んだ朝の春風。活力と温かさで包んでくれる真昼の春風。お疲れさまと聞こえるようささやくよう、時には激しい夕べの春風。春風はイエス様の愛。受難週に吹く風、十字架と復活与えられる無限の愛。
-
主は生きておられる(144)片時も離れることなく 平林けい子
イエス様はインマヌエル。いつも、どこでも一緒にいてくださる。こんな喜びはない、という。どれほど喜んでいるだろう。主がともにおられるのは、目に見えない。にもかかわらず、主は一日中見守ってくださる。片時も離れることなく、ともにいてくださる。
-
主は生きておられる(143)平然と美しく 平林けい子
郵便局の帰り、ゆっくり歩く。あまりにも美しい青空、あまりにもけなげな桜の開花、何度も立ち止まる。世界がコロナウイルス感染の脅威におびえる中で、空は平然と春の青空を、桜は平然と開花し続ける。
-
主は生きておられる(142)悲しみのしずく 平林けい子
悲しみのしずくは、心が純化される不思議なしずく。悲しみの涙の中に、つらさ、悲しさ、いきどおり、ねたみ、思い上がり。全部しずくの中に消えてしまう。悲しみのしずくを流した後は、人の心を素直にする。人の心をきれいにする。人の心をやさしくする。
人気記事ランキング
-
福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進
-
N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025
-
世界福音同盟、新総主事にアラブ系イスラエル人弁護士を選出
-
新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版
-
ワールドミッションレポート(8月20日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(3)
-
篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(240)聖書と考える「レプリカ 元妻の復讐」
-
ワールドミッションレポート(8月17日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(1)
-
ワールドミッションレポート(8月18日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(2)
-
米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念
-
いのちの書に名を記される幸い 万代栄嗣
-
福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進
-
N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025
-
世界福音同盟、新総主事にアラブ系イスラエル人弁護士を選出
-
米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念
-
新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版
-
いのちの書に名を記される幸い 万代栄嗣
-
嫌いと無関心 菅野直基
-
シリア語の世界(30)シリア語新約聖書の和訳(1)マタイ福音書からテサロニケ人への手紙第二まで 川口一彦
-
主は生きておられる(240)黒い雨 平林けい子
-
ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に
-
根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令
-
新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版
-
キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所
-
「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展
-
N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司
-
日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及
-
日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも
-
コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に
-
ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に